始祖鳥:鳥ではなく恐竜の一種か 中国科学院など発表

2011年7月28日 2時0分

「シャオティンギア」の想像図と化石
「シャオティンギア」の想像図と化石

 「最古の鳥類」とされる始祖鳥(ジュラ紀後期、1億6100万~1億4500万年前)が鳥ではなく恐竜の一種である可能性が強いとの研究成果を、中国科学院などのチームが28日の英科学誌ネイチャーに発表した。中国東北部で約1億5000万年前の地層から見つかった新種の化石を解析した結果だ。今回の発見により、「鳥の起源」としての始祖鳥の位置づけをめぐる議論がさらに活発化しそうだ。【永山悦子】

 鳥は恐竜から進化したとされる。今回「シャオティンギア」と命名された新種は体長約70センチ(推定)で全身が羽毛に覆われ、前肢と後肢の両方に翼を持っていた可能性が高い。太ももあたりの羽毛は長さ約5.5センチあり、骨の特徴から始祖鳥と同じグループに分類された。生息年代もほぼ同時代とみられる。

 始祖鳥は従来「最古の鳥」と位置づけられてきたが、1990年代以降、羽毛を持った恐竜の化石が次々と見つかるなど、鳥と恐竜の境界があいまいになっている。

 チームは、シャオティンギアと始祖鳥、恐竜、鳥類の骨格や羽毛を比較した。その結果、顔の先端部の特徴などから、始祖鳥とシャオティンギアは、鳥よりも羽毛恐竜のミクロラプトル(白亜紀前期)やトロオドン(同後期)などに近かった。

 鳥の起源は、長い4本の羽根を尾に持つエピデクシプテリクス(ジュラ紀中~後期)や孔子鳥(白亜紀前期)のグループである可能性が高いとみられる。

 真鍋真・国立科学博物館研究主幹は「斬新な仮説だが、データが少なく弱い部分もある。新たなデータを追加した検証が不可欠だ」と話す。

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