ニュートリノは光より速い?
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ニュートリノは光より速い?

9月23日 18時57分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

名古屋大学が参加した国際研究グループによる実験で、素粒子の1つニュートリノが光より速いという結果が出たと発表されました。アインシュタインの相対性理論では、質量のある物質は光より遅いとされるため、これと矛盾する実験結果として今後、論議を呼びそうです。

この実験はCERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関など、各国の研究機関で作る国際共同研究グループが行ったもので、日本からは名古屋大学などが参加しています。実験では素粒子の1つニュートリノをスイス・ジュネーブ郊外にあるCERNの研究所から発射し、730キロ離れたイタリア中部にある地下の研究所で観測して速度を測定しました。2つの研究所の間の距離を精密に測り、時計も高精度に同期させたうえで、3年間、1万5000回に上る観測結果を解析したところ、光の速さで予想される時間よりも1億分の6秒=60ナノ秒早く到着しているという結果になったということです。アインシュタインの特殊相対性理論では、質量のある物質は光より速く移動することができないとされ、今回の実験はこれと矛盾する結果になっています。また、なぜニュートリノが光より速いのか、理論的な説明も示していません。研究グループは「この結果が科学全般に与える潜在的な衝撃の大きさから拙速な結論や物理的解釈をするべきではない」とする異例のコメントを発表して世界の科学者や関係学会に実験結果の精査を求めており、今後、論議を呼びそうです。