コラム

2011年09月27日号

【鷲見一雄の視点】
小沢の元秘書3人全員有罪は私も読者に面目が立った


●面目が立った判決
 東京地裁は小沢の元秘書、大久保被告に禁固3年、執行猶予5年、石川被告に禁固2年、執行猶予3年、池田被告に禁固1年、執行猶予3年を言い渡した。検察側の全面勝利、3人を有罪と見立ててきた私も本誌の読者に面目が立った―という思いだ。

 というのは、判決が、大久保に対し、「07年収支報告書の架空寄付合計7000万円については、前記のような共通の認識に基づくと認める証拠はないし、池田被告から個別的な報告があったと認めるにも十分とはいえない。共謀を認定するには合理的な疑いが残る」と1部無罪とした以外、全面的に検察の主張を認め、執行猶予こそつけたものの大久保を除いて求刑道りの量刑としていたからだ。
 この判決は3人に対するというよりも小沢事務所に対する判断。小沢の裁判に影響しないわけがない。

 小沢の元秘書の事件は09年3月3日から東京地検特捜部による大久保に対する強制捜査が開始された事案。判決は、09年6月に出版された産経新聞司法クラブの《検察VS小沢一郎 「政治と金」の30年戦争》の中の法務・検察関係者の次の話を認めるものだ。
「法解釈上、有罪を得る自信はもちろんある。ただ、これは『判定勝ち』ではだめなんだ。国民が注目する中で、『一本勝ち』でなければならない。そのためには、事件の背景も含めて立証を尽くすしかない」、検察側の全面勝利である。

 弁護側は、8月22日の最終弁論で「検察の主張は空中楼閣」などと主張していた。いくら何でもこんな飛躍のある主張を裁判所が認めると思うのはおかしい。村木の事件と小沢事務所の事件は本質的に異なる、感覚がずれているように感じる。
 石川は佐藤優のアドバイスに従ったことが公となった時点で私は「無罪はない」と思っていた。宮崎学の小沢擁護論もマイナスだったと思う。
 ともあれ、09年3月から強制捜査に入った東京地検特捜部の捜査は認められた。私は小沢や小沢を裁判や検察審査会にまで関与した小沢支持者に及ぼす判決の影響は大きいと思う。(敬称略)

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