為替戦争:外貨準備高3122億ドル、危機対応に十分

 韓国の外貨準備高は8月末現在で世界7位の3121億9000万ドルだ。韓国政府と韓国銀行(中央銀行)は、現在の外貨準備高を、さまざまな危機に対応する上で十分な水準とみている。根拠となるのは、外貨準備高が短期対外債務(1年以内に返済しなければならない対外債務)の何倍あるかだ。6月末現在で、韓国の短期対外債務は1497億ドルで、外貨準備高はその2.1倍に達する。短期対外債務を全て返済しても1500億ドルの余裕がある計算だ。

 外国為替市場が危機に陥る直前の2008年6月には、外貨準備高(2581億ドル)が短期対外債務(1757億ドル)の1.5倍にとどまっていた。

 その後、同年9月から12月にかけ、695億ドルが流出し、市場では「韓国はドル不足に陥る」との懸念が高まり、ウォン相場が急落した。結局米国と300億ドル、日本と200億ドルの通貨スワップ協定を結び、為替相場を防衛することができた。現在は当時のように700億ドル前後の流出があっても、外貨準備高はリーマンショック以前の状況と同水準を保てる。

 しかし、悲観論者は、韓国に流入している外国人の資金全体を基準に外貨準備高の防衛能力を評価すべきだと主張する。6月末現在、韓国に流入している外国人の資金は総額8949億ドル。内訳は工場建設など直接投資が1398億ドル、株式投資が3376億ドル、デリバティブ金融商品が258億ドル、債券投資が1885億ドル、外国人が市中銀行などに直接貸し付けた資金などその他が2033億ドルとなっている。

 韓銀はこのうち、債券投資とその他投資だけを「債務」と見なしているが、悲観論者は株式投資も債務に準じた扱いが必要で、十分な外貨準備高があるとは言い難いと指摘する。

 韓銀は「外貨準備高は必要ならば2‐3日で現金化できる資産で構成されている」と説明する。現在の外貨準備高のうち89.7%(2798億ドル)は海外の有価証券であり、大半を米国債が占める。しかし、世界の債券市場がパニックに陥り、スムーズな取引が不可能となれば、現金化が困難になる事態も想定される。

パク・ユヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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