飯田市南信濃の「梨元ていしゃば」にレールを敷く「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」の会員ら |
「遠山郷」と呼ばれる飯田市南信濃、上村両地区の林業を支え、1973(昭和48)年に廃線となった森林鉄道の復元に取り組んでいる「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」は24日、南信濃木沢にある駅跡地「梨元ていしゃば」にレールを敷く作業をした。森林鉄道の運行に携わったり、幼いころ親しんだりした住民らが汗を流し、当面の目標50メートルのうち32メートルを完成させた。
作業には県外の会員らを含め約40人が参加。砂利を敷き、間伐材などを利用した枕木を並べた。民家の屋根の重しなどとして使われていたレールを据えて、犬くぎで枕木に固定した。
遠山森林鉄道の保線などに従事した地元のお年寄りが指導する場面も。会長の前沢憲道さん(63)=飯田市南信濃=は「教えてもらうのは今しかない。機関車を走らせ、林業で栄えた地域の歴史を残したい」と力を込めた。
南信濃出身で大阪府茨木市の会員、上野豊さん(62)は「こうした重労働をして木を動かした時代があった」と昔を懐かしんだ。飯田市川路の小川五男さん(67)は木曽郡大桑村出身。故郷を走っていた森林鉄道への強い思いから今回の参加を決めたといい、「近い将来、ぜひ乗れるようにしたい」と話していた。