牧之原市議会、浜岡原発「永久停止」決議(9/26 14:40)

 東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を受けて、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)に隣接する牧之原市議会は26日、最終本会議で議員発議の「浜岡原発の永久停止を求める決議」案を賛成多数で可決した。西原茂樹市長は本会議で浜岡原発の永久停止を求める考えを正式に表明した。地元4市(御前崎、牧之原、掛川、菊川)の中で議会、市長がそろって浜岡原発永久停止の意思表示をしたのは初めて。
 西原市長は市議会の決議案の議決を尊重した上で、市が今夏実施した市民意識調査アンケートで6割の市民が再稼働に反対した結果などを踏まえて総合的に判断した。
 市議会で西原市長は「原発に対する国民の不安や不信は福島原発の事故により最大に達している」とし、「除染もめどが立たず、周辺地域や静岡県のお茶までもが放射能を浴び被害を受けた。配慮に欠けた補償の手続きに不満と不安が増幅している」と強調した。
 浜岡原発については「東海地震の(想定)震源域に立地しており、地震や津波に襲われる確率も、非常に高くなっている」とあらためて指摘し、「市民の安全と安心のために『永久停止』」は譲ることはできない」と述べた。
 決議案の採決では、「牧之原市だけが突出してしまい、御前崎市との関係が崩れて将来の市民生活に及ぼす影響があるのでは」「全面停止している中で、あえて永久停止を求める決議をする必要があるのか」などとする周辺市町との関係を懸念する反対意見も出たが、賛成11反対4で可決された。
 浜岡原発は今年5月以降、国の要請を受けて全面停止している。地元の同意を得て運転再開を目指す中部電力にとって、牧之原の議会と市長の動きは新たなハードルとなりそうだ。

中電「丁寧に説明する」
 牧之原市議会が浜岡原発(御前崎市佐倉)の永久停止を求める決議を可決したことを受け、中部電力は26日、「原発の安全性を一層向上させるとともに、丁寧に説明することで地元の皆さまの安心につながるように全力で取り組む」とコメントした。中電は現在、高さ18メートルの防潮堤建設をはじめとする津波対策を進めている。

 

議案可決を受けて発言する西原牧之原市長=26日午前11時25分、牧之原市議会議場

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