社長日記(2011年) |
2011年04月30日辻合です。北海道と奈良を行き来していますが、その後しばらく奈良のレストランに滞在しています。今日からGWに入りましたが、奈良でも少し自粛ムードのような気がします。毎週チャリティイベントを開催していますので、土、日、祭日は多忙です。久しぶりに厨房に立って陣頭指揮を執っていますが、感覚も冴えわたってきました。 レストランで指導していることは、環境に関わらず、自分たちの本分をしっかり全うしていくことです。基礎が甘いので集中して基礎を教えていますが、やはり足りないことは顧客視点だと感じます。お客様の立場に立って品質を見つめ、サービスを見つめなおすように徹底しています。例えば家族連れで来店されたとき、子供さんが注文する商品を少し味付けを変えたり、量を調整したり、料理の温度にまで気をつけるようにします。 オーダー時、サービスの者が「この料理はお子様です」と伝えてくると、「何歳くらいのお子さんか報告するように」と、指導を入れます。子供では漠然としており、2歳の子供も居れば、小学4年生の子供もいます。年齢に合わせて、味や香辛料の量を調整しないと、おいしく食べていただけません。また、2歳くらいの子供は温度にも敏感ですので、少し温度を下げて提供しないとやけどします。また、年齢の高い方もおいでになられますので、嗜好に合わせて、調整できる料理は全て調整して提供するようにしています。 本当に顧客視点に立つとはどういうことなのかを教えますが、効率を求めすぎると、どうしても中途半端になり、顧客視点に立ちきれなく、長い目で見ると繁栄は続かないと思うのです。ビジネス視点で視ても、短期間繁栄することが得策なのか、多少利益が落ちても数十年続けることが得策なのかは、誰の目にもあきらかだと思います。持続することにこそ価値があると私たちは考えていますので、いつも基礎をしっかり行い、常に顧客を意識して、プロとしての本分を全うできるように仕事をしていきたいと思っています。 小さいこと、細かいことを大事にして、繁忙を先に求めるよりも、いつも愛されるレストランでありたいと求めています。今では奈良で初めての老舗で、26年間続けていますが、若い頃は、サービスが8割、技術が2割と、教えていました。イタリア料理が奈良に現れたばかりで、イタリア料理そのものに顧客は興味を持っていたと思うのですが、私たちはサービスに重点を置いて取り組んできました。今はそこまで極端な考え方をしませんが、それでもサービスの重要性は当時と変わっていません。むしろ、当時より複雑な世の中になっていますので、一層力を入れています。 目に見えるもの(料理)と、見えないもの(サービス)を両立させることが大事だと思います。心身一如とか、心技一体とか、古くからある言葉ですが、いつの時代も変わらないと思うのです。なかなか忍耐、忍耐の経済が続きますが、心が負けないように、仕事が終わってから座禅を組んだりして精神統一をしています。いかなることがあってもぶれない軸を持ち続けたいと思うのです。 こんな時代だからこそ、「己に負けない経営」が成功へ導くのではないかと思うのです。私も50代になりましたので、技術の伝承、サービス精神の伝承にも力を注がなければいけません。なかなか人間力の高い人は少ない時代ですが、根よく教えていきたいとがんばっています。さかなだマート、レストラン。奈良と北海道と距離があるのですが、どちらも長く持続できるように最大の努力をしていきたいと強く思うこのごろです。 2011年04月07日あわただしい毎日を過ごしています。現在私は、奈良にいます。奈良の自社運営レストランでチャリティコンサートや、チャリティキャンドルナイトなどの企画を指揮とっています。たくさんの義援金が集まり、日本赤十字社を通じて被災地に届けられるように手配しています。 今回の被災で今後起こり得るであろう事態を予測しようと、北海道、東京、関西と現場を飛び回っていますが、情報の根拠が明確でなく、なかなか難しいと感じます。しかし、オフィスに座って情報収集するだけより遥かに真実性やその規模がわかりますので、今後も出来る限り飛び回りたいと考えています。 避難所で不自由な生活を強いられている人が多い中、大震災の後の経済を想定するのは、 気が引ける部分もありますが、今後の経済が及ぼす影響が計り知れなく、供給者側としては、どれだけ生産すれば良いのか予測が急務です。 噴火湾のほたて漁が始まっていますが、噴火湾のほたて貝も津波により被害を受けていますので、例年より価格が高騰しています。ただ、全国的に絶対量が少ないことと、安全性が高いことにより、注文件数が増えています。現在、昨年より生産を高め、製作中です。私たちとしては、食品不足、経済困難な今後のことも考えると、どんどん生産することが大切と考え、生産し、供給することに全力を注いでまいりたいと思います。
さて、先だってお約束していたアマルフィの写真が出来ましたので掲載します。製作日数45日程でした。
