首相 国連で原発の安全性向上訴え
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首相 国連で原発の安全性向上訴え

9月22日 22時8分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

ニューヨークを訪れている野田総理大臣は、国連の原子力安全に関する首脳級会合で演説し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、「日本は、原発の安全性を世界最高水準に高める」と述べ、当面、原発の利用を続けることを前提に、原子力安全の向上に向けた各国の取り組みを支援していく考えを表明しました。

野田総理大臣は、日本時間の22日夜、ニューヨークの国連本部で開かれた原子力安全に関する首脳級会合で演説を行いました。野田総理大臣は、まず、「巨大地震と津波に被災した日本国民は、世界中から心温まる励ましと支援をいただいた。全国民を代表して深い感謝の意を申し述べる」と述べました。そして、福島第一原発の事故について、「事故は着実に収束に向かっている。事故当初に比べれば、放射性物質の放出量は最新の推計で400万分の1に抑えられている。原子炉の冷温停止状態も予定を早めて年内をめどに達成すべく全力を挙げている」と述べました。また、事故の原因について、「津波への備えに過信があったことは疑いがない。炉心損傷に至る過酷な事故を想定した準備も不十分で、ベントの作業に手間取り、貴重な時間を失った」と述べ、事故を中立的な立場から検証し、結果を国際社会に開示すると強調しました。そのうえで、野田総理大臣は、今後の原子力政策について、「日本は、原発の安全性を世界最高水準に高める。来年4月をめどに原子力安全庁を創設し、規制の一元化と安全の徹底を図るとともに、原子力安全規制自体も根本的に強化する」と述べました。同時に、野田総理大臣は「エネルギー安全保障や地球温暖化防止のため、世界の多くの国々が原子力の利用を真剣に模索している。日本は、これらの国々の関心に応える」と述べ、当面、原発の利用を続けることを前提に、原子力安全の向上に向けた各国の取り組みを支援していく考えを表明しました。さらに、野田総理大臣は、日本は再生可能エネルギーの開発と利用の拡大にいっそう努力するとしたうえで、来年の夏をめどに、中長期的なエネルギーのあり方について、具体的な戦略と計画を提示することを明らかにしました。