リベットの実験について語ろう(受動意識仮説)

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1 名前:飲茶 投稿日:2007-08-29 21:52:13.0 拍手 (0) (0) Boo!
リベットの実験について語りましょう。


2 名前:jin 投稿日:2007-08-30 12:47:55.0 拍手 (2) (0) Boo!
リベットの実験で疑問に思ったことがあります。

反射神経を測定するゲームをやったことがあるんですけど、
マークが点等してからボタンを押すまでに大体0.25秒くらいしかかからないんですよ。
これじゃ
「モニターを見て、脳波の電位に変化が表れた瞬間に指を動かしてください」
のほうが、リベットの実験よりも指を速く動かせることになって、おかしいと思います。


3 名前:飲茶 投稿日:2007-08-30 14:30:48.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>TAさん

>何の前触れもなく突然「はっ」と指を動かそうと意図することなんて、そんなに上手くできるものでしょうか。
>実は心の奥深くで、事前に心の準備をしてたりしませんか?
>もしそのような「事前の心の準備」があるのなら、その「心の準備」をした瞬間を、
>今測定したい【意図した時刻→指が動いた時刻】のスタート時点に設定しないとずるくないですか?
>ちなみに俺には「事前の心の準備」をした時刻なんて正確に把握できません。心の奥深くすぎて。

まず、『脳が動き出した時刻』というのは、
指が動いた時刻』から0.55秒を引き算すれば、出てきますよね。
0.55秒という数値の意味が、まだ正確に理解できていませんが、
もしこれが、物理的、神経学的に、『指を動かすために、脳が必要とする時間』であるならば、

時刻Aに指が動いたのであれば、脳はかならず、「時刻Aより0.55秒前」に動いていなければならない、
という前提がでてきます。

そして、「自分は、指を動かそうと意図した」と思いたってから、実際に指が動くまでの時間間隔が、
0.55秒以下であれば、すくなくとも、『脳が動いた後に意図した』という結論になると思います。

さて。問題は、ここからで、
「自分は意図したつもりだが、実は、心の奥深くで、事前に心の準備をしていたのではないか?」
ということですが、
まず、「事前の心の準備」というものが、「心の奥深くすぎて、自分でも認識できない」のであれば、
それは(『自分で認識できない意図』という意味での)『無意識』とみなしても良いと思います。

リベットの実験結果で主張したいこと』が、
自分で意図したつもりでも、すでに脳は指を動かすための準備をしていたんだよ!
ということであれば、その『無意識』がいつ起きていようと、
主張したい結論は変わりはないだろうと考えました。

つまり、

無意識的に思った時刻 → 脳が活動した時刻 → 意図したと思った時刻 → 指が動いた時刻

もしくは、

脳が活動した時刻 → 無意識的に思った時刻 → 意図したと思った時刻 → 指が動いた時刻

のどちらであっても、
「脳が活動した時刻」と「指が動いた時刻」の間に、「意図したと思った時刻」があれば、
自分で意図したつもりでも、すでに脳は指を動かすための準備をしていたんだよ!』という
結論は変わらないと、私は考えました。


4 名前:飲茶 投稿日:2007-08-30 14:37:10.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>2 jinさん
>リベットの実験で疑問に思ったことがあります。
>
>反射神経を測定するゲームをやったことがあるんですけど、
>マークが点等してからボタンを押すまでに大体0.25秒くらいしかかからないんですよ。
>これじゃ
>「モニターを見て、脳波の電位に変化が表れた瞬間に指を動かしてください」
>のほうが、リベットの実験よりも指を速く動かせることになって、おかしいと思います。

あ、本当に、そうですね。

(そういえば、この前、バキという格闘漫画の連載で、
「0.5秒以内の間は、脳が反応できないから、殴り放題だ!」
というシーンがありましたね)

直感的には、反射神経は、反射というだけあって、
普通に意図して体を動かす場合とは、ルートが違うのかもしれませんね。

そのへん、だれか、詳しい人がいたら教えてほしいところです。

まとめると、

リベットは、0.5秒と言っているけど、
0.5秒より短く反応する場合もあるじゃないか。
その0.5秒って、具体的には、何の時間なんだ?

という疑問ですね。ちょっと、リベットさんの本も買って
読んでみようかと思います。


5 名前:kamekame 投稿日:2007-08-30 22:10:07.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>2 jinさん
>リベットの実験で疑問に思ったことがあります。
>
>反射神経を測定するゲームをやったことがあるんですけど、
>マークが点等してからボタンを押すまでに大体0.25秒くらいしかかからないんですよ。
>これじゃ
>「モニターを見て、脳波の電位に変化が表れた瞬間に指を動かしてください」
>のほうが、リベットの実験よりも指を速く動かせることになって、おかしいと思います。

それなんですけど,受動意識仮説で考えると,世界中の人は,何もかも0.5秒遅れた世界を生きているという解釈があるんですよ。
再掲ですけど,リベットの実験結果では,
1.運動準備電位→350msec→2.意図した時刻→200msec→3.指が動いた時刻となったそうです。
この人にとっては,意図したと思ってから,0.2秒で指が動いているんです。
ですから,マーク点灯を認識したと思ってから,0.25秒でボタンを押せても不思議じゃないんです。
つまり,実際は,マーク点灯を認識したと思う0.35秒前にほんとは認識が終わって,既に,運動準備電位が出ていたのに,意識していないんです。
それじゃ,0.35秒遅れで生きてるってことじゃないのとお思いでしょうが,通常,意図した瞬間に指が動いたと考えているわけですから,0.2秒足して,感覚的には0.55秒の遅れがあることになるわけです。

それに,マークが点灯してからボタンを押す。という行為は,リベットの実験とかなり似ているんです。
リベットの実験は,時計を見ながら,自分でボタンを押そうと思ったときに押して,いつ,ボタンを押そうと思ったのか報告する。というものですから,例えば針が12を指したら押すと決めていたら,結果は同じに成るはずです。
0.2秒と0.25秒は個体差として,認められる程度の差だと考えられますし。
意図したと思う前に既に動き始めているなんて信じられないとお思いでしょうね,私も,信じにくかった。




