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【社会】

「ニュートリノ」光よりも速い? 相対性理論覆す測定結果

2011年9月23日 22時25分

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 物質を構成する最小単位の素粒子「ニュートリノ」が光よりも速く動いたとする測定結果を、名古屋大大学院理学研究科の中村光広准教授らの参加する国際研究グループが23日、発表した。

 光速を超える物がないことを柱とするアインシュタインの相対性理論と矛盾する結果。測定の正しさが証明されれば、科学史を塗り替える可能性がある。グループの研究者らは「安易に結論づけられない」として世界の研究機関での検証を呼びかけている。

 グループはセルン研究所(スイス・フランス国境)の加速器で人工的につくったニュートリノを、同研究所から発射し、730キロ離れたイタリアのグランサッソー地下研究所でとらえる実験を3年間で1万6千回繰り返して分析した。

 その結果、ニュートリノは、秒速30万キロの光よりも1億分の6秒速く両研究所間を進んでいた。グループは「間違いがあるのではないか」と、結果の検証を繰り返したが、誤りは見つからなかった。

 グループに参加する中村教授や名大教養教育院の小松雅宏准教授は「科学界にとって衝撃的な結果。なぜこのような結果になったのか、理論的な説明がつかない。ほかの機関で、今回の観測結果が正しいのかどうか、精査してほしい」と話している。研究結果は26日に名大で開かれるセミナーで報告される。

 ■高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授…にわかには信じがたい結果。さらに検証をしてもらうしかない。

 ■東京大素粒子物理国際研究センターの山下了准教授…相対性理論が絶対なわけではなく、こういう研究は重要だ。今後、さらに実験データを慎重に検証することが必要だが、もし結果が正しいなら、タイムマシンで過去に戻れることになる。

(中日新聞)

 

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