同じメーカーのCorel Painter Essentials 4からの乗り換えです。そちらのソフトでも、趣味で描くには十分過ぎる内容でしたが、この新しいPainter 12はGUIも使いやすく、特に水彩の表現力には驚きました。乾燥の度合い、滲みも思いのままですし、筆の選び方で絵の具の僅かな流れも反映させられます。油彩はペインティングナイフも使えますし、アクリルやガッシュやパステルやチョークや鉛筆や木炭や何でもありますし、筆や鉛筆の形状や効果もたくさんの中から選べます。

このソフトを検討されている方の大部分には常識でしょうが、初めての方に書いておくと、ペンタブレットは必須です。マウスで描けないこともありませんが、描きにくいだけでなく、筆圧の強弱を反映させられません。ぜひ、同時にペンタブレットを購入されることをお勧めします。ペンタブレットにはPainter Essentialsが同梱されているものも多くあります。

絵を描くソフトには、定規やコンパスで描くのが中心のドロー系ソフトとフリーハンドで描くのを前提としたペイント系ソフトがあります。前者でもフリーハンドの機能はありますが、自由度は圧倒的にペイント系が上です。

実際に紙やカンバスに描くのと全く同じかと言うと、絵の具や溶き油の匂いや手に伝わる感触を別にしても万年筆とキーボードの違いのような操作性の違いがあります、一番重要なのが印刷という工程の有無です。この辺りは写真の銀塩とデジタルの違いに似ているかもしれません。ですが、そういう違いはあっても、やはり絵を描く楽しさは共通します。

Corel社の日本法人、本社のホームページにチュートリアルの動画が用意されていますので、ご覧になることを勧めます。百聞は一見に如かずです。ドロー系ソフトと違い、フリーハンドが基本なので直観で操作できます。参考書は不要かもしれませんが、Painter 12用のものはDigital Painting Fundamentals With Corel Painter 12、和書だと現時点では一つ前の版用の『はじめてのPainter11』があります。