6 名前:飲茶 投稿日:2007-08-30 22:48:09.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>5 kamekameさん
>>リベットの実験で疑問に思ったことがあります。
>>
>>反射神経を測定するゲームをやったことがあるんですけど、
>>マークが点等してからボタンを押すまでに大体0.25秒くらいしかかからないんですよ。
>>これじゃ
>>「モニターを見て、脳波の電位に変化が表れた瞬間に指を動かしてください」
>>のほうが、リベットの実験よりも指を速く動かせることになって、おかしいと思います。
>
>それなんですけど,受動意識仮説で考えると,世界中の人は,何もかも0.5秒遅れた世界を生きているという解釈があるんですよ。
>再掲ですけど,リベットの実験結果では,
>1.運動準備電位→350msec→2.意図した時刻→200msec→3.指が動いた時刻となったそうです。
>この人にとっては,意図したと思ってから,0.2秒で指が動いているんです。
>ですから,マーク点灯を認識したと思ってから,0.25秒でボタンを押せても不思議じゃないんです。

おそらく、jinさんの疑問は、

・「反射神経を測定するゲーム」で、0.25秒という測定結果がでている
 (0.25秒は、感覚時間ではなく、光が点灯してから、ボタンが押されるまでの時間)

・リベットの実験では、指を押すときに脳が必要とする時間は、0.55秒となっている

という2つについて、「その0.55秒って、おかしくないですか?」
ということを聞いているのではないでしょうか?

その場合、「実は、意識の時間がずれているのです」というのは、
回答になっていないように思います。


7 名前:kamekame 投稿日:2007-08-30 23:48:59.0 拍手 (0) (0) Boo!
そうですね〜。図に描いて見ました。私のイメージは,こんな感じですがどうでしょう。

本当の時間   意識の中の時間

0.00    −0.35    無意識ながら,活動開始⇒運動準備電位発生が計測される。   
0.05    −0.30
0.10    −0.25
0.15    −0.20
0.20    −0.15
0.25    −0.10
0.30    −0.05
0.35     0.00    意図したと意識する。多分,時計の針もこの時0を指したと意識する。
0.40     0.05
0.45     0.10
0.50     0.15
0.55     0.20    実際に指が動いてボタンを押して,信号が計測される。




8 名前:飲茶 投稿日:2007-08-31 00:10:01.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>7 kamekameさん
>そうですね〜。図に描いて見ました。私のイメージは,こんな感じですがどうでしょう。
>
>本当の時間   意識の中の時間
>
>0.00    −0.35    無意識ながら,活動開始⇒運動準備電位発生が計測される。   
>0.05    −0.30
>0.10    −0.25
>0.15    −0.20
>0.20    −0.15
>0.25    −0.10
>0.30    −0.05
>0.35     0.00    意図したと意識する。多分,時計の針もこの時0を指したと意識する。
>0.40     0.05
>0.45     0.10
>0.50     0.15
>0.55     0.20    実際に指が動いてボタンを押して,信号が計測される。

上記で言っていることは、もちろんわかるのですが、

「反射神経の測定ゲームで0.25秒という結果が出た」ということは、
「光が点灯してから、実際にボタンを押された時間を
 ストップウォッチ(時計)で測ったら、0.25秒だった。
 そして、それは、リベットの0.55秒と矛盾しませんか?」
ということだと思うので、
「意識の中の時間」は関係ないのかなと思いました。

(意識がどう時間を感じていようと、0.25秒という数字を出したのは、時計なので。
 時計がずれることはないと思います)


9 名前:kamekame 投稿日:2007-08-31 00:15:38.0 拍手 (0) (0) Boo!
連投ですみません。
分かりました。おかしい気がしてきました。
光が点灯したのは,本当の時間が0.00の時で,指が押されたのは,0.55のときだから,0.55秒と計測されるわけですね。
感覚的には,0.20秒で指が動いたように感じるけれど,機械はそうならないはずということですか。
それでは,修正です。

本当の時間   意識の中の時間

0.00    −0.35 無意識ながら,活動開始⇒運動準備電位発生が計測される。   
0.05    −0.30
0.10    −0.25
0.15    −0.20
0.20    −0.15  本当は,ここで指が動いて,信号が計測される。
0.25    −0.10
0.30    −0.05
0.35     0.00      意図したと意識する。多分,時計の針もこの時0を指したと意識する。
0.40     0.05
0.45     0.10
0.50     0.15
0.55     0.20      指が動いてボタンを押したと意識する。

あれ,これだと,リベットの実験が成り立たなくなってしまいますね。
また,後で考えます。


10 名前:飲茶 投稿日:2007-08-31 00:19:54.0 拍手 (0) (0) Boo!
実際に、反射神経ゲームを探して、実験してみました〜。

http://sunpillar2004.hp.infoseek.co.jp/javascript/reflexe.html

ゲーム説明
反射神経を測定するゲームです。
「開始」ボタンを押すとボタンが「Wait」に変化します。
1秒以上5秒以内にボタンが「押せ!」に変化するので押します。
「押せ!」に表示されてから押すまでに要した時間が表示されます。

えっと、自分は、0.26秒くらいでした。

すると、当然、リベットの実験結果が正しいなら、
このゲームをやって、測定結果が、
0.55秒以下になることはないのではないか……
と疑問は、当然でてくると思います。

#それとも、これは反射神経特有のルートを通るから、
#0.55秒以下になるとか、そういうことなのかもしれませんね。


11 名前:いも 投稿日:2007-08-31 01:31:25.0 拍手 (0) (0) Boo!
専門じゃないので微妙なのですが、ポンプみたいな感じなんじゃないですかねぇ。
こう、じわじわと押していって、閾値を越えた時点でピュッと水が飛び出すみたいな。

(リベットの実験の場合)
脳で、「筋肉を動かそう」という命令が出る(ポンプが押されていく)
      ↓
意識が「筋肉を動かそう」と意識したつもりになる(ポンプがある程度押された状態)
      ↓
実際に筋肉が動く(水が出る)

(反射神経ゲームの場合)
脳で、「光が来たら筋肉を動かせ」という命令が出る(ポンプが押されていく)
      ↓
意識が「光が来たらボタンを押すんだ」と思ったつもりになる(ポンプがある程度押された状態)
      ↓
光が来るのを待っている(水が出るギリギリのところで待っている状態)
      ↓
光が見え、筋肉が動く(最後のひと押しがされ、水が出る)
(ほぼ同時に、意識が「押せ!」と思ったつもりになる)

数字的にも、けっこう辻褄「は」合いそうですよね。


前野先生にリベットの実験について質問してみたことがあるのですが、とりあえずは『マインド・タイム』を読んでほしい、と言われました。(読んでないんですけどね^^;)
いろんな検証がなされているらしくて、そこにけっこう詳しく書かれているようです。


