Facebookのうっとうしさ タイムラインで辟易度に磨きがかかる
2011年09月25日00時33分
Facebookのユーザー・カンファレンス、「f8」が先週サンフランシスコで開催されました。
今回のイベントではタイムラインという新機能が特にアピールされました。
タイムラインが一体、どういうものであるかについてはMarket Hackの姉妹ブログメディア、TechWaveの湯川さんの記事が詳しいのでそちらを見て下さい。
さて、タイムラインのコンセプトを見て僕が感じたのは(Facebookは一層、鬱陶しいサイトになったな)というものです。これは褒め言葉です。
「鬱陶しい」というのは国語辞典によると:
などの意味があります。
なぜタイムラインは「こころがふさいで晴れない」ないしは「じゃまになってうるさい」と感じさせるのでしょうか?
それはFacebookが昔から持っている、自慢の道具としての側面がタイムライン機能によってさらにパワーアップしたことで辟易度に磨きがかかったからに他なりません。
これまでのFacebookでは主に「基本データ」の部分で「自分がどんな人間であるか」を相手に誇示することがなされました。湯川さんの記事では「出会ったばかりの最初の5分間の情報」と説明されています。
自分の名前や勤務先、出身校、好きな音楽、性別などがそれに相当します。
これらは全てその個人の属性をシグナルする情報です。
しかし「もっと仲良くなるためには次の15分で最近の関心事を語る必要がある」のでそれを実現するのがタイムラインというわけです。
そこでは:
自分がどういう人間であるかを勤務先や出身校に加えて、こんどは持ち物やアクティビティで語らせるわけです。
これでもか、これでもかという容赦ない見せびらかしをタイムラインは可能にするわけです。
これは正直、疲れます。
しかしマーケターの立場からするとタイムラインは模倣的消費行動を喚起する極めて重要な道具ということになります。
ひとはなにかを購入するとき、他人の持ち物や商品に対する意見に大きく影響されやすいです。
だから企業にとってFacebookはタイムライン機能の導入で一層重要なマーケティング・チャンネルになってきたと言えるでしょう。
つまり株としてのFacebookの魅力は今回の新機能導入で増したわけです。(もちろん、未だIPOされていませんが)
その反面、ツールとしてのFacebookはねたみ、そねみの要素が余りにも強まり過ぎ、ソーシャルなつながりを広げてゆくのに支障が出てきたのではないかなと感じます。
もちろんFacebookは家族や恋人などごく親しい間柄でのコミュニケーション・ツールとしては素晴らしいし、タイムラインの導入もそれをより強固なものにすると思います。
ありのままの自分を受け入れてくれるのは家族やごく親しい友人だけであり、彼らだけが自分の喜びや興奮を素直に共有してくれるからです。
その意味ではFacebookはより拡散して行こうとしているのではなく、大事な家族や友人だけに対するメディアとしての地位を固めようとしているのかも知れません。
今回のイベントではタイムラインという新機能が特にアピールされました。
タイムラインが一体、どういうものであるかについてはMarket Hackの姉妹ブログメディア、TechWaveの湯川さんの記事が詳しいのでそちらを見て下さい。
さて、タイムラインのコンセプトを見て僕が感じたのは(Facebookは一層、鬱陶しいサイトになったな)というものです。これは褒め言葉です。
「鬱陶しい」というのは国語辞典によると:
1.こころがふさいで晴れないこと
2.じゃまになってうるさいこと
などの意味があります。
なぜタイムラインは「こころがふさいで晴れない」ないしは「じゃまになってうるさい」と感じさせるのでしょうか?
それはFacebookが昔から持っている、自慢の道具としての側面がタイムライン機能によってさらにパワーアップしたことで辟易度に磨きがかかったからに他なりません。
これまでのFacebookでは主に「基本データ」の部分で「自分がどんな人間であるか」を相手に誇示することがなされました。湯川さんの記事では「出会ったばかりの最初の5分間の情報」と説明されています。
自分の名前や勤務先、出身校、好きな音楽、性別などがそれに相当します。
これらは全てその個人の属性をシグナルする情報です。
しかし「もっと仲良くなるためには次の15分で最近の関心事を語る必要がある」のでそれを実現するのがタイムラインというわけです。
そこでは:
わたしはこんなクルマに乗っている
わたしはいまこんなところでお茶している
わたしはこんなスマホを持っている、、、
自分がどういう人間であるかを勤務先や出身校に加えて、こんどは持ち物やアクティビティで語らせるわけです。
これでもか、これでもかという容赦ない見せびらかしをタイムラインは可能にするわけです。
これは正直、疲れます。
しかしマーケターの立場からするとタイムラインは模倣的消費行動を喚起する極めて重要な道具ということになります。
ひとはなにかを購入するとき、他人の持ち物や商品に対する意見に大きく影響されやすいです。
だから企業にとってFacebookはタイムライン機能の導入で一層重要なマーケティング・チャンネルになってきたと言えるでしょう。
つまり株としてのFacebookの魅力は今回の新機能導入で増したわけです。(もちろん、未だIPOされていませんが)
その反面、ツールとしてのFacebookはねたみ、そねみの要素が余りにも強まり過ぎ、ソーシャルなつながりを広げてゆくのに支障が出てきたのではないかなと感じます。
もちろんFacebookは家族や恋人などごく親しい間柄でのコミュニケーション・ツールとしては素晴らしいし、タイムラインの導入もそれをより強固なものにすると思います。
ありのままの自分を受け入れてくれるのは家族やごく親しい友人だけであり、彼らだけが自分の喜びや興奮を素直に共有してくれるからです。
その意味ではFacebookはより拡散して行こうとしているのではなく、大事な家族や友人だけに対するメディアとしての地位を固めようとしているのかも知れません。
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