安心できるオペレーティングシステム Oracle Solaris の魅力 - Solaris 11 の時代へ

安心できるオペレーティングシステム Oracle Solaris

エンタープライズシステムを支える OS として「安定」「安心」を追い求め、誕生以来 20 年近くもの長きにわたり進化し続けてきた Solaris。常に次世代を先取りした技術力と、「落ちない OS」を実現するための総合的なエンジニアリング力が、Solaris を支えてきたことは言うまでもありません。

本記事では、Solaris の開発および普及活動に携わる 4 名のエキスパートに、まもなくリリースされる Oracle Solaris 11 の魅力を語っていただきました。

[座談会参加者の氏名と略歴] 大曽根明 氏(プロダクトマネジメント本部 本部長)、佐藤和幸 氏(シニアセールスコンサルタント)、原口章司 氏(シニアマネージャ)、藤田勇治 氏(プリンシパルセールスコンサルタント)(50音順)

Oracle Solaris 11 はここがすごい

大曽根明氏
大曽根:Oracle Solaris 11は、これまでの Solaris のコンセプトを踏襲し、これまで通り、地道にひとつひとつの機能を確実に作り上げてきたものです。Oracle Solaris 10 との違いをあえて申し上げるならば、Oracle Solaris 11 では、Oracle Solaris ゾーンなど仮想化技術をさらに使いやすくするための技術が取り込まれているという点です。その代表的なものがネットワークの仮想化技術です。複雑なネットワーク環境を仮想化し、Oracle Solaris コンテナがもっている良さを最大限活かせるだけでなく、Oracle Solaris ゾーンと同じようにネットワークのリソース管理をきめ細かにできるのが大きな特長です。
原口:ネットワークの仮想化を含めることは、とても大きな意味を持っています。ネットワーク部分がネックになって、アプリケーションを簡単に移行できないという話を時々耳にします。Oracle Solaris 11 でシステムを動かせるようにしておけば、将来新しいハードウェアが出てきて、アプリケーションを移行しようとした時に、ネットワークのことを気にせずに実行環境を整えることができます。これは、現時点で、Oracle Solaris 11 だけが提供できる機能です。
大曽根:Oracle Solaris 11 は、過去のしがらみにとらわれずに取り組んできたことがたくさんあります。たとえば、モダンなインタフェースや仕組みによって、Oracle Solaris の運用管理機能はかなり強化されました。また、Solaris では常に下位互換性を重視してきました。もちろん、Oracle Solaris 11 でも下位互換性は重視していますが、それ以上に新しい機能の追加に積極的に取り組んできました。特に、運用管理を容易にするという点を重視したことが Oracle Solaris 11 のポイントではないでしょうか。
原口:さらに、デフォルトのファイルシステムをZFSにしたことも挙げられます。Oracle Solaris のあらゆる管理ツール、コンテナ、ブート環境、また新しいパッケージシステムであるIPSなどあらゆるツールがとても使いやすくなりました。
佐藤:見方は変わりますが、いろいろな使い方ができる OS に仕上がっていると思います。アプライアンス製品に組み込まれるなど、いろいろな形態で使われています。用途を限定せずに、自由な発想で使える OS というのが Oracle Solaris 11 です。 原口章司 氏
藤田:コンテナ、ネットワーク仮想化などの個別機能ではなくて、それぞれを一つに統合したオールインワン製品が Oracle Solaris 11 です。この「統合された製品」というのがポイントで、必要なものはすべてそろっており、しかも、簡単に使えるわけです。
佐藤:セキュリティ面にも注目ですね。たとえば、Solaris Trusted Extensions を Solaris 本体に取り込んでいます。Privilege といった動作毎に制御ができる機能など、仮想化した末端まで含めて、Solaris 10 よりもきめ細かいコントロールができます。
原口:UNIX では、ルートユーザーになってしまうと何でも実行できてしまいました。これが、Oracle Solaris 11 では役割ベースに変わりました。あるログインユーザーに役割を与える仕組みになったということです。また、ZFS になったことで、ファイルシステムの暗号化もできるようになり、セキュリティは強化されています。さらに、Oracle Solaris コンテナも使いやすくなり、セキュリティを強化するツールが増えました。
大曽根:Oracle Solaris の設計思想に「セキュリティを第一」にというものがあります。この思想のもと、常に一定のセキュリティレベルを保てるように製品は非常に厳しいレビューを行なっています。たとえ便利な機能があったとしても、それを取り込むためには、セキュリティレベルを保てなければなりません。もちろん、時代の流れに合わせて新しいものを取り入れていく姿勢はありますが、まずはセキュリティです。Oracle Solaris 11 になってもこの考え方は不変です。派手なことをするのではなく、地道に確実に作るという姿勢を貫いています。

