無傷に荷物を回収するために〜飛行機に乗る際に荷物を預けずに済む方法

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飛行機に乗る際に荷物を預けるのはギャンブルのようなものです。預けた荷物の中に入っていたモノが壊れたり、盗まれたり、紛失したり、ということは日常的に起こります。しかも、荷物を預けるとその分お金がかかることも、近年では当たり前になってきています。

今回はなんとかして荷物を預けなくても済む方法をご紹介。預けなくてはならなくなった場合の対処法もあわせて採り上げます。

 

■2つの機内持ち込み荷物を最大限活用する

荷物を預けなくてもすむ最も簡単な方法は、効率よくパッキングし、機内持ち込みが可能なまでに荷物を減らすことです。パッキングの仕方一つでかなり鞄の中に入れられる荷物の量というのは変わってきます。

1. 効率的にパッキングしよう

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一般的に人が空港で荷物を預ける理由は二つあります。一つ目はターミナルまで荷物を運ぶのがめんどうくさいから、二つ目は荷物が多すぎるからです。「めんどうくさい」というのが理由であれば、なんとかしてモチベーションを上げるしか方法はないのですが、荷物が多すぎるという問題は、通常は解決できる問題です

二つの機内持ち込み用のバッグに荷物が入りきらないのはパッキングの仕方が効率的ではないから、というケースはかなり多いです。「CAに聞く、5ステップで旅行の荷物をコンパクトにパッキングする方法」によると、スペースがかなりセーブでき、しかもシワになりにくいのだそうです。その戦術をパッキングキューブ(英文記事)の活用と併用するだけでもちゃんと整理され、効率よくパックされたスーツケースを実現できます。


2. 要らない荷物は置いて行こう

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効率よくパックすることも大事ですが、「不要なモノを持って行かない」というのはもっと大事です。そして目的地に応じて何を持っていくべきかをしっかりと考える必要があります。例えば、友達の家やホテルに宿泊する予定で洗濯できる環境がある場合は、持って行く服の量を減らせるかもしれません

また、コインランドリーがホテルなどにない場合でも、近所にあるかもしれません。バケーション中に洗濯をする気が起きないのであれば、ホテルのランドリーサービスを利用するのも手です。事前にサービスの価格を比較してみると良いでしょう。行き帰りと2回荷物を預けるよりも、洗濯サービスのお金を払った方が安くつく場合も多いです


3. 最も効率的なパッキング戦略を導き出そう

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荷物を詰める時には、何をどのかばんに入れるか、決める必要があります。飛行機の中で使いたい荷物をバックパックなどに入れ、その他のアイテムを頭上の荷物入れに入れるかと思います。大抵の場合はこれで問題ないのですが、無意識のうちに似たようなアイテムを一緒にまとめていることもよくあります。

例えば、ノートパソコンとACアダプターは一緒にバックパックに入れてしまいがちですが、飛行機の中では恐らくACアダプターは必要ありません。この場合、アダプターはスーツケースに入れてしまった方が賢明です。同類のモノだからといって同じ場所に入れる必要はないのです。

このように、あえて普段セットになっているものを違う場所に入れることで、スペースを有効活用できる場合も多々あります。


4. キャリーオン超過分はいっそのこと送ってしまおう

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持ち込み荷物にどうしても入りきらない荷物ができた場合、超過分の荷物を郵送してしまうのも手です。荷物を預けるための割高な超過料金を支払うよりも、郵送してしまった方が安いという場合も考えられます。

しかも郵送の場合は保険も付きますし、カスタマーサービスもより充実しています。郵送してから受け取るまでには時間が空いてしまいますが、すぐに必要でないものが沢山ある場合はフェデックスUPS、宅配便など、飛行機以外のサービスを活用するのも賢い手です。



■キャリーオン荷物に立ちはだかる障害を乗り越えるために

「機内持ち込み用に買ったスーツケースを預けなくてはならない事態」を回避するために、事前にできることがいくつかあります。

1. 機内持ち込むべきではないアイテムを持っている場合

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通常であれば、機内に持ち込めない荷物は持ち込まないのがベストなのですが、どうしても持ち込まなくてはならないという場面もあると思います。

疑問に思われそうなアイテムを持ち込む場合、見映えをそれなりにきちんとしておくことが大切です。例えばステディカムの場合、原文筆者はちゃんとペイントをほどこし、プロ用機材のような外観にしたそうです。帰りの手荷物検査では疑問視はされたものの、外観が(機内持ち込み不可である)武器には見えなかったため、問題なく終わりました。かつて原文筆者の友人が刀を機内に持ち込んで問題になったようですが、これはどう考えてもフェデックスなり、宅配便なりで送るべきです。

液体の機内持ち込みは厳しく制限されていますが、これは4オンス(約120ml)のボトルを数個購入し、これらに移し替えることによって問題なく持ち込むことができます(100円ショップなどで購入可能です)。

