10倍速読書「フォトリーディング」 実践法5つのステップまとめ
もし今の10倍のスピードで本を読むことができたら。
そんな夢のようなスキルが手に入るとしたら、あなたは試してみたくないだろうか?
そのスキルとは、「フォトリーディング」だ。
フォトリーディングは単なる速読ではなく、それ以上の変革を僕たちにもたらす。
僕は先日公認インストラクターの勝間和代さんが講師を担当されたフォトリーディング集中講座に出席し、修了証をもらった。
くわしくはエントリーも書いているので参照してください。
だが、その方法論は、実は秘密でも何でもなく、1,400円の本に書かれていて、誰でも読むことができる。
そして実際にフォトリーディング集中講座を受講してみて分かったことだが、集中講座では、この本に書いてない「秘伝」のようなものは何も習わない。
言い換えれば、10万5,000円のセミナーを受けなくとも、フォトリーディングのシステムやその実践方法は、本を読めば理解できるということだ。
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」というこの本は、フォトリーディング考案者のポール・R・シーリィ氏が書いたものだ。
そして日本にフォトリーディングを紹介した神田昌典氏が日本人向けに分かりやすいよう監修している。
今回は、この本に書かれているエッセンスの重要なポイントを皆さんにお伝えできればと思う。
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フォトリーディングは「速読術」ではない
まず多くの人が考えているであろう誤解を解いておきたい。
と、偉そうに言っているが、僕自身つい最近までその違いを知らなかったのだから詳しくない人が違いを知らなくても無理はない(笑)。
その誤解とは、章タイトルに書いたとおり、「フォトリーディングは速読術ではない」ということだ。
では一体フォトリーディングとは何なのか?
フォトリーディングは、正式には「フォトリーディング・ホール・マインド・システム」という(Photo Reading Whole Mind System)。
このシステムは、僕らが生まれつき持っている、画像処理能力を最大限に発揮させるものだ。
僕らの脳は、文字を理解して解釈する能力よりも、圧倒的に優れた画像処理システムを持っている。
人の顔の特徴を文章で表現することは非常に難しいが、写真を見てその人の顔を判断することは簡単だ。
そして、処理された膨大な視覚情報は、全てが僕らの脳に蓄積されている。
だが、普段僕らはそれら圧倒的なボリュームの記録に直接アクセスすることはできない。
あまりにもその量が膨大で、すべてを意識していたら、記憶の容量が溢れてしまうからだ。
なので、それらの視覚情報は、「潜在意識」という領域に普段は格納されていて、僕らはそれらの情報を「忘れる」ことができる。
だが、それらの情報は失われたのではなく、忘れているだけで、しっかりと潜在意識に残っている。
従って、数十年ぶりに訪れた子供の頃遊びに行った場所で、急にその頃の自分の記憶が蘇ってきたり、人混みの中で何年も会っていなかった友達とバッタリ行き合ってお互いを発見する、というようなことが可能となる。
そう、僕らは言葉として文字を理解するよりも、目で見たままを画像として処理する方が得意な生き物なのだ。
そしてフォトリーディングは、この「画像処理」と「潜在意識」を組み合わせることで、僕らの意識を「拡張」して、従来よりも大容量で高速な処理能力を身につけようというシステムなのだ。
もちろんPhoto Readingなので、読書を10倍速で行うことを目的としているシステムであることに間違いはない。
でも、このシステムを使えるようになると、探し物がすぐに見つけられるようになったり、探している情報と巡り合う確率が高まるなど、多くの効用がある。
そしてもう一つ、フォトリーディングを使うことは、本を極めて体系的かつ俯瞰的に読む技術を身につけることだ。
僕らは本を最初のページから読みはじめるクセがあるが、フォトリーディングでは、まず「自分は何故この本を読むのか」「この本を通じて自分は何を得たいのか」という問いかけからスタートする。
本全体が何のために書かれているのか、どういった情報を提供しているのか。
本の骨格を見て全体像を掴むことから始めるため、本へのアプローチ方法が大きく変化する。
この俯瞰的情報処理技術は、憶えておいて絶対に損はないものだと僕は考えている。
まさに、夢のようなシステムであることは確かだ。
フォトリーディング5つのステップ
フォトリーディングというと、パラパラと本をめくっただけで読めてしまうという印象を持つ人が多いだろう。僕もそう思っていた。
でも実は、フォトリーディングのステップには、実に色々な作業があり、大別して5つのステップに分かれている。
この5つのステップを総称して「フォトリーディング」と呼ぶのだ。
では、この本に沿って簡単に説明しよう。
1. 準備
フォトリーディングでは、いきなり本を読みはじめることはしないとさっき書いた。
まずは、読書の準備から行う。
準備とは、読書の目的を明確にすることと、集中学習モードに入ることを指す。
読書の目的を明確にすることで、本の中にちりばめられているキーワードへのアクセスが容易になる。
