<< 2007年07月
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031

中国の軍拡をどう読むかーーーアメリカ政府の見解から(4)(終わり)

2007/07/16 13:17

 

中国の軍事力増強についての報告を続けます。
主体はアメリカ政府の情報や分析の紹介です。
今回は「結び」であり、中国の大軍拡の意味とは一体なんなのか、とくに至近距離にある日本はその軍楽をどう判断すべきか、などについて書いてあります。

以下がその私の論文の最終部分です。

 これまで国防総省作成の二〇〇七年度「中国の軍事力」報告書の要点を紹介してきたが、そこに浮かびあがるのは、経済の高度成長で総合的国力を強めた中国がその新たな国家資源の主要部分を軍事力の増強へとひたすら投入している姿である。
 その軍拡は核兵器をはじめとして、空軍や海軍、ミサイル部隊など軍事の全域にわたるといえるだろう。ハードウェアの増強と同時にその兵器類を駆使する戦略にも重大な変化が生まれてきた。とくに中国の核戦力にそうした変化が顕著のようである。

 

この中国の核戦略の変化について、国防総省の「中国の軍事力」報告書とタイミングを一にして注目すべき研究結果が公表された。

アメリカ陸軍大学の戦略研究所が五月中旬に発表した「中国の核戦力」と題する研究報告である。同報告書は中国軍が最近、核兵器に関する戦略を大幅に変えつつあるとして、次のような諸点を指摘していた。

中国軍は年来の「核先制不使用」の方針を変える兆しをみせてきた。

中国軍は日本を射程内にとらえる弾道ミサイルに核と通常の両方の弾頭を混在させるようになった。

中国軍は米海軍の機動部隊に核と通常両方の弾頭装備の弾道ミサイルを使う新作戦を立て始めた。


 以上の諸点は「中国の軍事力」でもさまざまな形で触れられていた。しかし陸軍大学の報告は中国の核戦力に焦点をしぼっての研究である点にまた別の価値がある。だからその内容をもう少し詳しく紹介することとする。


 この「中国の核戦力」の報告書は陸軍戦略研究所の元所長で現在はアメリカ議会の超党派政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」の委員を務める中国軍研究の権威ラリー・ウォーツェル氏により作成された。同研究所の支援で書かれた同報告書は四十二ページから成り、「中国の核戦力=行動・訓練・ドクトリン・指揮・管制・作戦計画」と題されていた。

 同報告書は中国人民解放軍国防大学の最新の戦略教典「戦役理論学習指南」など一連の文書にアメリカ当局の情報などを加えた資料を基礎としたという。


 報告書はまず中国がアメリカを最大の潜在脅威だとみなすという基本の戦略認識を強調していた。中国アメリカを脅威とみるのは、アメリカの軍事能力の強大さと、アジアでの安保政策が理由だという。アメリカがいまのような強大な軍事力を誇り、しかもアジアでは日本などと同盟関係を結び、軍隊を常駐させ、台湾の安全保障にもかかわるという政策を保つ限り、中国が軍事パワーを拡大し、アジアでの影響力、支配力を強めれば、不可避的にアメリカと対立し、衝突していく、という認識である。


 中国はそのアメリカとの衝突のシナリオのために人民解放軍戦略ミサイル部隊の「第二砲兵」を中心に米軍との核戦争をも想定し、ことに最近、核と通常の戦力の相互関係を主に弾道ミサイルの機能にしぼって再考し始めた。同報告書はそう分析するのである。

 
 同報告書は中国が最近、年来の「核先制不使用」の方針を変え始めた、という重大な指摘をも明らかにした。

「核先制不使用」というのは、局地的な軍事衝突でも、全面的な戦争でも、核兵器は敵より先には使わないという誓約である。相手側から核攻撃を受けたときだけ、初めて報復として核兵器を使う、という方針である。

東西冷戦の間はソ連がその「核先制不使用」を言明し、アメリカ側にも同調することを再三、求めていた。ソ連は当時、欧州で非核の通常戦力では圧倒的に優位に立ち、アメリカ・西欧側との全面戦争になっても核兵器を使わないで勝利できると計算したからだった。

しかしアメリカはそれに応じなかった。いざ戦争となれば、自国側がさきに核兵器を使う可能性を否定しなかったのだ。その姿勢が戦争自体への抑止になるという狙いもあった。

 
 中国の場合、アメリカやソ連にくらべれば、核戦力は決定的に弱く、もし戦争となっても核兵器使用は自国が滅びるときの相手への最後の死を覚悟しての報復のみ、という思考だった。だから核は先には絶対に使わないと宣言した。戦争が起きても、あくまで核をつかわない通常戦闘だけ、という言明だった。それが自国の対外軍事戦略にも合致していた。

ところが中国はここにきて、その年来の「核先制不使用」を変え始めたようだ、と米陸軍大学の戦略研究所の報告書は伝えるのである。

 
 同報告書はその理由として米軍が通常兵器の性能を高め、非核の第一撃で中国側の核戦力を破壊し尽くす能力を高めてきたことをあげていた。これまでは中国側が非核の戦争を始めても核戦力の一部は必ず最後の報復として温存され、その展望が相手に戦争に踏み切ることや、核攻撃をかけることを、ためらわせる抑止効果を発揮するという読みだった。

だが非核の攻撃で中国側の核戦力がすべて破壊されてしまえば、核の報復力は消えて、抑止効果を発揮できないということになる。それなら核兵器はこちらが先に使うこともあるという可能性を表面に打ち出しておいたほうが有利だろう。そんな理由づけだというのだ。ただし同報告書も中国当局が年来の「核先制不使用」の方針を公式に破棄したとは述べていない。変化の兆しがある、というだけである。


 もっともこの「核先制不使用」の方針は実際には虚構だとする趣旨の発言は、中国軍の幹部から非公式にはすでに述べられてきた。中国の国防大学の院長だった朱成虎将軍の「台湾有事で米軍が中国を攻撃すれば、通常兵器での攻撃でも中国側はアメリカ本土に核ミサイルを撃つ」という発言である。

 

 同報告書はまた中国の核戦略の危険な側面として「核弾頭と非核の通常弾頭とを同じクラスの弾道ミサイルに装備し、たがいに近くに配備して混在させる傾向がさらに強くなった」という点を指摘した。

その危険性とは最悪の有事の際、アメリカ側が中国側から発射されたミサイルが核か非核か判定できない確率が高まり、事故のような核戦争を起す可能性が強まることだという。米軍の場合、核弾頭装備のミサイルと非核弾頭装備のミサイルとはクラスをあえて別にしている。このミサイルならば弾頭は非核だけ、あるいは核だけ、と区分しているのだ。ところが中国軍はその区別をあえてつけず、核と非核の弾頭を一個ずつではあるが、同じ種類のミサイルにあれこれ混ぜて装着する傾向をますます強めてきた、というのである。

 
 同報告書は中国軍が核と非核の弾頭を混在させている比率がもっとも高いのは中距離ミサイル(MRBM)のCSS5だと指摘する。前述のように中国が約五十基を配備するこのミサイルは射程千八百キロ、DF(東風)21とも呼ばれ、とくに日本の要衝や沖縄の米軍基地に照準を合わせて配備されているのだという。

 同報告書はその点について次のように警告していた。


 中国軍はこの機動性のある中距離ミサイルCSS5を日本の要衝や沖縄の米軍基地への脅威として現在よりも多く必要としている。日米側はその増強に注意し、対応策を考えねばならない」