12 名前:kamekame 投稿日:2007-08-31 14:09:40.0 拍手 (0) (0) Boo!
マインドタイム実は私も探していました。見つからないので,ネットで買うことにします。
ただ,前野先生のHPで,たとえリベットの実験が誤りだったとしても,他にも,受動意識仮説を支持するものはあるので,リベットの実験だけに固執はしていないとのことでした。
リベットの実験結果,まさか,間違いじゃないことを祈るような気持ちです。


13 名前:jin 投稿日:2007-08-31 15:41:54.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>4 飲茶さん
>直感的には、反射神経は、反射というだけあって、
>普通に意図して体を動かす場合とは、ルートが違うのかもしれませんね。
僕も似たような考えです。

反射神経測定ゲームとリベットの実験で異なる部分といえば、視覚からの情報を優先しているということですね。
指先に集中しながら反射神経測定ゲームをすることはほとんど無理です。
ボタンを押す動作は無意識に近いと思います。
(初めてテレビゲームをやる人は手元を見ながらコントローラーを動かすが、
ゲームに慣れると動きのパターンがニューロンに作られ、視覚からの情報と指先の動きが直接結びつく)
つまり運動準備電位ではなく視覚に関係する準備電位がすでに発生しているというのが僕の推測です。


リベットの実験の場合は外からの情報ではなく『自分の意志』で指を動かさなければならないので、
当然指先に意識を向けなければなりません。
こちらは運動準備電位が発生するわけです。

そう考えると準備電位は意識そのものということになり、
kamekameさんのいう0.35秒遅れた世界というのも興味深くなってきます。


14 名前:musica 投稿日:2007-09-01 02:05:50.0 拍手 (0) (0) Boo!
この流れの意見を見て、プログラミングの概念であるイベントドリブンを思い浮かべてしまいました。
これは、「入力(イベント)が来たら動かす機能を登録して、入力が来たら自動でその機能が働きだす」
ような仕組みだと思ってくださればいいかなあ。

脳のどこぞがイベントドリブンのための手続きを、脳内の反射を担当するモジュールに登録している。

と考えるとわかりやすい、というかなんというか・・・。


ところで、手を動かす、と言う処理は比較的単純なので、無意識の問題で片付けることができますが
キーボードのある文字を押す。という処理は文字を読まなくては成らず、難しいですよね。
タッチタイピングができる人なら、コンマ2秒以下に1打、キーボードを普通に打つ場合には打てるようです。
そこで、反射神経ゲーム的に、タッチタイピングをしてもらうのはどうでしょうか?


15 名前:jin 投稿日:2007-09-01 20:45:14.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>14 musicaさん
イベントプリントの例はわかりやすいですね。


僕の推測から説明すると、
キーボードのタッチタイピングの場合も、ゲームのコントローラーと同じようにパターンがすでに頭の中に作られ、指の動きが視覚と直通してると考えられます。(一度頭の中で音声に変換する人もいるかもしれません)
文字の情報は視覚から入ってくるので指の動きは無意識でも問題ないと思います。
(指の動きは無意識ですが、視覚や言語の理解に意識を向けています)


16 名前:無知 投稿日:2007-09-02 01:40:33.0 拍手 (0) (0) Boo!
反射ゲームがリペットの実験よりも早い数値を出す現象について・・・

私の解釈(仮説)も、反射神経ゲームは、単に脳を経由していない(文字通りの反射)
あるいは、リペットの実験とは同じ神経系統を使っていないのではないかと思います。

前者は、脳が反射ゲームをすると準備した時に、既に目と腕の神経系統を「反射」に近い状態に切り替えている。
後者は、通常の生活(リペットの実験と同じような事柄)は、少々複雑な神経系統を経由しているのに対して、反射ゲームは目的が単純なために、脳は経由しているが複雑な神経系統を経由する必要が無い。
という仮説です。

例えば、反射ゲームが「赤」と「青」がランダムに表示され、「赤」と表示されたら赤のボタン、「青」と表示されたら青のボタンを押すというゲームであったならどうでしょうか。
私の予想では(正しく確信してボタンが押せた時は)リペットの実験と同じかそれ以上のタイムになる気がします。(脳の解釈を必要とするから)
手旗ゲーム(赤上げて、白上げて、赤下げないで、白下げる・・・っていうゲーム)などの「正確さと速さ」を競うゲームの時などを思い出していただければ良いと思いますが、極力早く対応しようとするとイレギュラーな変化に付いて行けなくなります。
これは、脳が予測を行うのか、反射を行なっているのか等は定かではありませんが、通常の脳の神経支配とは違う制御機能(現象)が起きていると考えられます。

これらの事から、反射的に何かを行なわなければならない状況になった時、脳は上記私の仮説のような神経系統にスイッチするのではないかと考える事ができるのではないでしょうか?

別の考え方としては
反射ゲームはボタンを押すという命令が既に出ていて、それを別の命令が一時的に抑制している状態と考えてはどうでしょうか。(アクセルとブレーキを同時に行なっている状態)
そして、目が何らかの変化を捉えたとき、抑制している命令を解除するように準備をする。
ボタンを押すという命令よりも、抑制を解除する命令の方が早いので、反射ゲームはリペットの実験よりも早いタイムがでるという考えはできませんかね。
これは、フライングをしてしまう現象を分析する事によってある程度説明が付く気もします。



ちなみに、私はブラインドタッチをしますが、私のブラインドタッチ時に起きる現象について説明します。
私はローマ字変換を行なっています。
私は日本語はブラインドタッチが出来ますが、英語はブラインドタッチが出来ません。
具体的には、ブラインドで「はた(hata)」とは打てますが、「that」を打とうとすると、とたんにTやHのキーがどこにあるのかが分からなくなります。
また、私の知り合いにはブラインドタッチの出来る人間は結構いるのですが、どうやら私にだけ起きている現象があるようです。
私のタイプミスは、「す(su)」と「ず(zu)」を打ち間違えたり、「つ(tu)」と「づ(du)」を打ち間違えたりします。
とりとめの無い話で申し訳ありませんが、ブラインドタッチの話が出ていましたので、参考までに・・・・


17 名前:Torazi 投稿日:2007-09-04 20:57:47.0 拍手 (0) (0) Boo!
こんにちは。シロウトなのでトンチンカンかもしれませんが、
リベットの実験の意味というのは、ランプを見てから反応するまでの時間が0.5秒というより、
ランプを見て反応して、「それをやったのだと自覚するまで」が0.5秒だよ
ということだと思ったのですが、違ったでしょうか?