コラム:Oracle Solaris ロードマップ

Oracle Solaris のロードマップです。Solaris 11 の進化に期待大です。

Solaris Roadmap

デベロッパーの期待に応えるOracle Solaris 11

佐藤和幸 氏佐藤:Oracle Solaris コンテナはデベロッパーにとって強力な機能だと思います。コンテナ単位で独立した開発環境を作れますからね。また、ファイルシステムが ZFS になることで、様々な領域でスピード感が向上しデベロッパーの大きな期待に応えられると思います。
原口:システムデザインを行っているデベロッパーにとっては、ネットワークも含めた一つの独立した実行環境を作れるのが大きなメリットになると思います。Oracle Solaris コンテナ上で手軽に試験もでき、とても便利です。
佐藤:DTrace がノングローバルゾーンで動くようになったのもポイントですね。コンテナを使った開発が本当の意味で独立した中でできるわけです。
原口:コンテナ自体もグローバルゾーンの一部でしたが、グローバルゾーンに入っていないパッケージを入れてみたり、あるいはコンテナに閉じた独立環境を作れるといった柔軟性が増してきましたね。
大曽根:ブート環境が使いやすくなったことも特長の一つです。何か問題が起きた場合に、リブートが簡単にできるのは時間短縮という意味でも大きいと思います。また、Solaris の開発者が、自ら不便に感じているところを作っているという点も大きいです。自分たちにとってもっと使いやすいものを作ろうという地道な努力が効いてきています。
佐藤:ゾーン間のネットワークトラフックなど Solaris 10 では把握できなかった情報が、見えるようになったことも良さの一つだと思います。
大曽根:ISV の方からすれば、パッケージングが簡単になることも大きいですね。
ハードウェアに関して言えば、すでに T4 というマシンがあります。以前の T シリーズより 5 倍以上のシングルスレッド性能を持っています。これも含めて世の中に出ている CPU の性能を最大限に引き出すことができる OS は Solaris だけと自負しています。特に、スケーラビリティに関しては、世界ナンバーワンだと言えると思います。
原口:サーバのみならずストレージ製品の OS としても Solaris が活用されています。今後、オラクルからリリースされるハードウェア製品に大いに期待していただきたいですね。

Oracle Solaris をココで使ってみる

藤田勇治 氏原口:ファイルシステムの基盤として使うことから始めてみてはいかがでしょうか。実際にお客様の中には、アプリケーション基盤はなかなか変えにくいという事情もあって、まずはファイルシステムで ZFS を利用したいという要望をたくさんいただいています。ZFS を使うことでプロビジョニングなどを行える環境は、圧倒的に使いやすいと思います。
大曽根:Linux ユーザーにも使いやすい設計になっています。たとえば、Solaris 11 で新しいユーザーを登録するとデフォルトとして GNU コマンド群へのパスが優先される設定となっています。また、Solaris は優れたコンパイラ(Oracle Solaris Studio)を持っていますが、実はこの Oracle Solaris Studio はLinuxでも利用できます。いきなり、Linux 上のアプリケーションを Solaris に移植するのは大変です。まずは、Linux で Oracle Solaris Studio を試していただいて、その能力を体験していただいた後に Solaris へと移っていただくのが良いと思います。
原口:「究極の可用性」と言ってもいいかもしれませんが、必要な環境を一度作ってしまえば、たとえネットワークシステムが変わったとしても、作った環境を保存したファイルシステムさえあれば、必要なシステムをすぐに稼動させることができるわけです。BCP(事業継続計画)に最適なソリューションとも言えますね。
藤田:使いやすさ満載の Solaris 11 は、一般的な IA Server でもお試し頂けます。無償でダウンロード可能でご試用頂けます。「インストールするのはちょっと…」という方でも大丈夫、Windows 上でも動作するアプリケーション型仮想化環境 Oracle Virtual Box 上でも動作します。

Oracle Solaris 11 を体験してみてください

原口:正直、Oracle Solaris は地味な製品です(笑)。とはいえ、「コンテナ」、「ZFS」、「DTrace」等、は優れた機能は、多くのユーザーの皆様から高い評価をいただいています。Solaris の世界をもっと知ってもらいたい、この良さをもっと知ってほしい、体験して欲しい、これが我々の思いです。そのためには、可視化がポイントだと思います。すなわち、Solaris が気軽に体験できるデモや紹介ビデオなどを作ることでユーザーの皆様が体験できるように、様々な形で情報発信していきたいと思います。また、エキスパートの皆さんとのコミュニケーションも強化すべきと考えています。作り手、管理者、デベロッパーなど様々なエキスパートの意見を取り入れられるようにしたいと思います。
佐藤:これら 3 つ以外にも、この場で語りつくせないすばらしい機能がたくさんあります。今後の、Oracle Solaris 11 に是非注目してください。
藤田:エンタープライズクラスのシステムを支える OS として長年培ってきたものが、ここに集約されています。Oracle Solaris 11 単体としてではなく、この製品を利用して、もっと自由な発想で新しい製品やシステムを作り出してもらいたい、そんな期待を持っています。
大曽根:オラクルになって初めての Solaris のメジャーリリースとなります。Solaris 10 登場から 6 年間待っていただいた価値は十分にあると思っています。オラクルとして、Oracle Solaris の開発には多大な投資もしています。是非、使ってみてください。

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