 報告書はさらに中国軍が米海軍の空母を中心とする機動部隊に対し核、非核両方の弾頭を装備した弾道ミサイルで攻撃をかけるという新戦術を実行する能力をほぼ保持するにいたった、と記していた。

もし中国が台湾に軍事攻撃をかけたとすれば、アメリカが軍事介入し、台湾の防衛にあたる可能性はなお高い。中国にすれば、この米軍の介入の可能性こそ、台湾問題への対応での最大の軍事障壁であろう。もしそんな事態が起きれば、台湾海峡に向かってくる最初の米軍部隊はまず第七艦隊の空母を中心とする機動部隊であろう。
 中国軍としてはこの機動部隊をどう阻止するかが最大の課題となる。これまでの中国側の作戦としては潜水艦による阻止、あるいは空軍部隊による攻撃などのシナリオが語られてきた。

ところが同報告書によると、中国軍は実は弾道ミサイルによるアメリカ機動部隊の制圧、あるいは撃滅の能力開発を長年の目標としてきた、というのである。そのためには中国は弾道ミサイル用の個別誘導複数目標弾頭(МIRV)技術をも開発中だという。

 

 このように中国がアメリカに対して正面から挑むような形で軍事力を大増強するという構図は日に日に鮮明となってきた。とはいえ軍事力の比較ではアメリカがまだまだ圧倒的優位に立っていることは変わらない。

 しかしアメリカ側のそうした従来の認識に突然、水をかけたのが二〇〇六年十月の日本近海での出来事だった。その海域をゆうゆうと航行するアメリカ海軍の空母「キティホーク」のすぐそばに中国海軍の「宋」級潜水艦が突然、浮上したのである。空母の側はそんな至近距離までの潜水艦の接近をまったく探知していなかった。戦時ならば魚雷攻撃を受けて撃沈されてもおかしくない異常事態だった。

 この事件は国防総省の「中国の軍事力」報告書にも特筆されていた。アメリカ側が長年の軍事優位を当然視する間に、現実は意外と速いスピードで変わっているのではないか、という警鐘だった。

 

とはいえアメリカ政府が中国の軍事力の増強や拡大をこれほど重視し、懸念するようになっても、もちろん米中関係は軍事だけではない。経済や政治など多様な側面で両国が協力しあうことも、また普通である。しかしその両国の複雑多岐なかかわりあいのなかで、中国の軍拡という要因が投げる影が着実に大きくなり続けていることは、どうにも否定できない現実なのである。(終わり)
 

 

カテゴリ: 世界から    フォルダ: 指定なし

コメント(53)  |  トラックバック(4)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/trackback/233047

コメント(53)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2007/07/16 14:04

Commented by 滝沢響子 さん

「米軍が通常兵器の性能を高め、非核の第一撃で中国側の核戦力を破壊し尽くす能力を高めてきた…」

ここを読んで、目の前がパッと明るくなった気がしました。
 堅牢なサイロに納められた中国の核ミサイルを無力化するには核ミサイルが必要、と何となく思い込んでいたのですが、通常兵器でも中国の核ミサイルを無力化できるというなら、これこそ、いま日本が身につけるべき能力ではないでしょうか。
 相手のミサイル攻撃が差し迫ったとき、敵基地を先制攻撃するのは自衛の範囲内で合憲と政府も答弁している以上、国民をジェノサイドから守る能力を整備しようとしないのは、政治の怠慢だと思います。

 
 

2007/07/16 14:29

Commented by 古森義久 さん

滝沢響子 さん

アメリカを主体とする軍事面での科学技術の発展により、兵器の核と非核の区別が無意味になる、という可能性も予測されるわけです。
そうすると非核の日本にも大きな影響がありますね。核兵器さえ排すれば、なにか絶対の平和が得られるような空気も試練にさらされるでしょうね。
核兵器があったほうが戦争が起きにくいという現実もあるのですから。
でも鋭いご指摘ですね。

 
 

2007/07/16 14:40

Commented by ぷぅ さん

日本は実質的にずっと中国の軍拡を支援してきた。
ODAとかの有償・無償の資金援助は困ってる人たちじゃなく、ずっと汚職役人の贅沢や、武器購入や、工作活動費に使われてきた。
日本の役人や政治家だって絶対バックマージン貰ってる。
ODAをやめるとか言って、残留兵器の処理にいくら使うつもりなんだろう?
600冊の引渡書だって全く検証されて無いじゃん。
それなのに今度は環境対策の援助だって!
中国にちゃんとお金を払わせなさいよぉ!
官僚は日本国民は搾取されるべき奴隷だとでも思ってるの?
中国が覇権を確立したら取り立ててもらえるとでも思ってるの?!
戦後の獰猛な侵略性、危険食品、人権侵害どころじゃない民族浄化、言論弾圧、道徳と法の不在、忘れちゃいけないこの世の終わりのような環境汚染…。
中国に取り入ろうとするのは金の亡者だけだよ。
日本の亡者は全員中国奥地へ下放せよ!

 
 

2007/07/16 14:46

Commented by 古森義久 さん

ぷぅさん

私も中国への日本のODAはすべて止めるべきだと考えています。
来年には主要部分の有償援助が終わることになってます。
中国の環境汚染は中国政府の責任ですよね。

 
 

2007/07/16 21:44

Commented by umejum さん

小森様,こんばんは。 

中国へのODAに振り向けていたお金は,随分日本のプレゼンスの低下に使われてしまいましたね。 国連への供託金なんかも同じパターンなんでしょう。 遅きに失するとはいえ,日本の為にならない金を一銭たりとも払わないと,当たり前の判断と行動が出来る国にならないといけません。 

特亜がゾンビみたいになってしまった今,スパイ防止法も制定できないことが不安でなりません。 北朝鮮中国を今の状態にすることを許したのは,日本なのだと思います。 残念でなりません。 

逆転満塁ホームランみたいな技術も期待したいですが,今後流れが良い方向に行くように願っています。 

 
 

2007/07/16 22:27

Commented by 古森義久 さん

umejum さん

日本国内での「格差」が問題になるということは、日本の内部にもなんらかの救済が必要な国民が存在するということでしょうね。
であれば、日本の国民の税金による政府資金はその救済にまず回されるべきで、軍事大国の中国が国是として軽視、あるいは無視してきた環境問題に、投入される、というのはおかしな話、ということになるでしょう。

 
 

2007/07/17 02:36

Commented by urara225 さん

外務省の対中ODA概要には、「対中ODAは、1979年に開始され、これまでに有償資金協力(円借款)を約3兆2079億円、無償資金協力を1472億円、技術協力を1505億円、総額約3兆円以上のODAを実施してきました。」とあります。

こうしてみるとほとんどが返ってくる有償資金協力だと誤解されそうですが、実際には借款条件が低金利・長期貸付となっているため、中国に対するグラント・エレメントは約65%と極めて高く、約2兆円が純贈与になるんだそうです。

08年度に終了する円借款のかわりに組まれた感のあるアジア開発銀行ADB)下部の2基金120億円と、政府直轄の国際協力銀行から2400億円、合計で2520億円の枠は、財政再建によって公共事業を削減するだけ削減している日本の予算としては到底納得できるものではありません。中共やインドのような新興国は、景気が良くて儲かっているから、旺盛なエネルギー消費と環境汚染を生み出しているのです。儲かっている国に財政難であえぐ日本の血税を投入する政策には大いに疑問をもちます。なぜ普通に日本の技術を買えと堂々とセールスできないのでしょうか?金の払い渋りと技術の盗用を恐れる企業のために、政府がやるべきは有効な制裁措置を用意することだと思います。アメリカの議会なんか中国に対して経済制裁をちらつかせながら米中戦略経済対話で多少なりとも元を取り返しています。それが一般的な外交と言うものなんじゃないでしょうか?