ですから、反射神経テストのゲームですと、
サインが出たらボタンを押すぞ、というプログラムを脳に組み上げ待ち構える、
・・・反応が起こる(0.3秒程度)、→それを自覚する(0.5秒あと)
ということが起きているのではないでしょうか?

考えるより手が先にでる、という表現がありますが、我々はすべての行動を自意識の元で
やっているわけではなく、無数の小さな「自動実行プログラム」を用意して、
自意識はそれを起動させているだけ、ということが多いと思います。
(スポーツなどはほとんどこれでやっていると思います)

問題は、それを自覚するまでの時間が動作よりも後だということで、
我々は実は、自意識で行動しているつもりでありながら、末端の動作については
「反射的行動を後追いで自覚しているだけ」なのでは?ということかと思います。

我々が自分と思っている自我部分はかなり上位で、下位の希薄な意識(反射に近くなる)
に大雑把な指揮をだして、結果を自覚しているだけなんじゃないでしょうか。
(たとえば自転車をこいでいるときの意識を思い出すと・・・)


18 名前:ときんざん 投稿日:2007-12-18 13:23:15.0 拍手 (0) (0) Boo!
反射ゲームの場合はリベット博士は当然のように
それは無意識行動ですとおっしゃると思います。
意識は後からついて行くのです。
ご丁寧なことに意識は時間について朔行する錯覚をもつことができる
とされています。
すなわち0秒に起きたことを0.5秒後に認知するのですが
その際あたかもそれが0.5秒前すなわち0秒に起きたものと
錯覚する能力があることが実験のよって確かめられているとおっしゃっています。
だからノープロブレムなのです。
(私は失礼ながら「ああいえばじょうゆう」という言葉を思い出します。)
リベット博士は決定的に重大なことを意図的にか過失かわかりませんが
無視されています。
それは私が反射ゲームをやるとき
手を動かす行為は
(随意筋の一つ一つにどのような命令を与えているかは当然として
腕や体の動かし方全体としても)
明確に意識していないかもしれないけれども
「私はボタンを押すんだ」という決意はあらかじめもっているし、
行為している全時間を貫いて意識に保持しているということです。
意識は複合的なのです。
リベット博士はこの意識の複合性について全く無視されています。
ピッチャーが投げます。バッターが打ちます。
それは(修練を積んだ行動すべてにいえることですが)神業とも見える行為です。
しかしピッチャーはキャッチャーのグラブと投げようとするボールの軌跡に
全神経を(すなわち全意識を)集中しているはずです。
バッターについても同様でしょう。
リベット博士の場合にはそれらがすべて失神状態で行われていることになります。
失神状態で神業をなすというわけです。何とも間抜けな話になってしまいます。


19 名前:Torazi 投稿日:2007-12-29 03:43:45.0 拍手 (0) (0) Boo!
”「私はボタンを押すんだ」という決意”や、”全神経を集中している、という自覚”すら、
体(脳)が行った”決意”や”集中”を、”オレは決意してる””集中してる”と後から自覚しているだけ、
ということはないのでしょうか。
すべての思考、行為が「自動的に」行われていて、
意識が完全に”TV画面に浮かぶ画像”(脳の活動の結果浮き上がる幻影)とするなら、
遅延は矛盾を生まない気が…


20 名前:ときんざん 投稿日:2008-01-12 14:00:58.0 拍手 (0) (0) Boo!

決意にもまた成立時間(立ち上がり時間)が必要だということはその通りだと思います。
しかし私はいったん成立した決意がある行為のかなり前からかなり後まで意識に現存する筈ということを強調したいのです。
それはその人の行為に影響を与えている筈です。
リベット博士の実験で「自発的な活動に結びつく特定の脳の活動が、行為を促す意志の前に始まっている、
つまり、行動しようとしている自分自身の意図にその人が気づく前に始まっている」といわれています。
しかし、被験者はリベット博士にマイベースで指を曲げることを許可されています。
このとき被験者は許可されていると言うことを実験の時間経過全体にわたって意識しているはずであり、またそれば被験者の行為を拘束しているはずです。
博士自身は「今動こうとするプロセスは行為を実行しようとする思考や事前の選択決定とは区別しなければなりません。、、
私たちが調査したのは、いつ行動すべきか、被験者が折々に予定したことであり、意志の思考フェーズを調べたのではありません。」(マインドタイム下条訳p154)と仰っています。
ここで被験者の現存するはずの意識が無視されています。
被験者は指を動かすなといわれればずっと動かさなかったはずです。
決して「事前決定」や「思考フェーズ」というような静的な問題ではありません。
リベット博士の調査はいつ行動すべきかといった大きなことではなく、
ふつうなら「あっ、しまった,またtとrを間違えて打った。」といった小さな動作に関わることではないでしょうか。
ここから、人間がある行為について意図する以前にその行為に関する脳の活動がすでに始まっている。意識はそれを追認するだけだ。と結論づけるべきものではないでしょう。
(木を見て森を見ざるが如し)

蛇足
脳が活動しそれから少し遅れてそれが意識されるというようにまるで脳と意識が別物であるかのように平気で言う人がいます。
しかし、1ミリ秒のインパルスが走る世界で500ミリ秒といえばかなりの時間です。
(まあ意識は幻想だなどと荒っぽいことを平気でいっている人にとっては当然かもしれませんが)
その500ミリ秒の時間脳が何をしているのか気にならないのでしょうか。
瞬間の意識とは何でしょうか。持続する意識とは何でしょうか。私はテレビのフレーム数から瞬間とは30ミリ秒くらいだと思います。それ以上短い時間は意識には無いと思います。
30ミリ秒くらいで意識に参加するすべてのニューロンを信号が走りきらなければなりません。
そんなことが可能なのでしょうか。たぶん可能なのでしょう。
そうでなければ30フレームのテレビ画面は成り立ちません。
この約30ミリ秒で全意識は成立している。そして一部要素の削除と付加を少しづつ行いながら基本的には前の瞬間を反復している。
私は意識とはそういう「もの」だと思っています。


21 名前:Torazi 投稿日:2008-01-12 21:32:53.0 拍手 (0) (0) Boo!
ときんざんさん

すみません。私は言いたかったのは、”実は我々は(哲学的ゾンビとして)常に<自動的>に動いており”
<意識>は”その結果を見ているだけの存在のくせに、まるで自分が決断したかのように感じている”
(実際の決断は、<自動的>に行われている!)という事は考えられないか、という意味です。

