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【大相撲】

琴奨菊が白鵬破って大関大手

2011年9月24日 紙面から

琴奨菊(右)が寄りきりで白鵬を破る=両国国技館で

写真

◇秋場所<13日目>

 (23日・両国国技館)

 大関昇進を狙う関脇琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=が万全の寄りで横綱白鵬(26)=宮城野=を破った。白鵬は連敗を喫し、琴奨菊と2敗のトップに並ばれた。関脇稀勢の里(25)=鳴戸=は臥牙丸を下して3敗を守った。前頭の臥牙丸と北太樹は3敗に後退。大関同士の対戦は把瑠都が日馬富士を寄り切って9勝目。今場所3度目の満員御礼が出た。

 琴奨菊が、夢の大関をぐっと手元に引き寄せるためにグイグイ前に出た。先場所に続いての完勝。11勝2敗。大関昇進の目安33勝にあと1勝と迫った。

 その瞬間、館内にエンジ色の座布団が舞った。横綱が敗れたせいもあったが、それだけではない。少し気が早いが琴奨菊の大関昇進の祝福の意味もあったかもしれない。待望久しかった日本人の新大関誕生を期待してのものだ。

 「勝った瞬間? なにも考えられない状態だった」と琴奨菊は言ったが、相撲内容は冷静で理詰め。すぐ左前まわしをとって、横綱の機先を制した。「立ち合いだけに集中した。それだけできたらよいと思っていた」。会心の笑みで振り返った。

 横綱の形、右四つで勝った意義は大きい。先場所対白鵬戦の連敗を19でストップさせ、今場所も圧勝。「それはたまたまです。気持ちをしっかりつくってきました。体が自然に動いた」というが、もう大関は目の前にある。「関係ないですよ。それを意識せず頑張りたい」。横綱戦の後に連敗した先場所の苦い思いが精神的に大きく成長させた。

 大関昇進を預かる審判部の責任者・貴乃花審判部長(元横綱貴乃花)は「大きな一番ですね。この千秋楽までこの形でつないだら十分(大関の)声がかかる。今日はなりふり構わず攻めていた。先場所のこともある。教訓を生かして土俵に上がってほしい」とコメント。放駒理事長(元大関魁傑)は「(昇進に向けて)大きな1勝。イメージもいいな」と期待を込めた。

 琴奨菊が支度部屋を出るとき、高知・明徳義塾中、高校の相撲部の恩師の浜村敏之氏が待ち受けていた。「頑張れよ、人生をかけるぐらいに。あと2番が大事だよ」と握手で励まされた。琴奨菊は「頑張ります」と笑顔で答えた。会場から出るとき気の早いファンから声がかかった。「大関おめでとう」、「キクちゃん優勝だよ」。サインをねだるファンにもみくちゃにされたが、気持ちを引き締めて大関を確実に手中にする。 (近藤昭和)

 

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