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日米首脳会談:大統領「普天間結果を」首相に事態打開要請

オバマ米大統領(右)と会談する野田佳彦首相=ニューヨークの国連本部で2011年9月21日、AP
オバマ米大統領(右)と会談する野田佳彦首相=ニューヨークの国連本部で2011年9月21日、AP

 【ニューヨーク高塚保】野田佳彦首相は21日午後(日本時間22日未明)、ニューヨークの国連本部でオバマ米大統領と初めて会談した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、首相は同県名護市辺野古に移す昨年5月の日米合意の履行に全力を尽くすと表明したが、大統領は「結果を求める時期が近い」と述べ、進展に向けて日本側の努力を強く求めた。両首脳は日米同盟をより深化させることで合意。世界経済の安定に向け、両国が連携することでも一致した。

 会談は約35分間。オバマ大統領は冒頭、「日本は最も緊密な友好国、同盟国の一つだ。同盟を21世紀にふさわしいものに近代化していきたい」と訴えた。

首相は「日米同盟は日本外交の基軸だとの信念を持っているが、(東日本大震災への支援で)その信念が改めて揺るぎない信念になった」と応じた。

 普天間問題について、首相は「日米合意にのっとり、沖縄の負担軽減を図りながら、沖縄の理解を得られるよう全力を尽くしていく」と強調。大統領は「これからの進展に期待している」と述べ、事態の打開を促した。辺野古移設に地元の理解が得られる見通しがない中、大統領が「結果」を求めたことで日本政府は厳しい立場に立たされた。

 また首相は、米軍による被災地支援「トモダチ作戦」に謝意を表明し、大統領は震災復興に今後とも全面協力する考えを示した。

 北朝鮮の核開発問題では、日米韓の連携を維持し、南北間や米朝間の対話を注視していくことを確認した。拉致問題については、首相は引き続き米側の協力を求めた。

 経済問題では、世界経済の後退懸念が強まる中、日米双方が経済成長と財政健全化を両立させる必要があるとの認識で一致した。

 米国産牛肉への日本の輸入制限に関し、大統領は「進展が必要だ」と緩和を要求。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)では、首相は「議論を積み重ね、できるだけ早い時期に結論を出したい」と述べ、大統領は「(日本が)議論していることを歓迎している」と期待感を示した。

 首相は会談後、ニューヨーク市内のホテルで記者団に「個人的な信頼関係を築く、いいスタートが切れたと思う」と語った。

 会談には、玄葉光一郎外相、クリントン国務長官、ガイトナー財務長官らが同席した。

毎日新聞 2011年9月22日 10時46分(最終更新 9月22日 12時26分)

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