埼玉県産ブランド茶「狭山茶」について県は27日、放射性物質を検査した18銘柄のうち4銘柄で国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。狭山茶については、厚生労働省の抜き打ち検査などで暫定規制値を超えるセシウムが検出されたため、同県は今月から全約2600銘柄の出荷・販売を自粛し、順次検査している。全銘柄の検査に踏み切ってから、結果が公表されるのは今回が初めて。
県によると、規制値を上回った製造・販売元と銘柄は▽「寒川園」(日高市)の「秘園の銘茶」739ベクレル▽「新しき村」(毛呂山町)の「新しき村のお茶」1840ベクレル▽「吉澤園」(毛呂山町)の「煎茶1号」1322ベクレルと「煎茶3号」1360ベクレル。いずれも、シーズンの特に早い時期に摘み取った「若芽・早摘み」。4製品で合わせて約49キロが検査前に販売されており、県は3業者に回収を要請した。基準以下だった銘柄は販売自粛が解除される。
県は5~7月にかけて流通量の多い38検体を検査したが、規制値を超える製品はなかった。しかし、8、9月の厚労省の検査で800~1530ベクレルのセシウムが検出された。検体はいずれも、セシウムがたまりやすいとされる「若芽・早摘み」で、県の38検体の検査対象には入っていなかった。【西田真季子】
毎日新聞 2011年9月27日 21時06分(最終更新 9月27日 21時55分)