憂楽帳

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憂楽帳:なせば成る

 「ハミョンテンダ」。この韓国語を日本語に訳せば「なせば成る」。韓国の朴正熙(パクチョンヒ)元大統領はそう国民を鼓舞し、経済建設を推し進めたという。「なせば成る」は江戸後期の米沢藩主、上杉鷹山の歌の一節と言われるが、軍人として満州や日本で学んだ朴元大統領はこの歌を知っていたのかもしれない。

 一方「いっぱい」「ノガタ(土方)」「満タン」など、韓国社会で今もそのまま使われる日本語もある。以前、日本風の言葉を韓国語に直すことも行われたが歴史的な理由からだろう。わたしがソウルのカラオケ屋で気持ちよく歌ったところ「シッパルボン」と声がかかった。韓国語の「十八番」。そう叫んだ本人は歌舞伎どころか日本由来とも知らなかった。

 ソウルの大型書店では今、日本語教材は中国語の陰に隠れがち。「大学で学ぶ対象としての人気もがた落ち」。そんな声も聞く。とはいえ日韓は隣国同士。ドラマやアニメ、音楽など新たな相互理解の局面も生まれている。ときに波風の立つ関係だが、これも「ハミョンテンダ」と思いたい。【西脇真一】

毎日新聞 2011年9月24日 13時28分

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