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なにしろ栄えある日本SF新人賞の第一回受賞者です。三雲岳斗氏の才能については疑っていないのですが、アニメ化に関してはなんか折り合いが悪い。「アスラクライン」も何か途中で気持ち悪くなって止めてしまったし。アニメ化に向かないのか…いや、というよりは、組むイラストレーターが萌え寄りすぎて著しく間違っているんではないかと。今回も重厚な内容と似つかわしくないなんとも軽薄なキャラクターデザインにいささかガッカリ。せめて「GOSICK」ぐらいの端正さはほしいものですが。
まあ、「GOSICK」はミステリとしては落第ですが、雰囲気が面白かったので。今回はどうも逆らしい。ストーリーは面白そうなのに演出がなんとも軽い。もうすこし美術を作りこんでほしかったなあ。あと「ですます」調のヒロインもどうにも軽い。せっかくみゆきち姉を起用するんだから、「僕」とか男言葉でしゃべるようにすれば面白かったのに。
この不似合いな軽さは、「アスラクライン」もそうでした。アイデアは抜群だったのに実にもったいない。軽薄なデザインとの乖離がはなはだしくなり、途中で脱落してしまいました。
今回は一話読みきりで、本は超現実だけど後は理性的に解決できる構造、という縛りとみました。そのまま押し通してくれれば、それなりに面白くなりそう。少なくとも今回のゴーレム譚は面白かった。こういう薀蓄を入れ込んできてこそのメタ文学ものです。ミステリ的には凡庸でもファンタジーでは及第点かな。ひとまずは様子見ということで。