「うぉ~懐かしい~!」
今は俺は、パソコンであるゲームのプレイ動画を見ている。
そのゲームとは『ロックマンX3』。
我が青春のバイブル。
一番やりこんだロックマンシリーズだ。
「ゴールドチップとか最初に気づいたの誰だよ。」
懐かしいなぁチートチップ。
「うぉぉぉぉビームサーベル強すぎんだろ!」
いつもゼロには犠牲なってもらった。
犠牲になったのだ・・・ゼロェ・・・
結局ぶっとうしで最後まで見てしまった暇人な俺。
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「起きよ。」
・・・うるせぇなぁ。
「起きるのじゃ。」
・・・うるせぇって、こちとら深夜3時寝なんだ。
「起きるのじゃ。」
・・・もうちょっと寝かせろって。
「起きんかぁ!」
「うぉ!?」
「ようやっと起きたか。」
怒鳴り声に目覚めれば、目の前には爺さんがいた。
アゴヒゲが素敵なお爺さんだこと。
「な、なんだぁ?」
「ふむ。周りの状況を理解しようとするか。中々の成熟度じゃの。」
周りを見渡せば、機械、機械、機械。
見たこともない機械に囲まれた、広い部屋。
俺はその中心の台座のようなところに寝ていた。
「何処だここ!?」
自分の寝ていた部屋とはまるで違う。
俺の部屋は8畳一間のボロアパートのはずだ。
「うむ。ここはワシの研究所じゃ。」
「あん?研究所?なんで俺はそんなところにいるんだ?」
「もちろん、ここで生まれたからじゃよ。」
「はっはっは。爺さん、そのギャグ最高だぜ。」
「うむ?・・・ちと、プログラムをいじりすぎたかの?」
「ところでさ、爺さんだれ?」
「むぅ・・・ワシのこともわからんか。柔軟性を重視しすぎて基礎知識が足りとらんか。」
「あん?」
「なんでもない。ワシは、おぬしの生みの親じゃ。」
「はっはっは。そのギャグ最高だぜ。で、誰?」
「だから、生みの親じゃて。」
「もうジョークはいいって。」
「だから、生みの親じゃ。」
「おいおい、天丼もそこまでいくとつらいぜ?」
「だから!生みの親で!機械工学博士のドップラーじゃ!」
「はっはっは機械工学博士とかその年になって厨二・・・ドップラー!?」
「うむ。ドップラーじゃ。」
ちょ、おま、ドップラーって。
どこかで聞いたことあるんですけどー!
よくみれば、肩になにか刺さってるし!
これは確定ですか!?
「HEY!爺さん!俺って誰だYO!」
「むぅ・・人格プログラムミスったかのぉ・・・おぬしはワシの最新作、レプリロイド『マック』じゃ。」
「マックぅぅぅぅぅ!?」
マック!よりにもよってマック!
エックスとかゼロとか贅沢は言わない。
せめてVAVAでよかった!
いやステージボスでよかったのに!
まさかのマーーーーーック!
OPで一瞬にして消えていったマックじゃないか!
行方不明になっていたマックじゃないか!
俺にどうしろって言うんだぁーーーー!
「おぬしは今日からイレギュラーハンターとして働くのじゃ。」
「なんですと?」
時代は初代Xだった。
まだシグマ反乱前。
ドップラーこと爺さんもまだ普通の科学者爺だった。
このころからマックっていたのか。
ちなみに、X3のステージボス、ドップラー軍団は一体もいません。
つまり、この時代の最新作ってことはX3では骨董品ってことですねわかります。
とりあえず、俺がマックであることは否定できない事実だ。
未来に待つ死亡フラグ回避のためには・・・
「おーい!マック!次の任務だよ!」
「おう!すぐにいくぜエックス!」
主人公と仲良くなることだ。
仲良くなればきっと見逃してもらえるはず。
おなじB級ハンターとしてゼロ先輩の下で切磋琢磨する日々だぜ!
エックスはまぶしい笑顔で迎えてくれるのに、ゼロ先輩は冷たい瞳でなじってきます。
もうちょっと優しくしてくれても良いじゃない。
まぁ、でもそこそこに仲良くなれたぞ。
これで未来は安泰だ!