 
 

2007/07/17 02:37

Commented by urara225 さん

日本の対中戦略は『戦略的互恵』などとわけのわからない造語を作り出し、右も左も総動員のメディア戦略で日本国民を煙に巻こうとしています。昔『特殊』今『戦略』、要するに人を騙すときの枕詞です。

先日の産経新聞報道に『大島大使は政府開発援助(ODA)予算や国連機関への拠出金などの減少による影響が出はじめていると指摘。「国連の高官ポストへの人材が続かなくなっていることも気になる」と述べ、国連外交を強化するため、長期的・総合的な取り組みが必要と提言した。』とありましたが、結局日本の外交は戦争を放棄しているために金を出すしか能のない三流外交しかできないのだと思い至りました。

戦力は国力を測るバロメータです。なぜ北朝鮮のような貧乏なならず者国家が世界の大国相手に対等に渡り合えるのかを見れば火をみるより明らかです。これ以上日本に敵意を持つ特ア三国に何かしらの理由をつけて資金援助するより、6カ国協議なんかあてにせず、日本を守るために独自に兵器開発に資金を傾注すべきだと思います。

 
 

2007/07/17 02:55

Commented by 古森義久 さん

urara225さん

ご指摘の諸点のうち、とくにアジア開発銀行を通じての中国への援助に私も危惧を感じています。けっきょくは日本政府の公的資金、つまり国民の税金、資金ですよね。
アジア開発銀行はご存じのように日本の財務官僚が仕切っています。
現状では中国開発銀行です。アジアの貧しい国は多数あるのに、ふしぎなことに援助はみな中国に吸収されているのです。

 
 

2007/07/17 05:17

Commented by thinking さん

To 古森義久さん
>現状では中国開発銀行です。アジアの貧しい国は多数あるのに、ふしぎなことに援助はみな中国に吸収されているのです。
  もはや、一流の経済大国、そして、言うまでも無い軍事大国の中国に、あまつさえ、陰険にミサイルで威嚇されて、国民を騙してマスコミを利用して経済援助する、陰険な日本の政治家と官僚に対して、国民は拒否の意思表明を、しなければならないと思う。

 
 

2007/07/17 06:33

Commented by 古森義久 さん

thinkingさん

中国への経済「援助」なんて、そもそも概念がおかしいですね。
これだけの経済大国とは市場原理に基づく、ビジネス取引、投資とか貿易、によって、対応すればいいわけですよね。

 
 

2007/07/17 09:13

Commented by weirdo31 さん

今朝の産経国際面に北京発共同が「中国軍(?)の創設80周年を記念した特別展示が始まり、中距離核ミサイルや新型戦車が公開された。」と伝えています。

この中距離核ミサイルは射程が約1800キロだそうで、ターゲットとして当然我が国をねらったものです。

核ミサイルで威嚇するような国にどうして巨額の資金援助をしなければならないのか。urara225 さんの言われるとおりグラントエレメントは3兆円のうち2兆円ということですが、残りの1兆円分をせっせとODAで穴埋めしてやっているのではありませんか。

ODAでは出せなくなったので、それを環境保全の名目で肩替わりしようという媚中派政官財の悪知恵ではありませんか。

 
 

2007/07/17 09:16

Commented by anomaly さん

重大な問題を、解り易く冷静で公平な視点でリポートされているのは改めてさすがだと思いました。
しかし、具体的な数字、中国の軍拡が他国と比べてどのように突出しているのか、あるいは配備のバランスから戦略の変化読み取れるのか、を示していただければさらにありがたいです。

 
 

2007/07/17 09:17

Commented by staro さん

私の地元氏でさえ書いているが、民主党の外交政策で「親中、韓」とある
が「具体的には出していない」と言われてしまっている
地元紙は「極反日新聞」なのだが、彼らにそう言わしめるのも無理なかろう
彼らは小沢氏を「安倍政権打倒」の為に利用しているだけなのだ
民主党の内部に安倍氏に近い政治理念を持っている者たちが一定数いる
ことを知っており、とてもではないが一枚岩にならないことを知っている
そもそも民主党政権(小沢政権)を望んでいない、これが問題である
考えればわかる
小沢首相が実現したとする
すぐに解散か総辞職かの疑惑が提起され、立ち往生するだろう

アジア開発銀行宏池会の腐った連中の傀儡組織である
無能宮澤とその提灯持ちの生き残りが今も支配している
河野洋平谷垣禎一ら、そして榊原らも同類である
将来のアジア通貨統合というバカ丸出し構想にもかかわっている

 
 

2007/07/17 14:19

Commented by 古森義久 さん

anomalyさん

お褒めの言葉、恐縮です。

国際比較は次に中国の軍事態勢について書くときまで、念頭に入れておきます。

配備の変化(潜水艦や弾道ミサイルの重視など)から考察できる戦略の変化には、ここでも触れたつもりですが。

 
 

2007/07/17 14:23

Commented by 古森義久 さん

weirdo31さん

日本のこれまでの対中ODAの総額はおよそ3兆円、そのうちの2兆円は贈与に等しいグラント・エレメント分、残りの1兆円もやがては返済されるとはいえ、商業融資では考えられない、借り手にとっての好条件の有償援助、というわけですね。

もう無償も有償も援助は止めるべきです。

 
 

2007/07/17 14:26

Commented by mochizuki さん

「しかしその両国の複雑多岐なかかわりあいのなかで、中国の軍拡という要因が投げる影が着実に大きくなり続けていることは、どうにも否定できない現実なのである。(終わり)」

 米国が影に吠えれば、古森記者が声に吠えるってとこかな…

 
 

2007/07/17 16:17

Commented by thinking さん

 今、古森様の本を買おうと思って、近所の本屋へ行ったら、ちょうど文庫本の新刊書の棚に、中国「反日」の虚妄がありましたので、買って来ました。 喫茶店で、コーヒーの一杯分の値段ですね。

 
 

2007/07/17 17:38

Commented by ぷぅ さん

古森さん、こんにちは。
片岡鉄哉のアメリカ通信に『最近、アメリカのエスタブリッシメントは日本に対して最大級の侮蔑と警告を発信したが、日本の「検閲制度」によって削除されている。ニューヨークの外交評議会は「フォーリンアフェアズ」を機関紙とする隠然たるパワーであり、理事長のリチャード・ハースの論文は政府と野党が目を通したものと解釈すべきであろう。』とありました。
これ何のことかわかりますか?

 
 

2007/07/17 17:58

Commented by staro さん

古森様、横レス失礼します

>もう無償も有償も援助は止めるべきです。
私もこのように他のブログに書いたところ「麻生氏の問題」と
指摘されました
まあ、そういってしまえばそうなのでしょうが、化学兵器処理の費用といい
外務省の予算を官邸が何の影響も与えられないのか?
そんなことはあり得ない
やめるならすっぱりやめられるはずですよね?

で、
安倍支持の方々に聞きたいのは、みなさんは彼の対中外交を理解されている
のですか?
私にはさっぱりわからない
今までの田中、竹下、宮沢の対中外交と何か違いますか?
そのうち変わるのだといっていたら、政権倒れるのではないですか?
倒れてから「仕方なかった」といってしまえば過去の政権と結果は同じ
なんら具体的な説明も行動もない、ただひたすら今までの路線通り
実は彼は対北のみ強硬なだけの政権なのでは?

