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ヘリ炎上 「けが人なく 良かった」

隣接広場には高齢者

緊急着陸後、全焼した四国航空のヘリコプター
炎上したヘリの機体を調べる捜査員ら(22日午前、東かがわ市で、本社ヘリから)

 東かがわ市引田で22日に起きたヘリコプター炎上事故で、ヘリが緊急着陸した野球グラウンドの近くには、体育館や福祉施設などがあり、隣の広場では高齢者約40人が参加してグラウンドゴルフ大会が開かれていた。近くの幼稚園では、園庭で運動会の練習をしていた園児らが慌てて室内に退避。事故を目撃した人らは「けが人が出なくて良かった」と胸をなでおろした。

 事故が起きた午前10時過ぎ、同市社会福祉協議会引田支所長の大久保一夫さん(63)は、来賓として招かれたグラウンドゴルフ大会会場の広場から近くの支所に戻ろうとしていた。ごう音で上空を見上げると、ヘリがキャビン後部から煙を上げながら降下してきた。

 「着陸直後に炎上し、5分後には尾部が焼け落ちた」。機体が爆発するのを恐れ、周辺に駐車してあった車を急いで移動させたという。

 同支所職員の永峰雄二さん(60)は、事故を目撃した人から「着陸後、機内から3人が飛び出した。うち1人は消火器を手にしていたが、ヘリはあっという間に炎上した」と聞いた。永峰さんは「そばには障害者施設や温泉施設がある。着陸場所が無人のグラウンドで良かった」と話した。

 現場から北約200メートルの市立引田幼稚園では、児童ら65人が運動会の練習をしていた。教諭の谷口美香さん(38)が白煙を上げるヘリに気づき、すぐに同僚と園児を室内へ避難させた。着陸現場からは黒煙が上がり、鼻をつく臭いも漂ってきたといい「もし幼稚園に向かってきていたら……」と不安そうだった。

 同日午後、ヘリを所有する四国航空の高松空港内の事務所で聞き取り調査した国土交通省運輸安全委員会の福田公爾調査官は、飛行中にキャビン付近で出た火が燃料に引火した可能性を示唆。「エンジンからの出火を検知する装置が作動したとの報告はない。キャビン周辺には複数の電源や制御装置があり、重点的に調べる」と述べた。

2011年9月23日  読売新聞)
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