判断や決断の結果が行動にフィードバックされるじゃないか、だから時間軸が前後するのはおかしい、
となるわけで、「判断や決断すら」<無意識>が行っており、<意識>は単にそれを
”まるで自分がしたかのように<追体験>しているだけ”の傍観者的存在、と仮定すれば、
決してフィードバックは起きないので、矛盾はなくならないか、と思ったのです。

夢遊病のように、高度な情報処理をしていても『自覚』がなければ、<意識>はありません。
極端にいえば、<意識>がないまま、日常生活を完璧にこなしたとすれば、もう外からは区別がつきません。
結局<意識>とは、自覚の有無でしかないわけで…この「自覚」の処理に意外な時間を食うとしたら?
と思ったのです。
トンチンカンかもしれません。すみません。


22 名前:ときんざん 投稿日:2008-01-21 03:52:26.0 拍手 (0) (0) Boo!
Toraziさん
私は意図してから1秒後に動作が始まる場合はどうかということを言っています。
意図という意識があって動作途中にあってもその意図内容と動作の異同が検討可能な場合
意図という意識内容と動作は関連しているといえると考えます。
したがって意図の成立に時間が必要であるとしてもそれは立ち上がりの問題に
しかならないのです。
しかし、意図が成立していて、そのあと動作が行われることが
明白な場合においても意図の意識とはことなる脳の機能が働いていて、
意識はそれを「みているだけ」という主張であるなら私は1ステップ
議論をとばしたことになります。

第一に物的な問題として考えてみたいと思います。
まず時間的に後ということが安易にいわれますが、すべてを二重化するということは
意識内容のすべてを時間的に遅らせなければならず、大変なことです。脳内において
なんらかの物的な機能(装置)が必要です。
目覚めている以上、次々に感覚器からはいる変化と行動器から返送される変化と
脳の内部で生み出される変化のうち
意識される部分をいちどなんらかのバッファにためこむ必要があります。
分子変化にいったん固定するのかあるいは信号のキャッチボールで保持するのかどうしているのでしょう。

そこで時間的に後という話はなしとします。
そのばあいも脳のなかに「意識装置」が「自動的無意識脳」とは別に必要です。
それはどのような装置で「自動的無意識脳」とどのように物的に接続されて
いるのでしょうか。また「意識装置」も物質的にはニューロンやシナプスで
構成されているわけですがそこで再びそれは自動的に無意識に計算しているだけで
意識ではないという問題が起きないでしょうか。

第二に意識の問題として考えてみたいと思います。
Toraziさんは自分の意識がそのようなものであるということに満足されているの
でしょうか。そこでは科学者のいうことも他人のいうことも参考にするだけであり、
ほかならぬ自分が検討してみることしかありません。
自分の意識(外的現実を含む)を検討してみて、「これでいいのだ」と満足されるので
しょうか。
ほかならぬ自分自身を子細に検討されるならば、意識は脳の動きの結果を
見ているだけということでは満足できない点が出てくると思います。


もう私は十分発言したような気がします。
これ以上発言を控えさせて戴きたいと思いますので失礼かとは思いますが
よろしくお願いします。


23 名前:kamekame 投稿日:2008-01-27 20:19:22.0 拍手 (0) (0) Boo!
お久しぶりです。
お久しぶりすぎて流れが分からなくなってしまっています。

リベットの実験について語るというこのスレで発言する前に,「マインド・タイム」やリベットの実験報告書を何も読んでいないということは,机上の空論を想像で語るようなことになると思ったのです。しかし,「マインド・タイム」を読んで,実験の意味合いが良く分からなくなってしまって,何を発言して良いのか分からなくなってしまいました。

その後,「ユーザーイリュージョン」を読んだのですが,言いたいことは分かったのですが,本当にそれが,リベットの実験結果から言えるのか,もう一度「マインド・タイム」を読み直したりして,時間がかかってしまいました。

結果,そんなにクリアーに理解できたわけではないのですが,私の中で,読む前と何かが変わった気がするので,ここらで,分かったことも分からないことも皆さんに提供して一緒に考えたいと思いキーボードを打ちました。

では,本題です。

1. リベットの実験とは具体的に何をしたのか
 当時,論理実証主義的な観点からは,人間の内観報告は客観的な証拠として認められないと一般的に考えられていました。しかし,リベットは,意識について研究するためには,どうしても人間の内観報告を実験結果として認めなければならないと考えました。そして,なるべく人間の主観などが入り込まないような基本的なことから実験で確かめようとしたのです。
リベットは大きく分けて2種類の実験をしました。

(1) 感覚が意識に生じるタイミングに関する実験
 リベットは,友人の医師の協力を得て,脳を手術する人の大脳皮質を刺激する脳神経学的実験を行う機会を得ました。もちろん患者にもインフォームドコンセントを得ていました。
 大脳皮質をパルス状の電気で刺激し被験者がどのくらいの刺激の強さで感じるかを調べました。すると,500ミリ秒以上刺激しないと刺激が感じられないことが分かりました。500ミリ秒以下では,時間が短くなればなるほど,通常ではありえないほど刺激を強くしなければ感じないことが分かったのです。
 これに対して,皮膚を刺激した場合は,10から20ミリ秒程度で刺激を感じます。そこで,皮膚から脳皮質の神経の途中の経路を刺激してみました。結果はやはり,500ミリ秒以上の刺激が必要だったのです。この時の,大脳皮質の電気反応を調べると,皮膚を刺激した30ミリ秒後には初期EP反応と呼ばれる反応があるのですが,被験者には全く意識されないことが分かりました。
 また,皮膚を刺激してから,遅延して脳の皮質を刺激する実験を行うと,遅延刺激が500ミリ秒以内になされた場合には,先行する皮膚刺激に対する感覚がブロックされたり,マスキングされるということが分かりました。
 この結果から,皮膚の刺激が単発であっても,脳の皮質に500ミリ秒以上継続する信号が発生して,感覚が意識されるのではないかと考えました。
 しかし,皮膚を刺激したときは,すぐにその刺激を感じるという事実と500ミリ秒の遅れは矛盾します。これを矛盾なく説明する理論は次の様になります。
 『皮膚からの単発の刺激は,30ミリ秒程度で脳に達するが,その時点では,意識に感覚は上らない。その後,500ミリ秒の脳内の電気反応があって,意識に感覚が生じる。しかし,その時,初期EP反応の時点に刺激を感じたように遡及して感覚が生じる。
500ミリ秒より前に体が反応するような事象は,無意識になされている。』
(2)行為を促す意図に関する実験
 被験者は,陰極線オシロスコープが生み出す光の点が高速(2.56秒で一周する。時計の秒針の25倍,1つの刻みが43ミリ秒に相当)で回る時計のような文字盤の前に座って,頭頂部のある部位に電極を付けて,座ります。
 そして,被験者に指を動かしたいと思ったときに指を動かしてもらい,指を動かそうと意識したときの光の点の位置と,指を動かした時間を(筋電図で)測定しました。
 この操作は,頭頂部に発生する電位が微弱な信号であるため,ノイズに埋もれてしまうので,40回繰り返し,頭頂部の電気信号の平均を取りました。
 実は,このような実験は,コーンフーバーとディーックが1965年に既に行っており,頭頂部に準備電位RPが自発的な行為に先立って発生することを発見していたのでした。しかも,800ミリ秒から1000ミリ秒前に開始していたのです。
 リベットは,この時間に疑問をもち,これを,確かめようと実験したのです。
 その結果,指を動かすための信号が現れる約550ミリ秒前に準備電位RPが現れました。そして,意図したと感じた時間はその約200ミリ秒前だったのです。
 コーンフーバーらの実験との違いについては,リベットは,次の様に考察しています。「コーンフーバーらの実験では,被験者は,6秒以内に指を動かすように指示されており,リベットの実験では,その様な制約がなく,被験者が指を動かそうと思ったときに動かしていたという違いがこの差を生んでいる。」
 整理すると,『指を動かすタイミングについてなんらかの制約があるときは,その準備を行うために,実際に指が動く時間より800ミリ秒から1000ミリ秒前に準備電位が発生する。制約がなく,自由なタイミングで指を動かした場合は,約550ミリ秒前に準備電位が発生する。意識に「意図した」というアウェアネスが発生するのは,実際に指を動かす約200ミリ秒前である。