具体的には、以下のようなことを考えて、文字にする。僕はEvernoteに入力している。
- 本に期待すること
- この本から得られる情報はどれぐらい重要か
- どれぐらい詳細に理解する必要があるか。
- どれくらい時間を掛けるか
これらを箇条書きにして言語化しておくことで、頭の中にキーワードが入りやすくなる。
そしてもう一つの重要な準備が、集中学習モードに入ることだ。
本書ではとてもユニークな集中方として、「ミカン集中法」を紹介している。
ミカン集中法とは、自分の頭の後方上空15cm〜20cmくらいに、ミカンが浮かんでいる状態をイメージすることによって、意図的に「フロー状態」を作り出す手法だ。
フロー状態は、僕たちが無意識に「すごく集中した時」になる状態のことで、身体らリラックスしているのに脳は高度の集中状態になる。
普段僕らはなかなか意図的にこの状態に自分自身を持っていくことはできないのだが、このミカン集中法をマスターすると、短時間で自分をフロー状態に持っていくことができるようになる。
2. 予習
本を読む目的を明確にして集中モードに入ったら、次は予習を行う。
予習はごく短時間で行う3つのステップで構成されている。
1. 文書をざっと見渡す。
本の場合は目次など、全体の構成を確認できる場所をざざっと見る。時間にして1〜2分程度。
2. 目的に沿った価値があるかを検討する
「準備」の段階で考えた目的に見合う情報が得られるかどうかを確認するのがこのステップ。
3. 読み進めるか否かを決定する
結果として、自分はこの本を読むべきなのかどうかを決める。目的が達成されそうにないのなら、読まないほうがいい本もある。
3. フォトリーディング
準備が完了したら、いよいよフォトリーディングに入る。
読書の目的を明確に、加速学習モードに入ったら、自分がフォトリーディングによって達成したい成果を得ることや、完全な集中で読書を終えることなどを自分に宣言する。
これを「アファメーション」と呼ぶ。
アファメーションを行うことで、潜在意識が作業を肯定的に捉え、成果が完全なものになる。
アファメーションが終わったら、フォトフォーカス状態に入り、フォトリーディングを行う。
「フォトフォーカス」とは、文字1語1語を追うのではなく、ページ全体を視野を広げるイメージでみる手法だ。
そしてその時に、文字に直接焦点を合わせない、「ソフトフォーカス」にするのがポイントだ。
文字に焦点が合ってしまうと、文字情報は文字として脳に「意識」として取り込まれてしまう。
フォトリーディングでは、本のページを画像として「前意識」に送り込む必要がある。
フォトリーディングでは、ページ全体を見渡せるようにした状態で、ソフトフォーカスで、リズム良く、1枚(見開き2ページ)あたり1〜2秒でめくっていく。
リズムを崩さないように「チャント」と呼ばれるキーワードを呟きつつめくる。
そして最後のページまでフォトリーディングを終了したら、「無事全ての情報が脳に送られた」というアファメーションを行い、本を閉じる。
僕らの意識には、もちろん何の情報も取り込まれていない。文字を読んですらいないのだから、当たり前だ。
だが、ソフトフォーカス状態で画像情報として取り込まれた本は、僕らの潜在意識側に、しっかりと取り込まれているのだ。
4. 復習
フォトリーディングを終えたら、すぐに復習のステップに入る。
フォトリーディングしただけの情報は、ぼやけた記号の羅列であり意味をなさない。
この後の復習と活性化で、画像として処理した情報を文字情報にタグ付けしていくのだ。
復習では,以下を実施する。
1. 文書の調査
題名や目次はもちろん、以下のよう項目を調査することで、文書の全体像を把握する。
- 表紙や裏表紙に書かれている言葉
- 奥付
- 索引
- 本の最初と最後のページ
- 太字や斜体になっている部分、見出し、小見出し
- 囲み記事や数字、図表、グラフ等
- 紹介記事、要約、他人の感想や批評等
2. トリガーワードの抽出
トリガーワードとは、本の中にたびたび登場する、重要そうなキーワードである。
フォトリーディングをするようになると、これらのトリガーワードが浮かび上がって見えるようになる。
一冊の本から20〜25個くらいの重要そうなトリガーワードをピックアップして書き出していこう。
これらが、本の内容を読み解く上で重要な鍵となる。
3. 質問を作る
さきほど抽出したトリガーワードを見ていると、本の中から特に知りたいと思う質問が浮かんでくるだろう。
そこで、トリガーキーワードから質問を作って書き出そう。
この本では特に何個質問を作れと決めていないが、僕ら思い付くまま、5〜10個程度の質問を作っている。
以上で復習のステップは終了。いよいよ次は最後の活性化に入る。
5. 活性化
活性化は英語では「Activation」である。「アクティブにする」ことという意味だ。
潜在意識に入っている情報を「アクティブ」にするというと、分かりやすいだろうか。
活性化では、以下のステップを踏む。
1. 生産的休養
準備から復習までは一気に行うことがベストとされているが、ここで一旦休む。できれば一晩寝かせるのが良い。
最低でも10〜20分は本から離れ、情報を熟成させよう。
2. 質問を見直す
休息の後で、改めて質問を見直そう。
もし、フォトリーディング直後には浮かばなかった質問が出てきたら書き加えたり変更したりしてアップデートしよう。
