AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする 「その1 導入編」



[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その1 導入編」
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その2 設定編」
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その3 変換編」

※2009年2月26日追記※
抜けていたプラグインや説明などを修正しました。

DVDをPCで再生すると、その画面の小ささが気になりませんか? 最近の大画面の液晶モニタならなおさらではないでしょうか。PCモニタはテレビに比べて画面のインチに対して解像度が高いので、精細な表示をすることが出来ますが、その分DVDなどは表示サイズが小さくなってしまうのです。
プレイヤのウインドウを大きくして見ても、映像がボケボケになってしまいちょっと残念です。そこで、AviUtlを使ってDVDを高画質にアップコンバートしてみましょう。なかなか手間と時間はかかりますが、満足出来る結果を得られます。

例えば上の画像。空の境界 第4章 伽藍の洞 を、720×480から1280×720へアップコンバートしたものです。
左は何も設定しないで、ただ引き延ばしただけ。
右は今回紹介する方法でアップコンバートしたもの。
どうでしょうか。右の方が輪郭がはっきりして、映像が引き締まっていますよね。元から720pの映像なんだ、と言われても納得してしまうレベルです。

手順が多いので、今回は「導入編」ということでAviUtlの準備について書きます。
なお、リンクの紹介につきまして敬称は省略させていただきました。




AviUtlのお部屋

まるも製作所
AviUtl プラグイン – まるも製作所
DirectShow File Reader プラグイン for AviUtl
seraphyのプログラム公開所
Nero AAC Codec
がらくたハウスのがらくた置き場
MakKi’s SoftWare
AviUtlプラグイン置き場
Microsoft .NET Framework 2.0 Service Pack 2
Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
DVD2AVIの使い方
日本語化工房-KUP
AviUtlプラグイン @零

AviUtlを使ったMP4 (H.264) エンコード – ニコニコ動画まとめwiki


エンコードの一連の流れ
1. DVD Decryptorを使い、DVDをリッピングしVOBファイルでHDDに保存する。
2. DVD2AVIを使い、VOBファイルの音声をWAVで抜き出す。
3. AviUtlを使い、映像へのフィルタ適用とアップコンバートをおこなう。
4. 引き続きAviUtlを使い、アップコンバートした映像と抜き出したWAV音声をH.264 + AAC-LCのMP4動画にエンコードする。


まずはデスクトップなどに、自分で分かるようにフォルダを作成しましょう。ダウンロードするファイルが多いので、管理を楽にするためです。
あと、書き忘れていましたが、今回はH.264 + AACでエンコードします。最近はDivxなどよりもH.264が主流ですし、圧縮率なども高いので。再生に負荷はかかりますけどね。


AviUtl本体
AviUtlをダウンロードします。
AviUtlのお部屋から、AviUtl本体をダウンロードします。現在の最新版、aviutl99g4.zipをダウンロードし、「AviUtl」フォルダに保存しておきましょう。そして解凍します。
また、AviUtlで使用するプラグインを管理・保存しておくために、ZIPファイルを解凍して出来たフォルダの中、aviutl.exeがある場所と同じところに、「Plugins」というフォルダを作成しておきます。


このようにします。
プラグインファイル(.aufなど)はaviutl.exeと同じ場所に置いておいてもいいのですが、プラグインの数が増えると、ゴチャゴチャになってしまいますから、こうやってフォルダを作るのが良いです。


DVD Decrypter
DVDをリッピングするためのソフトです。

setupdvddecrypter_3540.zip
上のリンクをクリックして、ファイルをダウンロードします。中にインストーラが入っているので、起動してソフトをインストールしましょう。

続いては日本語化パッチのダウンロードと適用です。
日本語化工房-KUPに行き、DVD Decrypterのページに行きます。「3.5.4.0 インストーラ版」をダウンロードして下さい。

ダウンロードしたファイルを解凍すると、「ddec3540inst_jp.exe」がありますので起動します。

「アップデート」をクリックすると、自動で日本語化されます。DVD Decryptorのインストール時に、インストール先のフォルダを初期設定から変更している場合は、「適用先のフォルダ」でその変更したフォルダを指定しましょう。


DVD2AVI
AviUtlでは、MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-Inを導入することによってVOBファイルの読み込みが行えるようになります。しかしVOBファイルをロードすると、音声は読み込まれずに映像だけが読み込まれてしまいます。そこで、DVD2AVIを使ってあらかじめVOBから音声データをWAVファイルで抜き出し、それをAviUtlで再合成します。

DVD2AVIの使い方へ行き、「DVD2AVI ver.1.77.3 (再配布)」をダウンロードします。
ファイルを解凍しておいて下さい。


MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In
AviUtlでDVDからリッピングしたVOBファイルを扱えるようにするプラグインです。

まるも製作所へ行き、MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-Inのページへ行きます。「m2v_vfp-0.6.54.lzh」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、中に入っている「m2v.vfp」と「m2vconf.exe」をPluginsフォルダにコピーします。そして「m2v.vfp」を「m2v.aui」とリネームして下さい。

「m2vconf.exe」をクリックします。

設定画面が起動しますので、画像のように設定して下さい。


DirectShow File Reader プラグイン for AviUtl
Windows Media Playerなどで再生出来るファイルをAviUtlでも読み込むことが出来るようになります。

DirectShow File Reader プラグイン for AviUtlから、「ds_input025c.lzh」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「ds_input.aui」と「ds_input.ini」をPluginsフォルダにコピーします。


