小田急電鉄の「小田急F−Train」、都条例抵触発覚で車体ラッピング終了・内装は継続

コラム2011/09/23(金) 07:31 
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  小田急電鉄は2011年9月22日、先に【小田急電鉄にドラえもんやパーマンなどが大集合・「小田急F−Train」登場】でお伝えしたように、同年8月3日から小田急全線にて運行していた、ドラえもん、パーマン、キテレツ大百科など、藤子・F・不二雄先生の代表的10作品のキャラクターでラッピングした特別電車『小田急F−Train(エフトレイン)』について、同年9月30日をもって「車体(外装)部分への」ラッピング装飾を終了すると発表した。東京都の指摘から、東京都屋外広告物条例に抵触していることが判明したため。なお車内(内装)の装飾は継続する(【発表リリース、PDF】)。

  今件ラッピング車両は小田急沿線の川崎市多摩区にオープンした「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」を記念して運行されているもので、10両編成すべてで違うデザインがほどこされているのが特徴。さらに1両毎に両サイドで別々の絵が配されており、見る方向を変えることでも異なる絵を楽しめる。

  絵柄は「ドラえもん」「パーマン」「キテレツ大百科」「エスパー魔美」「チンプイ」「21エモン」など。外装だけでなく、各作品やキャラクターを紹介する窓上・ドア上ポスター、「ドラえもん」「ドラミちゃん」が描かれた指はさみ防止ステッカー、代表作のアイコンが散りばめられたカラフルなデザインの吊り革など車内(内装)でも作品を堪能できる。

  今回の発表によれば小田急側では「車両塗装の変更であり、広告には該当しないものと認識」していたものの、運行開始後に東京都から東京都屋外広告物条例に抵触しているとの指摘(具体的には「許可申請」そのものをしていないことによる東京都屋外広告物条例第23条への抵触、広告物の面積が基準(車体1面の10分の1以下)を超えていることによる東京都屋外広告物条例施行規則第19条への抵触)を受け、確認したところこれが事実であると判明。その結果、今回の「外装装飾終了」という結果となった(繰り返しになるが、内装は継続される)。

  東京都が発行している屋外広告物関連のガイド用パンフレット【屋外広告物のしおり(PDF)】などで該当条例・同規則を確認する限り、今件においては小田急側が自認しているように「そもそも論として屋外広告物になりうるとの認識と、各種方面への確認がなされていなかった」、言い換えれば「法令周りも含めた事前調査と準備、調整が足りなかった」のがポイント。同様のラッピング車両でも関係当局への確認と折衝・調整を行っていれば、許諾を得られた可能性もある(他社車両で実例はある)。

  リリースでも再発防止策として「車体へのラッピング装飾などを行う際、各自治体の屋外広告物等の条例に則った手続きの確認を徹底いたします」という文言がある。小田急が今後似たような催しを行うとしても、今回のような「中途での終了」は避けられそうだ。(情報提供:Garbagenews.com)

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