塾生の結果、脳が働いて質問がより高度なものにアップデートされている可能性がある。
3. スーパーリーディングとディッピング
スーパーリーディングという名前は胡散臭くて嫌なのだが(笑)、ざざっと読む飛ばし読みのようなものだ。
本を最初から全部読むのではなく、重要と思われるページや章などを、ざっと読むに留める。
1文字ずつ読むのではなく、ページ全体が見えるようにして、縦書きならページの右から左へと視線を移動させる形で高速に移動させる。
そしてディッピングというのは、気になるキーワードや箇所などをスーパーリーディング中に見つけた時に、そこから数行〜多くても2ページ程度をじっくり読む手法。
スーパーリーディングで全体を俯瞰し、ディッピングでピンポイントに潜る、という作業によって、既に潜在意識に入っている情報をキーワードで結びつけ、顕在化させていく。
4. マインドマップを作る
活性化を行い情報を俯瞰的に網羅したら、その情報をマインドマップにする。
マインドマップを作成しようとすると、まだ十分情報が得られていない箇所で筆が止まるので、その部分を再度スーパーリーディングやディッピングで補っていく。
マインドマップを作る際のキーワードは、トリガーワードや自分が作った質問を用いるといい。
また、本全体を網羅して理解したい場合には、目次の構成に合わせてマインドマップの主幹の枝を作るのも効果的だ。
以上で活性化が完了し、フォトリーディングは終了となるのだが、これでは正しく情報を得られたのかどうか不安という人が多い。僕ももちろんそうだ。
また、特に知りたい情報なので、文章全体に目を通したいという人もいるだろう。僕ももちろんそうだ。
そういう場合に補足的に以下の5番目のステップ「高速リーディング」を使う。
高速リーディングは毎回行うものではなく、あくまでも補足的に使うものと認識したい。
5. 高速リーディング
高速リーディングは必要に応じて、章の全体や本全部を、高速で読んでいくテクニックだ。
この際、予習から復習までのステップでもう理解できている部分がかなりあるので、その部分はどんどん飛ばしていく。
また、多少難しいと感じる部分があっても立ち止まらずにどんどん読み進む。
フォトリーディングとその後の復習、活性化で、全体像はしっかり頭に入っていて、しかもトリガーワードも抽出してある。
だからこの段階では、自分でも驚くくらいのスピードで読んでいくことができる。
僕のような初心者でも、高速リーディングは1ページ3秒〜10秒くらいで読める。これはかなり気持ちがいい。
練習中の僕も含め、くれぐれも気をつけたいのが、「読んだ気がしない」からと、高速リーディングを先にやってしまわないこと。
一語一語を読む従来の読書スタイルに戻ってしまうと、せっかくの練習が台無しになってしまう。
もう一つ気をつけたいのは、高速リーディング中についつい熟読してしまいスピードが落ちないようにすること。
常にスピードを意識して、潜在意識にインプットされている情報を高速リーディングで「なぞる」程度だと考えたい。
まとめ
フォトリーディングについて簡単に手順を書いてみた。
各ステップには個別に詳細の説明があるので、詳しく知りたい人は是非本を読んでみて欲しい。
ただ、セミナーを受講してつくづく思ったのだが、フォトリーディングは、本を読んだだけだとなかなか全体像がイメージしにくいのではないか、ということ。
「ミカン集中法」や「フォトリーディング」が典型だが、習熟している人が目の前で「これぐらいの距離で」とか「スピードはこれぐらい」と教えてくれないと、なかなかリアルにイメージしにくいのではないかと思う。
「高速学習モード」や「ソフトフォーカス」も、なかなか本だけでは実感しにくいかなあと思う。
自動車の運転と一緒で、学科でどんなに教本を読んでも、実際に身体を動かして実習しないと憶えられないのだ。
あと、これは集中講座の講師だった勝間和代さんが仰っていたことだが、フォトリーディングはやり方を覚えたのは「運転免許を取った」程度の状態で、その後何冊も繰り返し練習することで、どんどんスピードが上がっていくのだという。
僕も実際講習後最初の3冊はステップ1〜5を終えるのに1時間半近くかかっていたのが、4冊目からは30分強でできるようになり、徐々に進化していることを実感しているところ。
ただ、冒頭にも書いたとおり、フォトリーディングの技術やステップはこの本にすべて書かれていて、隠されている奥義のようなものはないので、興味を持ったら、まずはこの本を読んで是非トライしてみてはいかがだろうか。
なお、僕が運営しているFacebookページNo Second Lifeに、僕がこの本をフォトリーディングして作成したマインドマップをアップロードするので、気になる方は参考にしてください。
ちなみにマインドマップ作成に使用したアプリはMacのMindNode Proというアプリ。
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結局この本なんだなあ。昔持ってて読んだし、やってみたこともあった。またやろうかな。 / 10倍速読書「フォトリーディング」 実践法5つのステップまとめ | No Second Life -
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