 
 

2007/07/18 02:34

Commented by hide2002 さん

古森さま、ならびに皆々さま

対中ODAですが、アジア開発銀行だけでなく、遺棄化学兵器も大問題ですね。遺棄化学兵器で日本が金を出すように決めたのは河野洋平ですが、現在、日本ロビーの利権の親分として中国訪問中です。
西村幸祐氏のブログに貼られていた、青木直人氏の解説は聞けば聞くほど恐ろしくなる醜聞です。
ご参考までに。
河野洋平 16日訪中の意味
http://nishimura-voice.seesaa.net/article/47572450.html

 
 

2007/07/18 04:22

Commented by 古森義久 さん

hide2002 さん

遺棄化学兵器への日本の巨額の公的出費は確かに、問題点、多々ありですね。
アジア開発銀行の対中援助も同様です。
言及された青木直人氏は私は面識がありませんが、著作はおもしろく拝読しています。とくにアジア開発銀行の異様な部分、不透明な側面を伝えたレポ-トでは、青木氏のそれが秀逸だと思いました。

 
 

2007/07/18 04:25

Commented by 古森義久 さん

thinkingさん

ありがとうございます。
そういえば確かに東京でのコーヒー一杯分の値段ですね。
ワシントンならこの値段で5杯ぐらい飲めますけど(お代わりはタダの店がほとんどですが)。

 
 

2007/07/18 04:29

Commented by 古森義久 さん

ぷぅさん

私はその論文は読んでいませんが、その雑誌はいまは朝日新聞が契約を結び、主要論文を「論座」だか、あるいは他の自社雑誌に転載しているはずです。
指摘された論文は「日本の検閲制度」なんて言葉が出たところで、私は腰が引けてしまう、という感じです。あまりまじめに受け取るべき対象だとは思えません。

 
 

2007/07/18 11:58

Commented by urara225 さん

To staroさん

>>もう無償も有償も援助は止めるべきです。
>私もこのように他のブログに書いたところ「麻生氏の問題」と
>指摘されました

麻生外相が東アジア外交について講演しています。
http://www.kasumigasekikai.or.jp/asougaimudaijin%20ennzetu%20%20higashiajianoshourai.html

ポスト安倍として呼び声高い外相ですが、対中強行政策に転じるつもりは全くなさそうです。と言うか、現在の対中政策そのものが麻生外相ベースなんですよね。しかも東アジア共同体推進論者ですね。

かつての『大東亜共栄圏』よ再び、とでも思っているのでしょうか?鬼のように税をかけて国内そっちのけで外国に湯水のごとく税金を注ぎ込むスタイルは変わってないようです。そうまでしてインフラを整えてやっても、中国韓国も感謝するどころか反日宣伝をするのが関の山です。一体どれほどのキックバックを手にすれば唯々諾々と日本の血税を中共なんぞに渡すことができるのでしょうか?国内で政治家が口利きをして利益供与をうければ斡旋収賄罪になりますが、中共にODAという形で日本の血税を注ぎ込んで日本企業の口利きをするのは全くのフリーパスです。

中国中国市場を狙う日本企業、口利き自民党議員達は、人の褌(日本の血税)で相撲(中国の開発)をとって三者とも利益を得る互恵関係にあります。一人損をするのは血税を搾り取られた日本国民だけです。しかもお返しに中共は軍備増強して日本国民に脅威を与えています。オーストラリアで「日本は2015年には滅ぶ」と言ったのは李鵬でしたね。残念ながら現状ではその通りになるかもしれません。

 
 

2007/07/18 11:59

Commented by urara225 さん

考えてみれば麻生外相は大宏池会(古賀派、谷垣派、麻生[河野]派←旧宮沢派)の結成を呼びかけているだけに、対中強行政策なんか逆立ちしても出来やしません。津島派だけが親中じゃなかった!むしろODAばかりか遺棄化学兵器の賠償ビジネスを新たに捻り出したのは旧宮沢派のメンバーです。安倍政権を倒して麻生政権を誕生させるのは更に危険なんじゃないでしょうか?

今回は保守系で新風も名乗りを上げたことから、自民支持の保守派の票の逃げ場があります。選挙では「安倍か小沢か?」と言われていますが、所詮参院はオマケです。案外有権者は「安倍か麻生か?」の選択を迫られているのかもしれません。

 
 

2007/07/18 12:21

Commented by staro さん

urara225さん

そうなんですよね、麻生氏はよくわからない
朝日新聞の記者をいじめるのは有名らしいですが、所詮は媚中のように
思えてなりません
いったい中国の何に取りつかれているのか?
疫病神のような特アにかかわろうとする宏池会
そもそも宏池会が日本国の疫病神ですね
私からすれば安倍氏も口だけ番長でしたし
滅びゆく国家なのだろうとしか思えませんね
それにしても安倍氏にはがっかりしましたよ

 
 

2007/07/18 13:31

Commented by venom さん

こちらに書き込むのはご迷惑でしょうが、重要なことだと思うので1回だけご容赦下さい。

2007/06/25付のエントリのコメント欄でmochizukiさんに、「千田夏光が原善四郎・元関東軍参謀から聞いた話として、関東軍特別大演習(関特演)において、関東軍が朝鮮総督府に依頼して慰安婦を徴募させた」とされている件につき、質問されて答えられなかった件です。

mochizukiさんは、2007/07/12 18:25付コメントで、“秦郁彦大先生が「デマ・ガセ・アジ」をばら撒くことはないと信じていました” と述べておられますが、私は関東軍や総督府がそのようなことを行った証拠はない、と主張したのですが、やっと文献が出てきました。 

西岡力著 『よくわかる慰安婦問題』 草思社 2007.6.28 (出たばかりの本です) 
(引用開始) p.76
このやり取りを読むと、関東軍が朝鮮総督府を使い慰安婦を調達したことは間違いないように錯覚してしまう。 しかし、調べていくと、この記述は疑問が多い。千田は参謀に会わずに、このやり取りを書いたのではないかという疑いさえある。
歴史教科書研究科の上杉千年氏の論文 「千田夏光著『従軍慰安婦』を切る―“まぼろし”の関特演従軍慰安婦二万人徴募要請」 (『月間評論』平成4年9月28日号・その要旨が同氏『検証従軍慰安婦』全貌社1993年に収録されている)や現代史研究家である加藤正夫氏の調査によって、この原参謀証言も、以下のごとく信じるに足らないものであることが判明した。

加藤氏は「文藝春秋」に載った西岡論文を読み、92年春頃、当時、私(venom注: 西岡力氏)が編集長をしていた「現代コリア」編集部にやってきた。 戦前生まれの加藤氏は、堰を切ったように、慰安婦の軍による強制連行などなかったと語りはじめた。 それから何回かお会いしてお話しする中で、原参謀の証言の疑問点を調査することに力を注ぐようになった。(続く)

 
 

2007/07/18 13:31

Commented by venom さん

何回か書き直しをしていただき、力作論文を「現代コリア」93年2・3月号にいただくことができた(加藤正夫「千田夏光著『従軍慰安婦』の重大な誤り」)。
そこで示された原証言への疑問点は、概略次のとおりだ。

・関特演の予算担当者であった陸軍省軍務局軍事課の加登川幸太郎少佐や、関東軍参謀今岡豊中佐(兵站主任)らは、口をそろえて加藤氏に対して慰安婦動員計画など聞いたこともないと語っている。

・関特演は応召者の見送りさえ中止させるほど秘密に準備された。 したがって、大々的な慰安婦動員などするはずがない。 陸軍は二ヶ月の作戦と考えており、当時の満州には朝鮮人売春業者が多数営業していた。