2. 自由意志の問題
 リベットは,この実験結果から,意識的に意図する前に,脳が指を動かすことを実際に決めているとしたら,それは,自由意志と呼べないと考えました。そして,指を動かそうと意図したことを自覚したら,直後に,指を動かすことをやめるという実験をしました。
 その結果は,「やめることが出来た」のです。このことから,リベットは,意志は,無意識から発生するけれど,「意識」には拒否権だけが与えられていると推論したのでした。

3. 考察
 結局,リベットの実験から何が分かるのでしょうか。それは,
 『意識は,無意識の産物である。』ということです。そして,『人間の行動は無意識になされており,意識はそれを追認しているだけだ。』ということです。
 ここから,様々な疑問や,反論,考察が発生します。
「クオリア(意識)は何のために発生しているのか」このような問いも,違った意味で再考しなければなりません。

 長くなりました。この辺りで,一旦区切り,皆さんのお考えを聞きたいと思います。


24 名前:kamekame 投稿日:2008-01-28 21:28:40.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>2 jinさん
>リベットの実験で疑問に思ったことがあります。
>
>反射神経を測定するゲームをやったことがあるんですけど、
>マークが点等してからボタンを押すまでに大体0.25秒くらいしかかからないんですよ。
>これじゃ
>「モニターを見て、脳波の電位に変化が表れた瞬間に指を動かしてください」
>のほうが、リベットの実験よりも指を速く動かせることになって、おかしいと思います。

このスレの最初にして最大の課題提起は,上記でした。
この問題に答えずに,次に行くわけには参りません。

その答えは,
人は無意識に反応している。』ということです。

100メートル競走では,0.1秒以下で反応した場合は,フライングとなります。
つまり,最速で,0.1秒で反応できることを認めています。

しかし,ピストルの音の感覚は,意識には,0.5秒後に認識されます。
ただし,最初に脳の皮質に電気信号を感じた時点に遡及して認識されます。

そして,走り出そうとする命令も意識に上る前に体に伝わるに違いないのです。
そして,その後で,走り出そうとする「意図」が意識に上るのです。

つまり,人は無意識に行動し,後から,意識的に活動したというイメージが意識に上るのです。

武道の達人やスポーツの熟達者は,いちいち体をどう動かそうと意識せず,無意識に反応するのです。
そして,意識して反応したかのように思い込むのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうだとすれば,次の疑問は,・・・・

脳は「無意識」に物を見聞き出来て,体を動かすことができるのに,わざわざ,「意識」というイリュージョンを我々に見せている。しかも,<私>が見た。<私>が聞いたというような主体感覚をわざわざ作って。

さらに,・・・無意識を含めた私を「自分」と呼ぶならば,「自分」の本質は哲学的ゾンビである。
我々は,「無意識」という哲学的ゾンビが「意識」や<私>という仮面をかぶった存在なのだ。

そして,この「意識」の要素,エレメントはアウェアネスであり,クオリアである。

よって,クオリアは,「無意識」から「意識」へのアウトプットであり,「意識」を意識している脳のどこかの部分のインプットである。よって,「意識」の目的が分かれば自動的に,クオリアが何のために発生しているのかがわかることとなる。

「人は,約3000年前まで意識を持っていなかった。」という説もある。

「意識」は何のためにあるのか。・・・


25 名前:ZeitVοgel 投稿日:2008-01-28 22:37:33.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>23 kamekameさん
お久しぶりです。
リベットの実験に関して詳しいことは殆ど知らないので、
失礼ながら実験内容に関して質問してしまいますが、ご容赦ください。

> 大脳皮質をパルス状の電気で刺激し被験者がどのくらいの刺激の強さで感じるかを調べました。すると,500ミリ秒以上刺激しないと刺激が感じられないことが分かりました。500ミリ秒以下では,時間が短くなればなるほど,通常ではありえないほど刺激を強くしなければ感じないことが分かったのです。
> これに対して,皮膚を刺激した場合は,10から20ミリ秒程度で刺激を感じます。そこで,皮膚から脳皮質の神経の途中の経路を刺激してみました。結果はやはり,500ミリ秒以上の刺激が必要だったのです。この時の,大脳皮質の電気反応を調べると,皮膚を刺激した30ミリ秒後には初期EP反応と呼ばれる反応があるのですが,被験者には全く意識されないことが分かりました。
被験者が刺激を感じる時間が500ミリだとか10ミリだとかの話なのですが、
被験者が刺激を感じた、という事実(報告?)はどうやって確認を取っているのでしょう?
その確認(報告)方法によっては時間の誤差が出てしまうのは確実なような気がします。

