(2011.09.19初稿)
本作は、銀河英雄伝説の世界をメインとするクロスオーバー作品です。
「ルドルフ大帝以来の武門の名門ロットヘルト伯爵家の嫡男に生まれた貴族の若さまトーマスくん」というオリキャラが主人公。
銀英伝の原作では、 上級貴族の子弟でありながら、みずから積極的にラインハルト陣営に組したのはイザーク・フォン・トゥルナイゼンただひとりでした。
本作では主人公兄弟も加え、「武門の名門の門閥の宗主」である主人公トーマス、トゥルナイゼン、主人公の弟シュテルンの3人が、それぞれ自分の一門を率いてラインハルトをかつぎ、原作の史実から歴史の歩みを分離させていきます。
「門閥貴族からの好意を受け入れるラインハルト」や、門閥貴族の一員である主人公たちが帝国貴族階級をダメだこりゃと判定していくプロセスなんかを説得力をもって描くことができるかどうかにこの作品の正否がかかっていると、作者としては考えています。
生あたたかく見守っていただけるとうれしいです。
また、ストーリーを語り進めることのほかに、原作の記述を膨らませる形で
・帝国貴族の人間関係や私設艦隊の組織、正規軍の組織機構に対する門閥貴族の支配や干渉
・第2次ティアマト会戦の敗北が貴族階級にあたえたダメージ(帝国貴族の統治能力の喪失、
貴族の私設艦隊の武力の空洞化、正規軍に対する支配力の衰退など)
・正規軍の内部における平民出身者の台頭
などを描いていきたいとも思っています。
それではお楽しみください。
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メインのオリキャラ、準オリキャラ
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トーマス・フォン・ロットヘルト:
本作の主人公。武門の名家ロットヘルト一門の宗家の嗣子(次期当主)。
イザーク・フェルナンド・フォン・トゥルナイゼン:
主人公の友人。原作キャラ。武門の名家トゥルナイゼン一門の宗家の当主(オリ設定)。
シュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン:
主人公の異母弟。武門の名家ミュンヒハウゼン一門の宗家の嗣子。
エーリケ・フォン・ロットヘルト:
主人公の弟。ロットヘルト一門の軍政・内政担当。
ヴィクトーリア:
主人公、エーリケの母。ロットヘルト伯爵家の当主グラッフィン・フォン・ロットヘルト
(ロットヘルト伯爵夫人)。残念な人柄。婿のカール(主人公・エーリケ・シュテルンの
父)の浮気に気づき、ロットヘルト家から追放。
カール・ヒエロニュムス:
主人公ら3兄弟の父。浮気相手のフロイライン・アーデルハイトの存在と彼女のシュテル
ン妊娠が同時にばれてロットヘルト家を追い出され、実家のミュンヒハウゼン男爵家にも
どる。のちに兄二人が嗣子を残さず戦死したためミュンヒハウゼン男爵家の当主となり、
シュテルンが嗣子となった。
アーデルハイト(泥棒猫):
シュテルンの母、カールの現妻。ミュンヒハウゼン男爵夫人。
エドゥアルト・ルドルフ:
イザーク・フェルナンドの父。トゥルナイゼン家の当主の座をイザークに譲って隠居、臣
下からは「ご先代さま」と呼ばれている。
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分 野 : 銀河英雄伝説ほか2作品のクロスオーバー
主人公 : 銀英伝世界のオリキャラに意識の憑依。原作知識・チート無し。
原 作 : 田中芳樹『銀河英雄伝説』(小説)、デイビット・ウィーバー「紅の勇者オナー・ハリントン」シリーズ、ジェイムズ・P・ホーガン『量子宇宙干渉機』
備 考 :「量子宇宙干渉機」の暴走により、「銀英伝世界のオリキャラ」に「オナー・ヴァースの登場人物」の意識が憑依。
※前作『銀紅伝』との関係
Arcadiaに投降した処女作『銀河紅勇者伝説~ロットヘルト伯爵夫人のリップシュタット戦役従軍記』は、オリキャラの女伯爵ヴィクトーリア・フォン・ロットヘルトに、「離散紀世界」の超チート女提督オナー・ステファニー・ハリントンの意識が憑依し、ガイエスブルク要塞で詰んだ状態を何とかしようと奮闘する物語です。
本作の舞台は、この前作の並行世界で、ヴィクトーリアにオナーの降臨はなく素のまま、ヴィクトーリアの長男トーマス君に憑依が起きます。帝国貴族の組織とかメンタリティとかは、前作『銀紅伝』のそれと共通ですが、前作をお読みになっていない方や原作知識の無い方など、予備知識の無い方でも楽しんでいただけるよう頑張ります。