・引用部分で、原氏は千田氏に、1941年8月の「関特演」のときの自分の経歴を「関東軍司令部第3課所属の兵站担当参謀」と語ったことになっているが、それは事実と違っている。 そのときは第1課所属だった。 加藤氏が防衛研究所図書館の史料で調べた原氏の軍歴は、1939年8月1日~41年10月5日・関東軍司令部第1課参謀、41年10月6日~42年1月11日・参謀本部兵站総監部参謀、43年8月2日~終戦・関東軍司令部第4課(対満政策・内面指導)参謀であり、関東軍司令部第3課には一度も所属したことがない。 原参謀が自分の軍歴を間違えて話すことは考えにくい。

・原参謀は92年の段階ですでに亡くなっていた。 加藤氏は92年に二回にわたり千田に“慰安婦動員計画”について電話で問いただした。 すると千田は、「“慰安婦二万動員計画”には、私の書物(昭和48年刊)より先の昭和40年に武蔵大学教授島田俊彦氏の『関東軍』(中公新書)という本がある。 この本の176ページに、“慰安婦二万人動員計画”が書かれており、それが私の説の根拠だ」と語った。 つまり、千田は原参謀に直接インタビューしていないことを事実上認めたのだ。 (あと一回続く。)

 
 

2007/07/18 13:31

Commented by venom さん

・『関東軍』には「原参謀が兵隊の欲求度、持ち金、女性の能力等を綿密に計算して、飛行機で朝鮮に出かけ、約一万(予定は二万)の朝鮮女性をかき集めて北満の広野に送り、施設を特設して“営業”させた、という一幕もあった」と書いてあった。 千田はこの記述をもとに原参謀との対話を創作したのではないか。

・それでは『関東軍』の記述の根拠は何か。 島田教授はすでに故人で根拠を示していない。

・したがって、千田が著書に書いた、“慰安婦二万人動員計画”は根拠薄弱と言わざるを得ない。(なお秦郁彦は前掲著書『慰安婦と戦場の性』の中で、原参謀の助手役であったという村上貞夫曹長の1975年手記や元憲兵らの証言をもとに、関特演を機に満州でも軍専用の慰安所が開設されたが、朝鮮から楼主に連れられて朝鮮人慰安婦がやってきたのであって、権力による強制連行ではない、と見ている)

(以上、引用終わり)

 
 

2007/07/18 19:28

Commented by ぷぅ さん

古森さん、お返事ありがとうございました。
片岡鉄哉さんのは、もう読むのやめます。
脅されてるみたいで、ちょっとヤだったし。

>urara225さん
大賛成~!

 
 

2007/07/19 07:22

Commented by staro さん

旧日本軍の毒ガス、2億円求めた中国人被害者ら逆転敗訴

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070718i111.htm

当然ですが、
「日本政府の政策判断のもとに被害救済措置を講じることが望まれる」
との付言
あほか、この裁判長は
武装解除による武器、弾薬の全ての管理責任は連合国にあるのだ

 
 

2007/07/19 12:56

Commented by urara225 さん

To staroさん

>「日本政府の政策判断のもとに被害救済措置を講じることが望まれる」
>との付言
>あほか、この裁判長は
>武装解除による武器、弾薬の全ての管理責任は連合国にあるのだ

最近へんな裁判官が多いですよ。
傍論でいらぬ一言を書くのが最近の判決文の傾向です。
外国人参政権も傍論で容認され、
外国人参政権がさも判決を勝ち取ったかのような運動が展開されています。

 
 

2007/07/19 13:03

Commented by staro さん

urara225さん

>外国人参政権も傍論で容認され、

断固反対ですね
どこの国の方であろうが、祖国で選挙権は行使してくださいってとこですね
人の国で選挙権を得ようとはもってのほか
因みに帰化も議員等の公職に就くのを規制しなければなりません
帰化後10年とか15年は立候補も出来ない
下関の民主党の候補は竹島問題について回答拒否らしい
民主党は党の方針に従ってもらうと言ってますがね
当選した後から「竹島韓国領土」と言い出したらどうするんですかね?
この件は産経新聞も取り上げません
残念です

 
 

2007/07/19 13:14

Commented by 古森義久 さん

venomさん

非常に強く興味を引かれる指摘ですね。
西岡力氏の「よくわかる慰安婦問題」は私の手元にもあるので、さっそく読んでみたいと思っています。

 
 

2007/07/19 20:54

Commented by その蜩 さん

中国という国に肩入れして報われた個人も団体も国も歴史的に見て存在しません。
何かにつけ中国に肩入れする傾向のある米国にしてもかかわりを持ち出してこの方、泣かされっぱなしで報われたことなんて一度たりともありません。
イギリスにしろ、他の欧米諸国にしろ、中国には清朝末期以降膨大な援助が為されてますがその数倍のしっぺ返しをくらって泣かされてます。
最近は日本の援助の金額が突出して多いので、日本が一番泣かされているのです。中国に泣かされたくなければ、関わらないことが一番です。
あの国は、ほっとけば自滅します。歴史的に見ても、そういう民族ですから。

 
 

2007/07/19 21:29

Commented by 古森義久 さん

その蜩 さん

中国の本質をどうみるか、というテーマですね。
日米を比較すると、中国の共産党政権の独裁性に対する批判はアメリカの方がずっと強いです。アメリカは中国が共産主義独裁であるがゆえに、経済援助はまったくしてません。人権弾圧を非難することも、官民合わせて日本の何十倍だといえます。
日本が一番、泣かされているという点はもっともだと思いますが、同時に日本がいまの中国を最も甘やかせてきたのだとも思います。

 
 

2007/07/20 07:51

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連
 秦郁彦大先生の「昭和史の謎を追う 下」(文藝春秋 2000年2月5日第3刷)に記述されているのは、凡そ次の①~⑪に事柄で、そのうちここで本質的な問題にすべき点は⑤~⑩の6項目の事実の真実性の検討で、残りの5項目はそれを裏図ける強力な証拠となるが、それが真実でなくても、⑤~⑩が虚偽であるとは断定できませんよね。

 ① 1941年(昭和16年)の夏頃に対ソ戦の発動に備えた「関特演」で関東軍は在満兵力を40万から70万に緊急動員した:

 ② 原善四郎関東軍参謀が慰安所設営の主務者になった:

 ③ 原参謀は約2万人の慰安婦が必要と算定した:

 ④ 原参謀が朝鮮総督府に慰安婦の募集を依頼した:

 ⑤ 官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入された:

 ⑥ 官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入されたのは「関特演」の頃からだった:

 ⑦ その募集方式は朝鮮総督府から道知事→郡守→面長(村長)の経路で人数を割り当てた:

 ⑧ 実際の人選は農村社会では絶対的に近い発言力を持っていた面長と派出所の巡査が行った:

 ⑨ 娘たちは面長や巡査が言うことだから間違いないないだろうと働く覚悟を決めて応募した:

 ⑩ 官斡旋方式の実情はまさに「半ば勧誘し、半ば強制」になった:

 ⑪ 「関特演」の頃に朝鮮半島で約8000名の慰安婦を集めた。

 先ず、秦郁彦大先生が、①~④に関連して、島田俊彦(武蔵大学教授)の『関東軍』(中央公論社 1965年)と、千田夏光(ノンフィクション作家)の『従軍慰安婦 正編』(三一新書 1978年)を参照し、また⑪については『従軍慰安婦 正編』を参照しているようだが、それ以外に根拠がないとは限らないですよね。  (続く)