> 整理すると,『指を動かすタイミングについてなんらかの制約があるときは,その準備を行うために,実際に指が動く時間より800ミリ秒から1000ミリ秒前に準備電位が発生する。制約がなく,自由なタイミングで指を動かした場合は,約550ミリ秒前に準備電位が発生する。意識に「意図した」というアウェアネスが発生するのは,実際に指を動かす約200ミリ秒前である。
つまり、指を動かすタイミングを0秒とすると、
550ミリ秒前 「指を動かせ」という命令を脳が準備する
200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図が発生する
  0ミリ秒 「指を動かせ」と脳が命令する
という感じでしょうか。

>長くなりました。この辺りで,一旦区切り,皆さんのお考えを聞きたいと思います。
これは色々な見方ができるような気もします。
現象報告パラドックス派的に考えてみると、550ミリ秒前に脳が命令を準備して、
その時にクオリアが「指を動かせ」という命令を受け取り、脳に影響を与えることで(その間350ミリ秒)、
200ミリ秒前の「指を動かそう」という意図が発生した、ということもできそうです。
物理主義派的に考えてみると、200ミリ秒前に意図が発生して、その意図が発生した時にクオリアが発生し、
同時にその意図を脳が読み取り、「指を動かそう」と思ったことを脳内でフィードバックします。

でも、これって少しおかしいようにも思えます。
脳は500ミリ秒以上は刺激を与えられなければ刺激を感じることはできないなら、
クオリアの影響も脳が発生させた意図も、500ミリ秒脳内で流れ続けなければ脳は認識できそうにないと思います。
クオリアの影響を受けて、脳がそれを認識するためには500ミリ秒以上かかるでしょう。
550ミリ秒前 「指を動かせ」という命令を脳が準備する→クオリアに影響
200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図が発生する←クオリアからの影響
  0ミリ秒 「指を動かせ」と脳が命令する
これは、脳が350ミリ秒で外部から脳への直接の刺激を感じている、ということになると思います。
脳の中に350ミリ秒以内で外部からの刺激を感じる器官がある、
あるいはクオリアからの刺激が非常に大きいというのも考えにくいことです。
また、フィードバックは脳内の現象なので500ミリ秒かかるのか分かりませんが、
少なくとも「指を動かそう」という意図が発生した200ミリ秒前よりかは後に、
その意図のフィードバックを取るような気がします。

とすると、やっぱりクオリアは脳内の現象自身と考える方がいいように思えますね。
このスレに冠された「受動意識仮説」という言葉に則ってこれ以上は語りませんが、
kamekameさんの仰ることから判断すれば、クオリアが脳の判断に影響を与えているというのは考えにくいですね。


26 名前:kamekame 投稿日:2008-01-29 21:52:28.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>25 ZeitVοgelさん

質問にお答えします。
>被験者が刺激を感じる時間が500ミリだとか10ミリだとかの話なのですが、
>被験者が刺激を感じた、という事実(報告?)はどうやって確認を取っているのでしょう?
>その確認(報告)方法によっては時間の誤差が出てしまうのは確実なような気がします。
被験者は,局所麻酔によって,開頭されて,脳みそが露出した状態になっています。痛みは無く,意識はあります。
そして,脳の体性感覚野に電極が付けられています。
そして,刺激は感じるか感じないかギリギリの閾値で行われます。
時間は刺激している側で計測します。被験者が計測しているのではありません。
そして,電極の付いている部位に対応した部位に刺激を感じるかどうか被験者に尋ねます。
その結果,500ミリ秒以上継続して刺激しないと,アウェアネスが発生しないことがわかりました。

10ミリ秒の方は,皮膚を刺激した時間と,脳の体性感覚野に取り付けた電極で検出した電気信号の時間差です。
これも,本人のアウェアネスとは無関係に時間計測できます。

>> 整理すると,『指を動かすタイミングについてなんらかの制約があるときは,その準備を行うために,実際に指が動く時間より800ミリ秒から1000ミリ秒前に準備電位が発生する。制約がなく,自由なタイミングで指を動かした場合は,約550ミリ秒前に準備電位が発生する。意識に「意図した」というアウェアネスが発生するのは,実際に指を動かす約200ミリ秒前である。
>つまり、指を動かすタイミングを0秒とすると、
>550ミリ秒前 「指を動かせ」という命令を脳が準備する
>200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図が発生する
>  0ミリ秒 「指を動かせ」と脳が命令する
>という感じでしょうか。
微妙に違う気がします。ここは,大事なところなので訂正します。
550ミリ秒前 「指を動かせ」という「意図」を「無意識」が準備する。
200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図を「意識」する。
  0ミリ秒 「指を動かせ」という電気信号が筋肉に走る。
です。

>>長くなりました。この辺りで,一旦区切り,皆さんのお考えを聞きたいと思います。
>これは色々な見方ができるような気もします。
>現象報告パラドックス派的に考えてみると、550ミリ秒前に脳が命令を準備して、
>その時にクオリアが「指を動かせ」という命令を受け取り、脳に影響を与えることで(その間350ミリ秒)、
>200ミリ秒前の「指を動かそう」という意図が発生した、ということもできそうです。
そうですね,ただし,スポーツ選手が,非常に短時間に反応できることを考えると,ある場合には,無意識から直接体を動かす命令が出てしまい,そのあと,意識に「意図」のクオリアが浮上すると考えたほうが良さそうです。

>物理主義派的に考えてみると、200ミリ秒前に意図が発生して、その意図が発生した時にクオリアが発生し、
>同時にその意図を脳が読み取り、「指を動かそう」と思ったことを脳内でフィードバックします。
>
>でも、これって少しおかしいようにも思えます。
>脳は500ミリ秒以上は刺激を与えられなければ刺激を感じることはできないなら、
>クオリアの影響も脳が発生させた意図も、500ミリ秒脳内で流れ続けなければ脳は認識できそうにないと思います。
>クオリアの影響を受けて、脳がそれを認識するためには500ミリ秒以上かかるでしょう。
>550ミリ秒前 「指を動かせ」という命令を脳が準備する→クオリアに影響
>200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図が発生する←クオリアからの影響
>  0ミリ秒 「指を動かせ」と脳が命令する
>これは、脳が350ミリ秒で外部から脳への直接の刺激を感じている、ということになると思います。
>脳の中に350ミリ秒以内で外部からの刺激を感じる器官がある、
>あるいはクオリアからの刺激が非常に大きいというのも考えにくいことです。
>また、フィードバックは脳内の現象なので500ミリ秒かかるのか分かりませんが、
>少なくとも「指を動かそう」という意図が発生した200ミリ秒前よりかは後に、
>その意図のフィードバックを取るような気がします。
>
>とすると、やっぱりクオリアは脳内の現象自身と考える方がいいように思えますね。
>このスレに冠された「受動意識仮説」という言葉に則ってこれ以上は語りませんが、
>kamekameさんの仰ることから判断すれば、クオリアが脳の判断に影響を与えているというのは考えにくいですね。