と、思ったら、第一次シグマ反乱に巻き込まれたでござる。
なぜにWHY?
よくよく考えたら当然だった。
エックスと仲いいからシグマ討伐に誘われちゃったYO!
第一次シグマ反乱とかマックな俺には無理ゲーすぎる!
俺、B級ハンター。
相手、特Aだらけ。
OH MY GOD。
スペックが違いすぎるからぁぁぁぁ!?
と、思ったら、意外と戦えた。
エックスが7体倒してる間に1体、倒せたよ!
ごめんねペンギンさん!
よくよく考えたら、マックって結構高スペックだよね。
だってエックスを一撃で動けなくするんだぜ?
油断していたとはいえ、あのエックスは2回もシグマを倒したエックスだ。
つまり歴戦の戦士。漫画版まじカッケェ。つまりはそういうこと。
そのエックスを一撃で沈めるマックもすごいってことだ!
まぁ、実はエックスと共闘しただけなんだが!
ごめんねペンギンさん!君だけ2対1だったね!
で、今はそのペンギン戦が終わったところ。
「ぐっ・・・!」
「マック!?」
「すまねぇエックス・・・ドジふんじまったぜ・・・」
「まさか怪我を!?」
「あぁ・・・さすが、腐っても特A級だな・・・俺の右手のマグナムが凍りついてらぁ・・・」
「そんな!?」
「わりぃな・・・俺はちょいと休んでいくぜ・・・」
「マック・・・!」
「へへっ・・・なんて顔してやがる・・・こんなもん・・・すぐに治らぁ・・・」
「君は・・・」
「先に行ってな、エックス・・・すぐに追いつくからYO・・・」
「・・・わかった・・・」
「あぁそれと・・・俺の分も残しとけYO・・・?」
「ふふっ、それは約束できないよ。」
「はっ・・・言う、じゃ、ねぇか・・・」
「マック!」
「少し・・・眠く、なってきた、な・・・なに、してやがる・・・さっさと行け・・・」
「あぁ・・・待ってる、必ず、来てくれると、信じているから!」
「あぁ・・・当然だ・・・相棒・・・」
(ピュンッ!)
嘘ですが。
別に凍っていません。
だって前衛をエックスにまかせて、後ろでマックバスターをちょこちょこばら撒いてただけだから。
こうでもしないと、シグマのところまで連れて行かれそうだから。
すまんエックス!友情よりも命が大切なんだ!
グッドラック!
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「この程度かぁぁぁぁぁエェェェェェックスゥゥゥゥゥゥ!!」
「VAVAぁぁぁぁぁ!」
「これでテメェはお終いだぁぁぁぁぁぁ!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「スクラップになりなぁ!」
はい、その無防備な背中にマックバスター。
「ぐぁ!?・・・誰だ!?」
「遅れたやって来た正義の味方だこの野郎。」
「マック!?」
「おーうエックス。生きてるなぁ?」
「テメェ・・・B級風情が俺に不意打ちだとぉ?」
「B級風情に後ろ取られちゃって残念な特A級さん何か?」
「テメェぇぇぇぇぇぇぇ!」
「逃げるんだマック!」
「答えはノーだエックス!」
「死ねぇぇぇB級ぅぅぅぅぅ!」
「お前、俺とキャラ被りすぎなんだよ!色とか!ここで退場しろYO!」
はい。終わり。マックバスターなめんなよ。
エックス倒せるんだからな。マジで。
「・・・たくっ・・・なにやってんだか・・・」
「マック・・・」
「・・・一人で・・・トンズラこく気だったんだがなぁ・・・」
いや、ホント。なんで俺ここにいるんだろう。
「もういい!喋るな!」
「・・・あーあ・・・相棒がショボイと・・・苦労・・・するぜ・・・」
カッコよく登場して、爽快にVAVA倒したら、ゼロのフラグまで奪ってしまった。
つまり上半身だけの俺。
下半身はお星様になりまスター。
「・・・エックスよぉ・・・勝て・・・YO・・・」
「あぁ!あぁ!勝つ、絶対に勝つから!だから!」
「・・・男の・・・涙は・・・みせる・・・もんじゃ、ねぇ・・・ZE・・・」
「マックぅぅぅぅぅぅぅ!」
「・・・ゼロ先輩・・・あと頼んま・・・ピーーーーーーー」
――ブツン。
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――ブゥン。
「目覚めよ。我が兵士よ。」
「グッドモーニング。親父殿。」
目が覚めたら爺さんがいた。
「お前に使命を与える。」
「あいあい。了解でござるよ。」
あらまぁ、喋り方が随分とまぁカッコよくなったじゃない爺さん。
「イレギュラーハンターエックスを捕獲せよ。」
「――了解。」
これはもうX3ぽいね。
2の間ずっと眠ってたのか俺。
爺さん、完全にウイルスにやられちゃってるぽいし。
こっちに命令したらずっとなにか作ってるし。
シグマの体かな?
