野田佳彦首相は27日の衆院予算委員会で、「一番好きな、尊敬している政治家」として19世紀の英国の政治家、ヘンリー・ジェームスを挙げた。買収などに厳罰を科す腐敗行為防止法の制定に中心的役割を果たしたとされ、首相は「そういう政治家になりたいと思いやってきたが、残念ながら政治家として襟を正さなければならないことがずっと続いている」と述べた。
小沢一郎民主党元代表の元秘書3人が有罪判決を受けた政治資金規正法違反事件を巡り、石破茂氏(自民)が元代表の証人喚問を求めたのに対する答弁。野党時代から尊敬する政治家に挙げてきたジェームスに言及することで、批判をかわしたかったようだ。
首相は予算委で政治資金規正法の改正へ向け、「成案を得る努力を」と協議を呼びかけたが、事件に関するコメントは避け続けた。【佐藤丈一】
毎日新聞 2011年9月28日 東京朝刊