2011年03月15日ただいま私は千葉に居ます。千葉で勤務している社員の身の安全を確認するためと、現場の状況を自分の目で確認するためです。千葉社員が居る近くで爆発炎上がありましたので、急いで関東入りした次第です。余震が続いていますので、しばらくこちらで安全が確実になるまで陣頭指揮を執ることにしました。 北海道工場では、前浜の沖止めも解除され生産を続けています。今後の相場に影響が出ることは確実ですが、出来る限り生産し、流通させることに全力を挙げてまいりたいと思います。物流につきましては、ほぼ大丈夫なところまで回復しておりますが、一部運送できない地域や、着日指定ができないこともあると思います。事前に確認いただければと思います。 また、有限会社 嘉楽(さかなだマート)では、被災地の方々に義援金を寄付し、募金も始めました。いずれも日本赤十字社を通じて被災地に提供されます。 この度の東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、多くの被災を受けられた方々に対し、お見舞いを申し上げるとともに、一日でも早く復旧されることを願っております。
2011年02月19日みなさん、アマルフィという南イタリアの世界遺産をご存知ですか?断崖絶壁を背に作られた町です。敵に攻められないように作られたそうです。実は今、自社のレストランにアマルフィのオブジェを作っているところなんですよ。横幅3m、奥行き2m、高さ1m50cmくらいの大きさで、大テーブルの真ん中にドッカと居座るように作っていますので、すごい存在感です。 大テーブルに予約されたお客様も、話題に花が咲いています。製作過程を見ていただきたいと思ったので、あえて完成形として展示せずに、そのプロセスも公開しているんですよ。中にはアマルフィに行かれたお客様がいたり、完成したら来るから教えてとスタッフに伝えて帰られるお客様も居られます。私どものレストランは、料理だけではなく、空間作りにも力を入れています。来店されたお客様が話題に事欠かないようにとの思いと、感動を提供するというフラッグシップを掲げています。 こういうオブジェを作ることによって、その店で働くスタッフたちの情熱や思いがお客様に伝わり、人もお店も活き活きしてきます。お客様とのコミュニケーションも深まり、固定客作りにもとても役立っています。次は、ベネツィアを表現しようとか、コロッセオもいいなとか、次から次へと計画を練っているんですよ。時間、空間、サービス、料理とトータルで店作りをしています。また、作っている本人も楽しいので、創作意欲がどんどん湧いてくるんです。 次回、社長日記アップの折、完成形と、途中経過の写真をアップしますね。 2011年02月10日今日は奈良からです。一度奈良入りしたものの、不具合があり、一旦北海道へ帰って、仕切り直して、また奈良へ戻ってきました。私はいつも奈良北海道間を車で縦断して行き来しています。函館、青森間だけフェリーに乗って、あとは車で走っています。飛行機を使えば早いのですが、未だ飛行機は好きになれません。というのも、ただ移動するだけで日本を感じることが出来ないからです。その点自動車ですと、交通事情や風景の変化により、いろんなことを感じとることができるからです。また、交通に限らず、プロセスにこそ大事なことがあるのではと思うからなのですよ。情報社会になって、いろんなことが居ながらにしてわかるように錯覚しているような気がするということもあります。 今年は「時空」をテーマの一つとしていて、便利にはなったけれど、あっという間に過ぎていく時間を自ら調整して、もっと時間を有意義に過ごせるような価値を高めていきたいと考えています。より良い結果を求める時、プロセスにこそ、大事な事があり、また、価値があると思うのです。結果は瞬間ですが、プロセスは圧倒的に時間が長く、如何にしてそこに到着できたか、連続した時間と記憶を繋いていきたいと思います。良い商品が出来たとき、そこにストーリーがあれば、その物がより良く感じるのは、そこに人間の営みが加わるからだと感じます。 2011年01月12日いつもお世話になり、まことにありがとうございます。 新年のご挨拶が遅くなり、まことに申し訳ございません。改めて、本年もどうぞよろしくお願いいたします。 実は、私は今、奈良の自社レストランに滞在しています。年始すぐ北海道を発ったものですからバタバタして、やっと今落ち着いたところです。開店して25年経つものですから、リニューアルのため奈良入りしているのですよ。また、今年は奈良でデリカショップを開店する計画がありまして、その設計やコンセプト作りをこれから行います。イタリアンレストランなものですから、洋風にしようと考えています。完成しましたら、写真などでご案内させていただきます。 今年は経済もあまりよくない風なことをささやかれていますが、こんな時世だからこそ、一般論に流されないように、しっかり未来を予測して打つべき手を打っていきたいと考えています。人口縮小社会、そして超高齢社会、一見経済にとってマイナス要因になりそうですが、いつの時代もこのような問題があり、過去の人たちは努力して乗り越えてきました。ドル360円から100円代の円高、バブル崩壊など、いつの時も難関はあったものです。既成概念にとらわれず、マイナスをチャンスに変えるように工夫し、創造し、道を探して歩いていきたいと思っています。 今年は、私たちに気づきがありましたら、みなさまにもどんどん情報発信したいと思っています。みさなまあっての、さかなだマートですから、win winの関係を築けるよう、いつもみなさまと共にありたいと願っております。 今後とも末永く、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
さかなだマート(有限会社 嘉楽) 代表取締役 辻合 明男
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