浜松大との練習試合にフル出場した千代反田(右)=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは24日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで浜松大と練習試合を行い5−2で勝った。DF闘莉王の出場停止に伴い、10月2日の清水戦(アウスタ)起用が有力になっているDF千代反田充(31)がフル出場。J1では3カ月以上ブランクがある先発の感覚を取り戻すことから、準備を始めた。
疲労感が千代反田の心の安らぎだった。スコアは気にしていない。「久しぶりに90分プレーした時の体を確かめたかった。そういう意味ではいい練習試合になった」
闘莉王が抜けた穴を埋めるのは1人しかいない。「使ってもらえればですけどね」と千代反田は遠慮がちに言うが、約3カ月ぶりの先発出場が言い渡されることは確実。
6月25日の浦和戦で先発フル出場して以降、試合終盤の守備固め要員としての出場が続いていた。相手の清水をイメージするよりまず、先発型の自分のプレーイメージを確認することが大事だった。
シーズン中に控え中心に練習試合に出場することはあっても、せいぜい45分。浜松大戦は、前でボールを奪うタイミングや、サイドチェンジの感触を90分トータルで意識する絶好のシミュレーションとなった。「選手が違うので、連係は特別意識しなかった」と振り返ったが、周囲の選手と声を掛け合いながら修正するDFとして必要な振る舞いは、欠かさなかった。
移籍2年目でプレーの幅は広がっている。昨年は守備に専念し、奪ったボールは闘莉王や増川に預けるイメージが強かったが、「チームのやり方に慣れて、落ち着いてプレーできるようなってきた」という今季は、攻撃の組み立てにも積極的にかかわるようになっている。「もっと真ん中へパスを通しても良かったかもしれない」と課題もみつかって、清水戦まで1週間の準備に必要なことを整理した。「体を100%に持っていって、チームの力になりたい」。J1通算150試合を超える経験があるから、残り7試合の重要な局面を任されても、平静に過ごす余裕がある。 (木本邦彦)
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