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被災の在来線 復旧見通し立たず

9月23日 15時37分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東北地方のJRの在来線は、八戸線を除く6つの路線でいまも運転再開の見通しが立っていません。沿線の住民からは不便な生活のために住民が流出してしまうと心配する声があがっています。

東北地方のJRの在来線は、「八戸線」、「山田線」、「大船渡線」、「気仙沼線」、「石巻線」、「仙石線」、「常磐線」の7つの路線が、震災から半年余りたった今も一部の区間で不通となっています。「八戸線」は来年春までに全線で運転を再開することが決まっていますが、ほかの6つの路線は運転再開の見通しが立っていません。このうち仙石線の沿線の宮城県東松島市では、被災した住宅地の内陸への移転に合わせて線路も移すことを検討していますが、東松島市によりますと、住民の合意を得て復興計画がまとまるのは、ことし12月になる見通しで、それまでは具体的なルートを確定させることができません。線路を内陸部に移すことが決まっても、用地の買収だけで少なくとも数年はかかるとみられ、どのぐらいの費用がかかるかも不透明で、費用を賄う方法も決まっていません。こうした状況に住民からは不便な生活のために住民が流出してしまうと心配する声が上がっています。東松島市の仙石線の野蒜駅の周辺では、一部の住民が内陸部に線路を移す前に震災前の沿岸部のルートで仮復旧するよう市に要望しています。住民グループの代表の坂本雅信さんは「高台へ移転するとなると、土地の取得などどれくらい時間がかかるかみんな心配に思っている。仙石線が通るのが何年も先になると、別なところに住むという人も出てくるので、早く復旧させてほしい」と話しています。