五十嵐喜芳さん
日本を代表するテノール歌手で、藤原歌劇団総監督を務め、日本オペラの発展に尽力した前昭和音楽大学長の五十嵐喜芳(いがらし・きよし)さんが23日、急性心筋梗塞(こうそく)のため東京都内の自宅で死去した。83歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く予定。喪主は妻直代(なおよ)さん。
神戸市出身。東京芸大卒業後イタリアに留学。帰国後は藤原歌劇団で「カルメン」「トスカ」「椿姫」などの主要な役を演じ、甘く美しい声で一躍スターに。「3時に会いましょう」(TBS)の司会やドラマ出演など、テレビやラジオでも活躍した。99年から03年まで新国立劇場オペラ部門芸術監督。
1985年、藤原歌劇団第3代総監督に就任。日本語字幕スーパーを初めて導入し、オペラファンのすそ野を広げた。91年紫綬褒章、98年勲三等瑞宝章。99年、イタリア政府から功労勲章コンメンダトーレ章を受けた。日本オペラ振興会常任理事。