台風15号で、広い範囲で住宅が水につかる被害が出た福島県郡山市では、住宅にたまった泥水について、放射性物質が含まれている可能性があるとして処分せずに保管することになりました。
郡山市では、台風15号の雨で阿武隈川や支流の周辺の住宅街など広い範囲が冠水し、少なくとも住宅150棟以上が水につかる被害が出ました。市内では、住宅にたまった泥水を取り除く作業が行われていますが、郡山市は、原発事故の影響で放射性物質が含まれている可能性があるとして、回収した泥水を処分せずに保管することを決めました。住宅から回収された泥水は、本来ゴミの焼却施設で灰にしたあと埋め立て処分することになっていますが、郡山市は、こうした処分は行わず、焼却施設の敷地内で保管するということです。福島県内の下水処理施設から出た放射性物質を含む汚泥や除染で出た土などの処分を巡っては、政府が「埋め立て処分できる」とした濃度でも、一部の処分場の周辺に住む人たちなどの反対で処分が進んでいない現状があります。