4オンス以上の液体を持ち込む場合でも、常識の範囲外の量を持ち込んだり、疑いの目を向けられるような要素がなければ問題ありません。液体はほかの荷物とは別の場所に入れ、それぞれにラベル付けを行なっておきましょう。

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大きいペットボトルに水などを入れている場合、中に入っている水が4オンス以下でも問題になる場合があるので、気を付けてください。TSA(アメリカ運輸保安庁)のスタッフは、ボトルの中身よりもボトル自体を検査しているようなので、ボトル自体を小さくしておくことで液体を運ぶ場合でも、この問題はたいてい回避可能です。


2. 最後の最後でバッグを預けなくてはならなくなる、という状況を回避する方法

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客室乗務員に「荷物入れがいっぱいなので、ゲートで荷物を預けてください」といわれる場合もありますが、実は、この時点では乗務員自身も本当に荷物入れがいっぱいなのかどうかを知りません。ほとんどの場合、荷物入れが本当にいっぱいになってしまう事態を回避するためにそのように言っているのです。

この場合でもなんとかして荷物を機内に持ち込む最も簡単な方法は、まずバッグチェックのタグをもらい、下記の二つのうちの一つを実行します。

一つ目は荷物を持って搭乗口まで進み、客室乗務員に「まだ荷物を入れる余裕があるかどうか」を確認してもらえるか(愛想よく)聞いてみることです。ドアのところで聞いてみて「荷物入れがいっぱい」と言われた場合は、本当にいっぱいの時なので仕方ないですが、礼儀正しく聞けば最後のチャンスが与えられます。荷物が座席の下に入る大きさの場合は、その事実もあわせて伝えておきましょう。

客室乗務員は、(イライラしている乗客の相手をし続けていて)拒絶モードに入っているはずなので、その荷物を持ち込まないといけない理由を説明するのは賢明ではありません。その理由に対してどうしてダメなのか? の説明を受けるだけになってしまう可能性大です。このような場合、通常なら理由付けは有利に働くのですが、客室乗務員はこの手のやりとりに慣れているので、自分を正当化しようとする議論は逆効果です

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解決策としては、座席の下に入れるバッグに入りきらなかった大切な薬がスーツケースに入っている、といった理由を述べてみること。これが事実であれば理由として正当なのですが、ウソの場合は「では、薬を見せてください」と言われるのがオチです。

もう一つの方法は「怒ったふり」をすること。狭い空間で注意を引くことはネガティブな視線で見られがちです。乗務員は問題が大きくなる前に解決したいと考え、要求を叶えるための対策を取ってくれるでしょう。

客室乗務員は苦情を言っている人には黙ってもらうことを最優先に考えます。よって、要望があまりにも理不尽なものでなければ、その要望は叶えられるでしょう。しかし、あまりにも演技が激しすぎると飛行機から追い出される可能性もあるので、やりすぎには注意してください。

いずれにしても、ゴリ押ししすぎるとその罪悪感を抱えてフライト時間を過ごさなくてはいけなくなります。



■どうしてもバッグを預けなくてはならない場合にできること

バッグをどうしても預けなくてはならない場合、バッグが安全に手元に戻ってくるようにできることがいくつかあります。

1. スパイのようにパッキングする

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スパイの人たちが実際に以下のようにパッキングするわけではないでしょうし、そもそもバッグを預けるようなことはしないかもしれませんが、これらのTipsを覚えておくといつか役に立つかも知れません。

一つ目は、盗難対策(英文記事)として、持ち物をできるだけ隠すことです。

荷物の一番上の見える部分にiPadを置いておくというのは、誰がどう見ても賢いやり方ではありません。盗まれる可能性の高いものは服にくるむなどして、見えない場所へ入れておきましょう

また、前述したパッキングキューブの使用もかなりオススメです。洋服以外の電気製品などを運ぶ際に重宝します。


2. 保険に加入する

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保険は多くのクレジットカードについているので、航空券をクレジットカードで購入するだけで加入できる場合が多いですが、このサービスについてよく知らないという方は、一度クレジットカード会社に電話して確認しておくと良いかと思います。

このサービスは会員特典としてある場合がほとんどですが、月々の会費を払うことで加入するようになっている場合や、航空券を買う際にいくらか払って加入するといった場合もあります。小額で加入できるものがほとんどなので、バッグを預けなくてはならない場合は加入しておくと安心です(詳しくは各保険会社、各クレジットカード会社にお問い合わせください)。

航空会社によっては保険を提供している場合もありますが、クレジットカード会社の補償の方が条件が良く、何かあった場合の対応も補償金を直接アカウントに振り込んでくれるので、迅速です。


いかがでしたか? 他にも荷物を預けないようにするためのTipsがある! という方は、ぜひコメントで教えてください。


Adam Dachis(原文/訳:まいるす・ゑびす)

 

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飛行機  客室乗務員  クレジットカード  会社  ホテル  

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