職質抵抗の男に威嚇発砲し逮捕　容疑で春日井署

　２８日午前４時ごろ、愛知県春日井市妙慶町の駐車場で、春日井署地域課の男性巡査部長（３２）が乗用車内にいた男に職務質問しようとしたところ、持っていたパイプレンチで抵抗され、再三の警告も無視されたため、上空に向け拳銃を１発威嚇発砲した。同行の男性巡査長（３３）や応援の署員らと４人がかりで取り押さえ、公務執行妨害と傷害の疑いで現行犯逮捕した。

　同行した巡査長は左手の甲をレンチで殴られ軽傷。男にけがはなかった。

　春日井署によると、逮捕されたのは自称ブラジル人の無職ウィキタ・マウロ・ユウジ容疑者（３６）。付近の住民から「所有者と違う人が車に乗っている」と１１０番があり、巡査部長らが駆け付けると、１人が逃げた後、助手席に潜んでいた。ウィキタ容疑者は容疑を否認している。署はカーナビなど部品狙いの可能性があるとみている。春日井署の鬼頭民雄副署長は「再三警告したにもかかわらず凶器で抵抗を続けており、必要最小限度の発砲で、適切な使用と判断している」とコメントした。

　現場は住宅地で、近所の男性（５５）によると周辺では「車上荒らしが多発し、昼間から住民らがパトロールしている」という。

（中日新聞）