ノーベル平和賞受賞者で、「モッタイナイ」という日本語を世界に広めた、ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんが25日夜(日本時間26日未明)、がんのため首都ナイロビの病院で死去した。71歳だった。家族が病院を通じて明らかにした。
1940年にケニア中部の農村で生まれた。米国の大学で生物学を学び、ナイロビ大学で博士号を取得。77年に環境保護と貧困女性の社会進出を目的に、非政府組織(NGO)「グリーンベルト運動」を始めた。7本の植樹で始まった運動は、アフリカ20カ国以上で計3千万本に及ぶ植樹に広がった。
02年に国会議員に当選し、翌年には環境副大臣を務めた。04年、環境分野で初めて、また、アフリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞。「環境は平和を守る重要な要素です」と意義を語っていた。