阪神 島谷獲得へソフトバンクが名乗り

　ロッテのフロント幹部２人の辞任が、自身の去就に影響しそうである。今季、国内ＦＡ権を取得、オフにも権利を行使するかどうかで注目を集める阪神の鳥谷敬（３０）のことだ。
　今季はこれまで、正遊撃手が不在のロッテが、鳥谷獲得を狙っているという報道もあった。井口と同じマネジメント会社に所属していることもその理由とされた。
　が、鳥谷を買っていた球団トップの２人が揃って辞任。チームはガタガタで補強方針も白紙に戻り、鳥谷うんぬん言っている場合ではなくなった。
　ロッテが事実上、撤退を余儀なくされたことで、新たな動きが表面化してきた。
「ソフトバンクが鳥谷獲得を熱望している」とは、福岡の関係者だ。
「ソフトバンクは、遊撃の川崎がメジャー移籍することを想定し、水面下で川崎の後釜として鳥谷の調査を進めてきた。鳥谷が埼玉出身で『在京球団を希望している』という話はキャッチしているが、チームは今オフ、川崎に加えて、和田、杉内の両左腕が、ＦＡ権を行使して出ていく可能性もある。資金力だけでいえば、阪神が到底かなわない条件を提示する用意もある。鳥谷が手を挙げれば、いの一番でアタックするでしょう」
　在京球団ならば、西武の可能性もある。
　こちらも中島が今オフにメジャー挑戦する可能性があり、後継者としてはもってこい。埼玉出身の鳥谷は少年時代に西武のファンクラブに加入していた憧れの球団でもある。
「阪神残留の目も残っている」とは、さる在阪の球団関係者だ。
「阪神は、生え抜きである鳥谷を、『チームの顔』として高く評価しており、長期の複数年契約を視野に入れて残留を熱望。下交渉をスタートさせている。鳥谷自身も阪神残留の意思がないわけではない。しかも、かねてメジャー志向が強く、阪神に１年間残った上で、来季、海外ＦＡ権を取得してメジャーへ移籍するという選択肢もあります」
　阪神は１９日の広島戦に４―１２で大敗。鳥谷は３安打と気を吐いたが、首位ヤクルトの背中は遠く、５位広島にも３差に詰め寄られた。今季は終戦ムードが漂ってきており、阪神はまもなく、ストーブリーグに突入する。

▽マツダスタジアム＝２万９４７５人（広島１０勝９敗）
阪神４００　０００　０００―４
広島２０５　０３０　０２Ｘ―１２
（勝）今村３勝７敗　（敗）スタンリッジ８勝６敗
（本）マートン１０号

（日刊ゲンダイ2011年9月20日掲載）