MP4Plugin
MP4ファイルのインポート、エクスポートを行えるようにするプラグインです。

seraphyのプログラム公開所へ行きます。改造したソフトから、「MP4Plugin」をクリック。一番下の最新版、「MP4Plugin_○○.rar」をダウンロードします。
「mp4export.auf」と「mp4input.aui」を、それぞれPluginsフォルダにコピーします。


拡張 x264 出力
動画をH.264でエンコードするためのGUIです。H.264の変換はコマンドプロントで扱えるのですが、初心者には敷居が高いので、GUIで操作できるようにしたものです。

上と同じく、seraphyのプログラム公開所へ行きます。改造したソフトから、「x264 詰め合わせ」をクリック。一番下の最新版、「x264.○○.○○.rar」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「auo」フォルダにある「x264gui.auo」と「x264gui.ini」を、Pluginsフォルダにコピーします。


Nero AAC Codec
拡張 x264 出力使用時に音声をAACファイルに変換するためのコーデックです。

Nero AAC Codecに行き、「NeroDigitalAudio.zip」をダウンロードします。
ファイルを解凍したら、「win32」フォルダの中にある、「neroAacEnc.exe」を、AviUtl.exeと同じ場所にコピーします。
厳密には、neroAacEnc.exeはどこに置いても良いので、「Encoder」などというフォルダを作り、そこに入れておいても良いかと思います。


Microsoft .NET Framework 2.0 Service Pack 2
Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

拡張 x264 出力を使うために必要です。H.264でエンコードするためには、この2つをインストールしなければなりません。

Microsoft .NET Framework 2.0 Service Pack 2
Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
から、ファイルをダウンロードし、インストールしておいて下さい。


Lanczos 3-lobed 拡大縮小
AviUtlに標準で搭載されているリサイズフィルタよりも高画質にリサイズできるフィルタです。

まるも製作所のページに行き、「Lanczos 3-lobed 拡大縮小」のところから、「lanczos3-0.5.3.lzh」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「lanczos3.auf」を、先ほどAviUtlのフォルダに作ったPluginsフォルダにコピーします。


非線形処理な先鋭化用前置フィルタ
nonlinear sharpen、非線形処理の先鋭化フィルタとはぼやけた輪郭などを鋭くするプラグインです。しかしノイズを拾いやすいという難点もあります。そこでこのprefilter for nonlinear sharpenを使用して、あらかじめ画面をぼかし、ノイズを減らしておきます。それから非線形処理の先鋭化を行うことで、ノイズもなく画像をシャープにすることが出来ます。

がらくたハウスのがらくた置き場に行き、「非線形処理な先鋭化用前置フィルタ」のところから「prefilter.zip」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「prefilter.auf」をPluginsフォルダにコピーします。


非線形処理な先鋭化
がらくたハウスのがらくた置き場に行き、「非線形処理な先鋭化」のところから「nlsharpen.zip」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「nlsharpen.auf」をPluginsフォルダにコピーします。


WarpSharpフィルタ
ぼやけた輪郭線を細くし、画像を引き締めるフィルタです。

MakKi’s SoftWareに行き、AviUtlプラグインをクリック。「◇WarpSharpフィルタ」から、「warpsharp_003.zip」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「warpsharp.auf」をPluginsフォルダにコピーします。

ちなみに、マルチスレッドに対応した「WarpSharpMT」もあります。
AviUtlプラグイン @零へ行き、「ワープシャープ マルチスレッド版」から「warpsharpMT v1.33」をダウンロードして下さい。

※2009年3月2日 追記
NEXさんが情報提供して下さいました。どうもありがとうございます。
WarpSharpMTをさらに最適化した「WarpSharpMTex」があるようです。こちらからダウンロード出来ます。


エッジレベル調整(Ver0.7)
輪郭を補正するためのフィルタです。ぼやけて薄くなった輪郭線をはっきりさせたり、より黒くすることが出来ます。

がらくたハウスのがらくた置き場に行き、「エッジレベル調整(Ver0.7)」のところから「edgelevel.zip」をダウンロードします。
ファイルを解凍し、「edgelevelMT.auf」をPluginsフォルダにコピーします。


自動フィールドシフト インタレース解除プラグイン
もともとがテレビで再生するために作られた映像は、パソコンで再生すると画面に縞が発生してしまいます。テレビは1フレームの映像を映すために画像を奇数段と偶数段の2枚に分けて表示します。この方法は動きの速い映像を映すためには効果的ですが、画面にチラつきがみられることがあります。テレビは映像の再生を主たる目的としていますが、反面パソコンは文書や静止画の再生が主ですので、チラつきを防ぐためにノンインターレース方式を採用しています。
インターレースの動画をインターレースに対応していないPCモニタで再生すると縞が発生するのはこのせいです。この縞を除去、すなわちプログレッシブ化してあげることがインターレースの解除です。


DVDからリッピングしたVOBファイルをAviUtlで読み込んだ場合。このように縞々になります。


そしてこちらがインターレースを解除した時の映像。同じフレームを写していますが、こちらは縞々が全くありませんね。
このようにインターレースを解除してやらないと、画質自体は綺麗でも縞々がひどくてとても見れないものになってしまいます。

インターレースの解除はAviUtlにデフォルトで搭載されている機能ですが、プラグインを利用することでより綺麗にインターレースの解除が行えます。
AviUtlプラグイン置き場から、「自動フィールドシフト インタレース解除プラグイン」をダウンロードします。中に入っている「afs.auf」をPluginsフォルダにコピーします。


今回必要なファイルは以上です。


さて、今日はこの辺で終わりにしておきます。長くなりすぎてしまいますからね。
次回は「その2 設定編」ということで、AviUtlおよび各フィルタの設定をしてみましょう。

続きです。
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その2 設定編」
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その3 変換編」