福島第一原発の事故後、原発を抱える自治体は大きな選択を迫られています。新しい原発の計画がある自治体では初めてとなる山口県上関町長選挙が行われ、原発推進派の現職が勝利しました。しかし、その一方で、停止中の浜岡原発を抱える静岡県では、半径10キロ圏内にある地元の市の一つ、牧之原市が原発の永久停止を求めました。
牧之原市議会が賛成多数で可決した決議は、「浜岡原発は確実な安全安心が担保されない限り、永久停止にすべき」とあり、市議の一人は「事実上、再稼働を阻止するための決議だ」と話しています。これを受け、西原茂樹市長も「対策に100%確実ということはなく、浜岡原発の再稼働はあり得ない」と述べ、地元4市として初めて永久停止を求めることを表明しました。浜岡原発の再稼働には静岡県と地元4市の了解が必要で、再稼働を目指す中部電力にとっては厳しい状況となりました。中部電力は、再稼働のために総工費1000億円をかけて、高さ18メートルの防波壁を建設する工事に先週、着手したばかりです。