 
 

2007/07/20 07:55

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、千田夏光は、『従軍慰安婦 正編』の中で原善四郎(関東軍参謀)に面会し、「連行した慰安婦は八千人」との証言を引き出したとの記述がある。しかし、原の軍歴に間違いがあったため『正論』や、『諸君!』で面会した事実に相次いで疑問が投げかけられ、後に、原の軍歴については、原自身に確認しないまま他の書物を引き写したことを認めているが、原と千田が面会した事実は、千田も原も否定していないし、また、関東軍に所属した別の関係者から“実際に連行した慰安婦は3000人である”という手紙をもらったことを、千田夏光は述べているようですよね。

 因みに、千田夏光は2000年(平成12年)12月22日に死亡しており、原善四郎は1992年(平成4年)以前には死亡しているから、今となっては死人に口なしですよね。

その次に、前記の①に関連して:
 関特演は応召者の見送りさえ中止させたか否かは定かではないが、秘密に準備されたのは事実でしょうが、1941年(昭和16年)の夏頃に対ソ戦の発動に備えた「関特演」で関東軍は在満兵力を40万から70万に緊急動員したのは事実であり、日米交渉が行われている一方で対ソ戦の発動に備えたのに“陸軍が2ヶ月の作戦と考えていた”という加藤正夫の説には根拠がなく虚偽の可能性が大きいですね。

 また、当時の満州には朝鮮人売春業者が多数営業していたのは事実であろうが、一挙に30万人も増員に対応できるだけの余裕が有るわけはなく、機密保持の面からも完全に軍が監督管理できる慰安所を隠密裏に設置は急務であるから、必然的に関東軍の参謀長はその為の慰安所の設置を誰かに指示したと推定するのが自然であり、“大々的な慰安婦動員などするはずがない”という加藤正夫の推量は的外れの可能性が高いですね。
(続く)

 
 

2007/07/20 08:28

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 因みに、関東軍は、40万名に関特演で緊急動員した30万名を加えて70万名になったという説と、約28万名に関特演で緊急動員した約46万名を加えて74万名以上になったという説があるが、何れにしても太平洋戦争の中期までは、その大兵力を保っていたのだから、“大々的な慰安婦動員があって然るべき”と推量すべきでしょうね。

 1941年(昭和16年)6月22日に開戦した独ソ戦に対し関東軍首脳部は日独伊三国同盟に基づき対ソ戦を主張、ドイツ軍と協力して東西からソ連軍を挟撃しようとした。

 しかし、大本営や閣僚、東条英機陸軍大臣をはじめとする軍部はアメリカによる経済制裁によって生じた石油備蓄量低下を理由に南方資源の獲得、日ソ中立条約破棄によるソ連軍との全面戦争の勝機が薄い事を理由に南方進出を支持したが、だが近衛文麿首相はノモンハン事件で証明された関東軍の現有兵力(九五式軽戦車、軽装甲車等の車輌約90輌、航空機約50機、兵員約28万名)では戦力不足と判断、満州工業地帯の防衛が困難であることが明確であったため関東軍首脳部の主張を支持した。

 在朝日本軍や在台日本軍の動員令を発令、また14個歩兵師団と共に弾薬、戦闘車両約300輌、軍馬約400頭、戦闘資料等を本土から輸送、戦時定員を充実させることに成功した。その結果兵力は74万以上の大兵力となり、兵力は充実させたが、南方進出方針の決定により、対ソ戦は行わず、満蒙国境警備のみを行うに留まった。

その後、太平洋戦争の中期から島嶼防衛のために関東軍から兵力・資材の引き抜きを始め、末期には本土決戦のために更に兵力・資材を引き抜き、満州在留邦人でその穴を埋めていった(根こそぎ動員)、結果的に、関特演で集められた兵員・資材は本来とは異なる用法-陸軍の予備兵力としての役目を果たすことになった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%9D%B1%E8%BB%8D%E7%89%B9%E6%AE%8A%E6%BC%94%E7%BF%92
(続く)

 
 

2007/07/20 10:43

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 更に、「昭和史の謎を追う 下」によると“陸軍省は慰安婦の所管がはっきりせず、件案ごとに副官部、兵務課、兵備課、医務課など分掌していたようだが、1942年(昭和17年)に入って人事局恩賞課が担当することになり、業務規定に「後方施設」を追加した」とあるから、関特演の予算担当者であった陸軍省軍務局軍事課の加登川幸太郎少佐が慰安所の設営にどのように関与したのか知らないが、“慰安婦動員計画など聞いたこともない”と、加藤正夫に語っていても、当時関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在しなかったという証拠にはなりませんね。

 また、関東軍総司令部には、参謀部参謀長と参謀副長の下に、第1課(作戦担当)・第2課(情報担当)・第3課(後方担当)・第4課(政策担当)があり、それとは別に、補給監と補給監部参謀長(1942年;昭和17年10月20日に新設)の下にも参謀組織があったようですね。

 因みに、関特演の頃以降の後方主任参謀(1941年;昭和16年10月5日から第3課長)は、青木一枝(陸士33期:昭和15年8月1日~昭和16年9月11日)は、村中嘉二郎(陸士33期:昭和16年9月11日~昭和18年8月2日)、中島義雄(陸士36期:昭和18年8月2日~昭和19年2月7日)、谷岩蔵(陸士37期:昭和20年1月12日~終戦となっており、「関東軍参謀今岡豊中佐(兵站主任)」が関東軍の如何なる組織に所属して慰安所の設営にどのように関与したのか知らないが、“慰安婦動員計画など聞いたこともない”と、加藤正夫に語っていても、当時関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在しなかったという証拠にはなりませんね。 (続く)

 
 

2007/07/20 12:04

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 また、「関東軍総司令部 参謀部」に第1課~第4課が設置されたのは1941年(昭和16年)10月5日からだから、それ以前にはありもしない「関東軍司令部第1課」に原善四郎少佐が配属される訳はなく、1941年(昭和16年)10月6日に所属したという「参謀本部兵站総監部」というのは、1942年(昭和17年)10月20日に新設された「関東軍総司令部 補給監部」の前身でしょうかね、また、「関東軍総司令部 参謀部第4課長(政策主任参謀)」に原善四郎中佐(陸士40期)が在職した期間は、1944年(昭和19年)10月14日~1945年(昭和20年)8月7日で、後任は、宮本悦雄大佐(陸士38期:昭和20年8月7日~終戦)となっているから、加藤正夫が調べたという防衛研究所図書館の史料の信憑性に疑問がありますね。

 因みに、“原の軍歴に間違いがあったため『正論』や、『諸君!』で面会した事実に相次いで疑問が投げかけられ、後に、原の軍歴については、原自身に確認しないまま他の書物を引き写したことを認めているが、原と千田が面会した事実は、千田も原も否定していないし、また、関東軍に所属した別の関係者から実際に連行した慰安婦は3000人であるという手紙をもらった”ことを、千田夏光が述べているという情報があり、従って、西岡力の“引用部分で、原氏は千田氏に、1941年8月の「関特演」のときの自分の経歴を「関東軍司令部第3課所属の兵站担当参謀」と語ったことになっているが、それは事実と違っている。そのときは第1課所属だった。また、“原参謀が自分の軍歴を間違えて話すことは考えにくい。”という部分自体に事実誤認の可能性が高く、“加藤正夫の力作論文を「現代コリア」93年2・3月号にいただくことができた(加藤正夫「千田夏光著『従軍慰安婦』の重大な誤り」)”を基にしたという西岡力の力説は、「死人に口なし」を狙った「デマ・ガセ・アジ」の可能性が高く、信頼性に欠けますね。

