2011年07月28日

ダンタリアンの書庫

 実は見る気はほとんどなかったのですよ。しかし書籍探偵もののファンタジーといえば、見ないわけにいかないじゃないですか。ラノベのメタ文学ものというと「図書館戦争」とか「文学少女」とか、どこかトンチンカンな切り口で頭を抱えてばかりだったのですけど、そこはさすが三雲岳斗氏。ビブリオマニアというのをよくわかっている!そう、これが書籍探偵。本をむしゃむしゃ喰う女子高生とか、銃で守ってやるから好きに本を読めと気色の悪いことを言ってくる軍隊とか、そういうのはノーサンキューです。

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 なにしろ栄えある日本SF新人賞の第一回受賞者です。三雲岳斗氏の才能については疑っていないのですが、アニメ化に関してはなんか折り合いが悪い。「アスラクライン」も何か途中で気持ち悪くなって止めてしまったし。アニメ化に向かないのか…いや、というよりは、組むイラストレーターが萌え寄りすぎて著しく間違っているんではないかと。今回も重厚な内容と似つかわしくないなんとも軽薄なキャラクターデザインにいささかガッカリ。せめて「GOSICK」ぐらいの端正さはほしいものですが。

 まあ、「GOSICK」はミステリとしては落第ですが、雰囲気が面白かったので。今回はどうも逆らしい。ストーリーは面白そうなのに演出がなんとも軽い。もうすこし美術を作りこんでほしかったなあ。あと「ですます」調のヒロインもどうにも軽い。せっかくみゆきち姉を起用するんだから、「僕」とか男言葉でしゃべるようにすれば面白かったのに。
 この不似合いな軽さは、「アスラクライン」もそうでした。アイデアは抜群だったのに実にもったいない。軽薄なデザインとの乖離がはなはだしくなり、途中で脱落してしまいました。

 今回は一話読みきりで、本は超現実だけど後は理性的に解決できる構造、という縛りとみました。そのまま押し通してくれれば、それなりに面白くなりそう。少なくとも今回のゴーレム譚は面白かった。こういう薀蓄を入れ込んできてこそのメタ文学ものです。ミステリ的には凡庸でもファンタジーでは及第点かな。ひとまずは様子見ということで。
posted by てんちょ at 04:03| 大阪 曇り| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ビブリオミステリでは紀田順一郎先生以外は認めん(笑)
Posted by ポール・ブリッツ at 2011年07月28日 06:05
古本屋探偵の事件簿…私も座右としておりますが、まあ、あれはファンタジーではないので。古書マニアの奇矯なふるまいの描写については、紀田先生の右に出る者はないでしょうねえ
Posted by てんちょ at 2011年07月29日 00:58
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