この部分は,何を仰っているのかあまり理解できないのですが,
とにかく,クオリアを感じていると報告できるということは,クオリアが脳に影響しているからなのですよね。
よって,影響していると考えます。

結局,「クオリア」の定義をどう考えるかによって,影響を与えないと考えられたり,影響を与えていると考えられたりするのだと考えます。
つまり,随伴現象説の様に,クオリアを「脳の物理的な電気化学反応に随伴して発生する物質以外のもの」と定義してしまうと,物質以外のものが物質に影響するはずが無いという結論になってしまいます。
しかし,クオリアというものを「無意識」が生成した「意識」を表す情報信号要素と考えれば,この「意識」に影響を与えていることになろうかと存じます。

ただ,「無意識」に体を動かしたり反応できるのなら,なぜ「意識」などというものがあるのかは,詳しく検討する必要があると考えます。
うろ覚えなのですが,前野先生の受動意識仮説では,エピソード記憶を生成するためと説明していたと思いますが,リベットは,記憶は海馬により生成されるが,海馬を損傷している人も意識があることから,記憶とは直接関係が無いのではないかと考えているようです。
「無意識」に生きるとはどんなことなのか。
「意識」は何をするためにあるのか,ないと,どうなるのか
一度は,「効率的に生きるため」という説明をつけたのですが,それで完全に説明できたとは思っているわけではないのです。


27 名前:kamekame 投稿日:2008-01-30 23:10:32.0 拍手 (0) (0) Boo!
訂正です。

前回の発言再掲
>ただ,「無意識」に体を動かしたり反応できるのなら,なぜ「意識」などというものがあるのかは,詳しく検討する必要があると考えます。
>うろ覚えなのですが,前野先生の受動意識仮説では,エピソード記憶を生成するためと説明していたと思いますが,リベットは,記憶は海馬により生成されるが,海馬を損傷している人も意識があることから,記憶とは直接関係が無いのではないかと考えているようです。
前野先生の本を読み直し,私の誤解が判明しました。
前野先生の説は,エピソード記憶が生存に有効であり,エピソード記憶を作り出すためには,まず,「体験」をする必要がある。
「意識」は「体験」を作り出すためにある。と主張しているのでした。
これなら納得です。
海馬は,「体験」をエピソード記憶として側頭葉に「貯蔵」するための機関ですので,海馬損傷の事例は「意識」の存在意義と関係ないわけです。


28 名前:ガメラ 投稿日:2008-02-05 22:21:12.0 拍手 (0) (0) Boo!
質問いいでしょうか。

>550ミリ秒前 「指を動かせ」という「意図」を「無意識」が準備する。
>200ミリ秒前 「指を動かそう」という意図を「意識」する。
> 0ミリ秒 「指を動かせ」という電気信号が筋肉に走る。
とのことなんですが、これを解釈じゃなく具体的に起きたことで書き換えるとどうなるんでしょう。
最初のとこは「550ミリ秒前 準備電位RPが発生する」ですよね。
では200ミリ秒前は何が起きたんでしょう。
「準備電位RPとは別の、意識に対応すると考えられている電流が流れた。」でしょうか。
あるいは、
「200ミリ秒前 時計が時刻Aを指す
 …その後  被験者が、時計が時刻Aを指しているときに指を動かそうと思った、と報告する」
でしょうか。
それとももっと別のこと?


29 名前:kamekame 投稿日:2008-02-07 21:54:00.0 拍手 (0) (0) Boo!
>>28 ガメラさん

>では200ミリ秒前は何が起きたんでしょう。
>23
をもう一度読んでいただけると分かると思いますが,200ミリ秒前に意識に意図が浮かんだと考えたのは,意図が浮かんだときの文字盤の光の点の位置を被験者が報告したからその様に分析したのです。
回転する光の点の位置を正確に読み取れているのかということは,別の実験で計測し,50ミリ秒ほど早めに計測しているとのことで補正しているようです。また,ばらつきもあります。しかし,その誤差は数十ミリ秒程度とのことです。
200ミリ秒ほどはありません。40回ぐらい試行して,平均を取った値のようです。

私も読み違えているかも知れません。「マインド・タイム」を読んで確かめてください。
そして,いろいろな方にリベットの実験に誤りがあるかどうか考えていただくべきだと私は考えます。
他のスレはともかく,このスレでは元の実験報告を何も読まずに想像で議論しても始まりません。


30 名前:Tarosa 投稿日:2008-02-29 03:28:26.0 拍手 (0) (0) Boo!
ロードレースのスタートダッシュは、条件反射ですね。自己練習や指導者の訓練をつむと、格段の差が生じます。
初心者と、3年生では比較になりませんでした。

意識的か無意識なのかの判断は、自分自身では、わかりません。

昔の思い出。オートバイレース中に頭の方で「バチン、バチン」と、破裂音がすると、自己ベスト更新したりしてました。ヘルメットかぶって耳元で聞こえるから、脳の中で起こっている現象ではないかと、思ってます。脳波ってどのような仕組みで出ているのでしょうか?


31 名前:ガメラ 投稿日:2008-03-07 08:33:39.0 拍手 (0) (0) Boo!
この実験から受動意識仮説派の人は、「意識が行動を決定することはなく、意識は現実世界よりも数百ミリ秒遅れた世界を見ている」と考えるらしいですが、
これやろうと思えば真逆の解釈もできますよね。
つまり、「意識は現実よりも数百ミリ秒先の未来を見て、行動を決定している。
この実験だと、手を動かす550ミリ秒前の時点で、意識は350ミリ秒ほど未来(手を動かす200ミリ秒前)の時計を見て、手を動かすことを決めている」
という解釈です。
まぁ常識的に考えてとうていありえなさそうな解釈ですけど、
意識は脳の物理状態とは独立に存在する、第六感やエスパーの予知なんかがありうる、と考えてる人にとってはよいアイディアな気がします。
この解釈をちゃんと否定するにはどんな実験をすればいいんでしょうか。






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