 
 

2007/07/20 16:48

Commented by venom さん

To mochizukiさん

>当時関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在しなかったという証拠にはなりませんね。

その代わり、そのような計画があったとか、そのような計画が実行されたという証拠もありません。 疑えばきりがないのであって、賠償問題が惹起される可能性があるのであれば、裁判同様、厳密な証拠に基づいた判断を下すべきでしょう。 

つまり「疑わしきは罰せず」という原則を貫くのです。 さらに、賠償問題だけでなく、国家や国民の名誉を傷つける不用意な謝罪を軽々しくすべきでないのは当然で、これまた慎重に検証するのが先でしょう。

つまり結論として、日本軍がそのような悪事を働いたという証拠はないのだから、証拠不十分で無罪、ということになります。

 
 

2007/07/20 19:16

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に②“原善四郎参謀が慰安所設営の主務者になったか否か”は、関東軍における慰安所の設営は、1941年(昭和16年)夏の関特演のころには「後方参謀/兵站参謀」が担当していたことは間違いないと思われるが、その後10月6日に原善四郎少佐が確かに「参謀本部兵站総監部」に所属していたならば、当初から原善四郎参謀が主務者であった可能性は非常に高いですね。

 因みに、venomさん御紹介の“加藤氏は92年に二回にわたり千田に“慰安婦動員計画”について電話で問いただした。 すると千田は、「“慰安婦二万動員計画”には、私の書物(昭和48年刊)より先の昭和40年に武蔵大学教授島田俊彦氏の『関東軍』(中公新書)という本がある。 この本の176ページに、“慰安婦二万人動員計画”が書かれており、それが私の説の根拠だ」と語った。 つまり、千田は原参謀に直接インタビューしていないことを事実上認めたのだ。”というのが、加藤正夫の早とちりまたは意図的な「デマ・ガセ・アジ」だということは、その後発表された千田夏光の文書からで証明されますね。

 つまり、加藤氏が“慰安婦動員計画”について2回にわたり電話で千田に問いただしたという1992年よりも後に、「『従軍慰安婦』の真実」(『Ronza』1997年8月号)で千田夏光が発表した内容によると、“千田夏光著『従軍慰安婦 正編』(三一新書 1978年)より前に、集めた慰安婦要員数を約1万人としていた島田俊彦著『関東軍』(中央公論社 1965年)があり、それを根拠とし、事実確認のため大阪の堺市にお住まいだった原元参謀を千田が訪ねて、「1万人ではない、8千人」と教示されたのだから、捏造ではない”という主旨で、千田夏光は加藤正夫に説明したもので、“千田は原参謀に直接インタビューしていないことを全く認めていないのだ”推定するのが自然ですね。

 もし、前記私の推定が間違いであるというならば、千田夏光と加藤正夫の2度に亘る電話での会話内容の正確な記録を発表するべきで、それがない限り、加藤正夫が発表する情報の信頼度は最低水準で、取ると汚れる「マスゴミ」と評価するべきでしょうね。

 
 

2007/07/20 19:43

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、③“原参謀は約2万人の慰安婦が必要と算定した”という件について、40万名に関特演で緊急動員した30万名を加えて70万名または約28万名に関特演で緊急動員した約46万名を加えて74万名以上になる関東軍には「軍慰安所」がない状態で、慰安所設営の主務者になれば、原善四郎参謀でなくとも、そのように算定するのは当然で、もし、違うと反論するならば、それだけの将兵に対して何人の慰安婦ならば妥当なのかの数値とその根拠を明示しない限り「イチャモン」に過ぎないですね。

 千田夏光は「『従軍慰安婦』の真実」(『Ronza』1997年8月号)に、次のように書いているようですね。
―― 引用開始 ――
(著書の『従軍慰安婦』に対し)読者からの手紙はそれなりにいただいた。
戦地における実体験を綴られたものが大半だったけれど、私の書いたことの間違いを指摘したものが一通あった。
 陸軍省は1941年夏に「対ソ開戦」の決意のもと「関東軍特種大演習(関特演)」の名で”満州”に70余万の大軍を集結させたが、このとき関東軍司令部後方担当、原善四郎参謀は必要な慰安婦を2万人と算出し、急遽、軍司令部所在の新京(長春)から朝鮮の京城(ソウル)へ飛び、朝鮮半島を統治する朝鮮総督府を訪れ、その2万人急募を求めた。総督府はただちに急募作業をはじめたが、「8千人しか集め得なかった」とした部分についての指摘だった。
 このことは島田俊彦武蔵大教授(当時)が65年に出された『関東軍』(中公新書)で書かれていたことだが、同書では集めた慰安婦要員数を約1万人としていた。そこで確認のため大阪の堺市にお住まいだった原元参謀を訪ねたところ、「1万人ではない、8千人」と教示された。そこで「8千人」を採用したのだったが、それも違い、「じつは3千人しか集められなかった」というのである。
 手紙の主は関特演のときに関東軍司令部に勤務し、原参謀が京城に飛んだ際は実務補助者として同行、実務のいっさいに従事していた方だった。そのときの関係文書は関東軍司令部をはなれるとき同司令部のロッカーへ置いてきたともあったが、文章の精緻さからこの手紙の主のほうが正確だろうと思ったものだった。
―― 引用終了 ――

 
 

2007/07/21 05:51

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、④“原参謀が朝鮮総督府に慰安婦の募集を依頼した”という件に関して、1938年(昭和13年)当初から軍当局が朝鮮人女性を慰安婦の優良かつ便利な供給源と見なしていたようだから関東軍が大勢の慰安婦を必要とするとき隣の朝鮮半島に目をつけるのは当然だし、慰安婦を必要とする現地軍の後方参謀が内地で徴募を依頼するには内務省警保局を窓口にして話を通していたから、朝鮮半島では朝鮮総督府政務総監の警務局辺りに話を通すのは当然のことで、実際に主務者の原善四郎参謀と原参謀が京城に飛んだ際は実務補助者の証言があるのだから、確たる証拠もなくそれを否定する上杉千年(歴史教科書研究家)・加藤正夫(現代史研究家)の論文や西岡力氏(現代コリア編集長)は、朝鮮総督府が慰安婦の徴募に関係したことを知られたくない理由があるのでしょうかね。

 venomさんは、“当時関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在しなかったという証拠にはなりませんね。… 。つまり「疑わしきは罰せず」という原則を貫くのです。”というが、関東軍は慰安婦調弁計画に基づいて朝鮮総督婦に徴募を依頼することが、犯罪に相当し、謝罪・賠償の対象になるとのお考えでしょうかねね?

