野田総理大臣は、日本時間の9月22日夜、ニューヨークの国連本部で開かれた原子力安全に関する首脳級会合で演説を行い、脱原発どころか
「事故は着実に収束に向かっている。事故当初に比べれば、放射性物質の放出量は最新の推計で400万分の1に抑えられている。原子炉の冷温停止状態も予定を早めて年内をめどに達成すべく全力を挙げている」
「エネルギーは経済の「血液」であり、日常生活の基盤だ。子々孫々の幸福の礎石だ。次なる行動について長く迷い続ける余裕はない。科学技術を最大限動員し、早急に次なる行動を定めなければならない。」
と述べました。
就任したときからわかっていたとはいえ、ひどい宰相を悪い時に持ってしまいました。
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放射性物質が減っているのは当たり前です。
事故直後に水素爆発が起きたり、メルトダウンが起きているのですから、半年後の今もその時と同じような放射性物質の放出量だったらとっくに日本は滅びています。
まだ、原子炉からメルトスルーして出てしまった核物質の封じ込めさえ出来ていないのに、放出している放射性物質が減りましたから安心してくださいという日本の総理大臣のクレイジーぶりに、世界中が今頃あきれているでしょう(涙)
むしろ、まだ東電や保安院の推計でも毎時2億ベクレルの放射性物質が放出されていることが問題なのです。
空も大地も海も汚れっぱなしなのです。
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そもそも放射性物質の核分裂反応のエネルギーでタービンを回して電気を起こす、という原子力発電の仕組みが根本的に無理があって、手に負えないものなのだという認識が、これだけの大惨事のあとでも全く見られません。
だいたい、放射能汚染水を浄化しているそばから、地下水は流れ込んで来るわ、台風の水が流れ込んでわで、汚染水があふれそうになっていて、そんなことさえコントロールできないでいるのに、なにを寝とぼけたことを言っているのでしょうか。
放射能汚染水が減らない!福島原発事故の原子炉冷温停止・工程表ステップ2の年内前倒しは楽観できない
また、野田首相は事故の原因について、
「津波への備えに過信があったことは疑いがない。炉心損傷に至る過酷な事故を想定した準備も不十分で、ベントの作業に手間取り、貴重な時間を失った」
と述べましたが、津波は想定していたものでしたし、本当に津波だけが想定外で原発事故が起きたのかは疑問です。
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野田首相は今後の原子力政策について、
「日本は、原発の安全性を世界最高水準に高める。来年4月をめどに原子力安全庁を創設し、規制の一元化と安全の徹底を図るとともに、原子力安全規制自体も根本的に強化する」
「エネルギー安全保障や地球温暖化防止のため、世界の多くの国々が原子力の利用を真剣に模索している。日本は、これらの国々の関心に応える」
と述べ、当面、原発の利用を続けることを前提に、ベトナムなどを念頭に原発を輸出していく方針を明言してしまいました。
原発の安全性なんてそもそもあり得ないかも、という発想は「想定外」なのでしょうね。
ストレステストに根本的欠陥 原発の安全性に対するテストになっていない以上原発再稼働は許されない
自国でも手に負えずに事故を起こしてしまったプラントを海外に輸出するなんて、もはや詐欺で、人間として許されない行為だと思います。
つくづく、この人を一国の元首として外にお披露目して恥をかいたという、情けない気持ちで一杯です。
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またも首相交代のほうがいいのかもと思われた方は
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首相演説要旨=国連原子力会合
【ニューヨーク時事】野田佳彦首相が22日午前(日本時間同日夜)、原子力安全首脳級会合で行った演説の要旨は次の通り。
東京電力福島第1原発事故は人類が原子力にどのように関わっていくべきかという問いをわれわれに投げ掛けている。日本国民は、世界中から心温まる励ましと支援を頂いた。改めて深い感謝の意を申し述べる。
今回の事故は日本国民に深い衝撃を与えた。わが国は事故の早期収束のため、国家の総力を挙げて取り組んできた。事故は着実に収束に向かっている。事故当初に比べれば、放射性物質の放出量は400万分の1に抑えられている。原子炉の冷温停止状態も予定を早めて年内を目途に達成すべく全力を挙げている。
津波への備えに過信があったことは疑いがない。事故原因の究明は今後も続くが、何よりも急がれるのは、内外で原発安全性の総点検を進めることだ。日本はこの事故の全てを迅速かつ正確に国際社会に開示する。事故の教訓を世界に発信する。
日本は原子力発電の安全性を世界最高水準に高める。原子力安全・保安院を経済産業省から分離して、来年4月を目途に「原子力安全庁」を創設し、規制の一元化と安全文化の徹底を図る。
日本は原子力利用を模索する国々の関心に応える。数年来、新興諸国をはじめ、多くの国々が原子力の利用を真剣に模索し、わが国は原子力安全の向上を含めた支援をしてきた。今後もこれらの国々のわが国の取り組みへの高い関心に応えていく。
日本は再生可能エネルギーの開発・利用の拡大も主導する。中長期的なエネルギー構成の在り方についても、来年夏を目途に具体的な戦略と計画を示す。核セキュリティー確保にも積極的に参画し、核物質や原子力施設に対する防護の取り組みを強化する。
エネルギーは経済の「血液」であり、日常生活の基盤だ。子々孫々の幸福の礎石だ。次なる行動について長く迷い続ける余裕はない。科学技術を最大限動員し、早急に次なる行動を定めなければならない。
私は確信する。人類がその英知によって、事故の突きつけた挑戦を必ずや克服することを。福島が「人類の未来を切り開いた場所」として思い起こされる日が訪れることを。会議が、原子力安全を最高水準に高めるため、われわれが共に次なる行動をとる一里塚となることを。事故の当事国として全力でその責務を担い、行動することを誓う。(2011/09/22-22:06)
しかし、世論調査でも、約三分の二、65パーセントの国民が、生命財産、人格権の人権保障を侵害する危険な存在だとして、原発推進に反対している。
国民の主張を代弁し、このブログで政治経済記事と解説をしているのには、頭が下がります。この問題提起をするだけでも、大変に一般の読者の役に立つものでして、新聞を一読しも、なかなか分かりにくい課題です。
少なくとも、国民へ言うことと、国際的に海外へ伝えることに、相反する二枚舌は、外交としえtも下の下です。外務省は、一体、何をしているのか?
「もう帰ってくるな!」と言いたい
です。
野田さんはどなたかに言わされているんですかね。
それしかないでしょう。
反原発です。
日本は狭過ぎます。
たとえ国土がでかくても、地球はひとつ。
わすれないで。
原発の発電コストが一番高いのですから、アメリカは勿論のこと、他国にとっても、ドジョウではなく、「いいカモ」にしか見えなかったことでしょう。
「死の街」をまた作ってしまう可能性の有るものを、国民の意向も聞かずに、経済性という理由だけで独善的に選択する首相など、要りません。
その慣習と、原子力・核燃料を支配して来た、国際ウランカルテル独占体の世界制覇が、いかに強力かということを、まざまざと見る重いです。