まぁこうなったら、やることは一つだね。
レッツ逃亡。
行方不明のマックにならねば。X3が終わるまで。
うん。だってマックのイベントなくてもストーリに変化なさそうだしいいんじゃね?
エックスへの義理も前回果たせたと思うし。
俺は名実ともに行方不明になる!
ギュイーン!ガガガガッ!って感じで何かしてる爺さんを最後に見る。
――HEY!爺さん!新しい武器頂戴YO!
――馬鹿モン!おぬしはそれが一番バランスがいいんじゃ!
――でもでもーバスターだけじゃ、こう、ほら、地味じゃん?
――馬鹿モーーン!バスターいいじゃないバスター!撃って良し溜めてよし連射よしじゃぞ!?
――マックバスター溜めれるのか。
――え?言ってなかったかの?
走馬灯のように爺さんとの日々が流れる。
――HEY!爺さん!肩たたきしてやんYO!
――それは嬉しいの。それじゃ頼むわい。
――任せろ!・・・トントントンバギン!・・・あっ。
――ぬあぁぁぁぁぁぁ!
――すまねぇ爺さん!なんか肩に刺さってるの割っちまったZE!
――それわしのエネルギータンクゥゥゥゥゥ・・・
――爺さん?・・・爺、さん?・・・爺さぁぁぁぁぁん!
いつか過した日々は間違いなく宝物だった。
が、俺の爺さんはもういないのだ。
グッバイ爺さん。
グッドラック。
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「ぐ・・・よくやった・・・エックス君・・・」
「喋れるのか!?ドップラー!」
「ワタシは・・・シグマに洗脳されていた・・・」
「なんだって!?」
「やつは・・・悪性プログラムだ・・・わたしは・・・やつの体を作ってしまった・・・」
「それはどこに!?」
「それは・・・」
『そこまでだ。ドップラー博士。』
「シグマ!?」
「・・・まさか・・・ここまで来るとは・・・」
『ご苦労だった。ここで眠りに付くがいい。』
「シグマぁぁぁぁぁ!!」
「・・・いかん・・・逃げろ・・・エックス君・・・!」
『エックス共々、引導を渡してやろう。』
「ぐっ・・・さっきのダメージがまだ・・・」
「・・・すまんな、マック・・・」
『塵となれ!』
「くそぉぉぉぉ!」
「・・・おぬしの新装備・・・渡せぬままじゃった・・・」
はい、その無防備な背中にフルチャージバスター。
『ぐうあぁっ!?』
「えっ?」
「・・・!?」
ゆっくりと歩く。カシンカシンてなる足音に惚れそうだ。
『何者だ!?』
「き、君は!?」
「・・・おぉ・・・おおぉ・・・!」
泣くなよ爺さん見っともないぜ。
「HEY!そんな枯れた爺さんでも俺の親父なんだYO!そこまでにしてもらおうかケツ・A・GO!」
「君は行方不明になっていたマックじゃないか!?」
投げっぱなしジャーマン。
時々こういうのを適当に書きたくなるのです。
これぞネタの墓場。続かない。
※ちょこっと加筆