欧州で「O-104」の感染拡大-ドイツで16人死亡400人重症(6/1)【第2報】 11.06.01 03:00
■概況
・ハンブルグ市保健当局は、感染源との見方もあったスペイン産キュウリから大腸菌が検出されたものの、O-104ではなかったとの検査結果を公表〔時事〕
・欧州連合によると、ドイツ、オーストリア、デンマーク、オランダ、フランス、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスで「O-104」が発症〔毎日〕
・ドイツ北部で「O-104」の最初の感染例が報告されたのは2週間前〔AFP〕
■被害状況
【死者】少なくとも17人(ドイツ16人、スウェーデン1人)〔時事〕
【重傷者】少なくとも400人〔毎日〕
・ドイツ保健当局は1日、死者が16人に達したことを明らかにした〔時事〕
・ロベルト・コッホ研究所によると、大腸菌が引き起こす溶血性尿毒症症候群の発症者は前日の373人から470人に急増〔時事〕
・スウェーデンでもドイツから帰国した女性1人が死亡〔時事〕
・O104の感染が欧州9カ国と米国に広がり、1日までに16人が死亡、1500人以上が感染し、400人は重症という〔毎日〕
・ドイツでは1400人以上が感染し、これまで15人が死亡している〔FNN〕
・ドイツ当局は30日、死者が少なくとも14人に達したと発表〔AFP〕
・報道によると、感染が確認された例と疑われる例を合わせた報告数は1200件にも上っている〔AFP〕
・ドイツの国立研究所によると、「O104」が引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)は329人の発症が確認されている〔AFP〕
・ドイツ北部の大学医療センターの広報担当者は、同センターでは115人の感染者を確認。感染者数は過去数日間で倍増したと述べた〔ロイター〕
・ドイツ北部ハンブルクでも、5月中旬から488人の感染が確認されている
・スウェーデンでも36人に感染の疑いが見つかり、全員がドイツ北部に旅行していたとみられる〔ロイター〕
・英国、デンマーク、フランス、オランダでも、ドイツへの旅行者の中から少数の感染者が見つかったという報告がある〔ロイター〕
・欧州疾病予防管理センターは今回のHUSの流行について、「拡大範囲はこれまでで最も大きい部類に入る。ドイツで記録がある中では最大」だとしている〔AFP〕
■その他
・発生源が不明なことで不安が広がり、野菜の流通が一部で止まるなど欧州全体で混乱が広がっている〔毎日〕
・この影響で、スペインの野菜全体の輸出が鈍り、この1週間で2億ユーロ(約234億円)の損失が出たという〔毎日〕
・ロシアはドイツ、スペインからの野菜輸入を停止、オランダからドイツへのキュウリ輸出も止まっている〔毎日〕
・重症者には大量の血漿輸血が必要で、血液不足への懸念が強まっている〔時事〕
・多数の感染者が出ているハンブルク市のショルツ市長は献血を呼び掛け、自らも献血した〔時事〕
・スペインは欧州連合(EU)に対し、風評被害による損害分の補償を求めることも辞さないとしている〔AFP〕
・AP通信によると、感染拡大を受け、ドイツ政府は閣僚級の緊急会議を招集し、WHOも「被害は広範囲で深刻だ」として、各国の協調を呼びかけている〔NNN〕