イスラエルによる占領からの独立を目指すパレスチナのアッバス議長は、23日、国連への加盟申請を行ったあと、国連総会で演説し、「パレスチナの国家樹立と国連への正式加盟は地域の平和につながるものだ」と述べて、各国に国連加盟への支持を訴えました。
パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は、23日午前11時半ごろ(日本時間の24日午前0時半ごろ)、独立国として国連への加盟を申請する書類をパン・ギムン事務総長に手渡しました。このあと、アッバス議長が総会で、「パレスチナ国家の議長として加盟を申請した」と申請書の写しを掲げながら報告すると多くの代表団が立ち上がり、拍手を送りました。総会での演説でアッバス議長は「パレスチナの国家樹立と国連への正式加盟は、中東の平和につながるものだ。パレスチナが生まれ変わろうとしているこのとき、世界の人々に共に歩んでほしい」と述べ、各国に対して国連加盟への支持を訴えました。一方、このあと演説したイスラエルのネタニヤフ首相は「パレスチナはまず、イスラエルとの和平を実現すべきで、独立国はそれからだ」と述べ、和平交渉を経ずに国連への加盟を申請したアッバス議長を非難しました。加盟申請は、まず国連の安保理で議論されることになっており、安保理の議長国のレバノンは、週明けの今月26日に非公式協議を行うと発表しました。この問題を巡っては、中東和平を仲介するアメリカのオバマ大統領が「和平は直接交渉によって達成されるべきだ」として、安保理で拒否権を行使する構えも見せてきましたが、パレスチナ側に申請を思いとどまらせることはできず、アメリカの影響力の低下を示す形となりました。