 因みに、venomさんがご紹介の“なお秦郁彦は前掲著書『慰安婦と戦場の性』(新潮社 1999年)の中で、原参謀の助手役であったという村上貞夫曹長の1975年手記や元憲兵らの証言をもとに、関特演を機に満州でも軍専用の慰安所が開設されたが、朝鮮から楼主に連れられて朝鮮人慰安婦がやってきたのであって、権力による強制連行ではない、と見ている”という情報を注意深く分析してみると、秦郁彦大先生は、「昭和史の謎を追う 下」(文藝春秋 2000年2月5日第3刷)の原作記事「正論」(1992年6月号)の執筆にあたり、島田俊彦著の『関東軍』(中央公論社 1965年)と、千田夏光著『従軍慰安婦 正編』(三一新書 1978年)の裏付を取るために、当時はなくなっていた原善四郎の周辺調査していたのは間違いないと思われるので、「昭和史の謎を追う 下」で紹介してある『関東軍』と『従軍慰安婦 正編』の部分の信頼性はかなり高いと思われますね。 (続く)

 
 

2007/07/21 15:15

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、⑤“官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入された”、⑥“官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入されたのは「関特演」の頃からだった”、⑦“その募集方式は朝鮮総督府から道知事→郡守→面長(村長)の経路で人数を割り当てた”、⑧“実際の人選は農村社会では絶対的に近い発言力を持っていた面長と派出所の巡査が行った”、⑨“娘たちは面長や巡査が言うことだから間違いないないだろうと働く覚悟を決めて応募した”ということは、秦郁彦大先生が「昭和史の謎を追う 下」(文藝春秋 2000年2月5日第3刷)に記載してある事実であるが、私が調べた範囲では、島田俊彦著『関東軍』(中央公論社 1965年)と、千田夏光著『従軍慰安婦 正編』(三一新書 1978年)には、そのような記述は、ないようですね(その2冊の本を私は直接には読んでいませんが…)。

 尤も、「軍慰安婦従業婦等募集に関する件」(1938・3・4、陸支密題745号)の主旨に則り「軍の威信保持上ならびに社会問題上遺漏なき様」朝鮮総督府と連携するのは、朝鮮半島で慰安婦の徴募をする上では関東軍に限らず当然であり、朝鮮総督府が道知事に人数を割り当てるのは、内地で内務省警保局が都道府県知事に人数を割り当てるのと同じ構図だし、応募した女性が慰安婦になるには警察に出頭して巡査に申告して登録許可を受けるのは「娼妓芸妓取締規則」に規定してあるから、「官斡旋の募集方式」は規定の路線を強化したに過ぎないだけかも知れないが、秦郁彦大先生は独自の資料調査などでその事実を裏付けたのでしょうね、きっと。

 
 

2007/07/21 22:01

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、⑩“官斡旋方式の実情はまさに「半ば勧誘し、半ば強制」になった”という件について、秦郁彦大先生が「昭和史の謎を追う 下」(文藝春秋 1999年12月10日)で述べた言葉は、金一勉「天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦」(徳間書店 1992年)の内容のその部分に、他の資料などを調べた秦郁彦大先生も同意したということでしょうね。

 「昭和史の謎を追う 下」のなかに、“18歳で面長に勧められ、1945年(昭和20年)にビルまで慰安婦に(イ・ナムニム)”と “面長に工場行きと聞き17歳で満洲ついで沖縄で慰安婦に(黄錦周 1992年現在69歳ということは、1941年頃)”という事例が記されているから、⑤“官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入された”というのは事実のようだが、朝鮮半島で1941年(16年)夏以降に徴募された慰安婦のすべてが「官斡旋方式」というわけではなく、慰安婦たちが応募した形態と事情は各人各様で、詳細な詰めは本人の証言を聞くしかないでしょうね。

 尤も、「半ば勧誘し、半ば強制」といっても、それが一概に、違法行為・不当行為に相当するとは云い切れないが、慰安所での生活と労働条件に本人の同意・解諾、即ち、「告知に基づく同意;インフォームド‐コンセント(informed consent)」の「有/無」および、「有」の場合でもその内容と実際の境遇との相違の程度が、「略取/誘拐(詐欺)/人身売買」に相当すると判断されるか否かであり、慰安婦たちがどのような説明を受け本人がどのように理解・納得したかは各人各様で、詳細な詰めは当事者の証言を聞くしかないでしょうね。

 何れの徴募方法に依ろうとも、大幅に兵力を大幅に増強した「関特演」当時の関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在したというのは紛れもない事実でしょうね。

 
 

2007/07/21 23:07

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/18 13:31(3件)関連(続き)
 その次に、⑪“「関特演」の頃に朝鮮半島で約8000名の慰安婦を集めた。”という件は、秦郁彦大先生が「昭和史の謎を追う 下」の原作記事が「正論」(1992年6月号)に掲載された時点では、千田夏光の“実際3000名という説の方が正確だろうと思った”という記事が掲載された「『従軍慰安婦』の真実」(『Ronza』1997年8月号)は発売されていないから、千田夏光著『従軍慰安婦 正編』(三一新書 1978年)が根拠になのは間違いないようだが、「昭和史の謎を追う 下」(文藝春秋 1999年12月10日)を発表する段階でも8000名説を信じていたのは、秦郁彦大先生には別に何らかの根拠があったのでしょうね、たぶん。

 
 

2007/07/21 23:16

Commented by mochizuki さん

To venomさん
2007/07/20 16:48関連
> その代わり、そのような計画があったとか、そのような計画が実行されたという証拠もありません。 疑えばきりがないのであって、賠償問題が惹起される可能性があるのであれば、裁判同様、厳密な証拠に基づいた判断を下すべきでしょう。

 然し、“原善四郎関東軍参謀が、朝鮮総督府に慰安婦の徴募を依頼した”という千田夏光説、および、“官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入された”という秦郁彦説は、両方とも信頼すべき裏付があり、他方、“当時関東軍に「慰安婦調弁計画」が存在しなかった”と主張する上杉千年(歴史教科書研究家)・加藤正夫(現代史研究家)・西岡力氏(現代コリア編集長)の説は全く不自然であり、その不自然な説を根拠とする“原善四郎と面談したというのは千田夏光の虚言説”、“原善四郎が朝鮮総督府に慰安婦の徴募を依頼したのは虚偽説”、“官斡旋の慰安婦募集方式が朝鮮半島に導入されたというのは秦郁彦の真赤な嘘説”は、唱えれば唱えるほど疑惑を増す「蛇足」であることが明確になりましはね。

 因みに、事実認定・証拠評価について裁判官の自由な判断に委ねることをいう訴訟法上の概念を「自由心証主義」ということを、venomさんはご存知ですか?

 恣意的な判断を防止するため、判断基準を法で定めることをいう「法定証拠主義」と「自由心証主義」とは対概念をなし、歴史的には、かつての「法定証拠主義」から、「自由心証主義」への変遷がみられ、民事訴訟法第247条“裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を採用すべきか否かを判断する。”および、刑事訴訟法第318条 証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。“と、明文化されていますよね。

 つまり、「法定証拠主義」を拠所として、“膨大な見識と広大な常識および貧弱な思考能力による「蛇足」の乱発”をするvenomさんのような卑怯な態度は、甚大に不利な因縁をなすに過ぎないですね。
(続く)

 
 

2007/07/21 23:25

Commented by mochizuki さん

venomさん
2007/07/20 16:48関連
> つまり「疑わしきは罰せず」という原則を貫くのです。 さらに、賠償問題だけでなく、国家や国民の名誉を傷つける不用意な謝罪を軽々しくすべきでないのは当然で、これまた慎重に検証するのが先でしょう。

 あの~、「疑わしきは罰せず」は、“in dubio pro reo”というラテン語の直訳から、「疑わしきは被告人の利益に」ともいう刑事裁判における原則で、検察側が挙証責任を負う刑事裁判において、ある事実の存否が判然としない場合には“被告人に対して有利に=検察側にとっては不利に、事実認定”をするという、裁判官の視点に立った面を表し、当事者側から表現すれば「推定無罪」となり、ふたつの言葉は表裏一体をなしているようですね。

 因みに、刑事訴訟法336条では“被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない”と定めているが、民事訴訟法にはそのような規定はなく、「疑わしきは条理を尽くした論弁以て事実関係を明確にした上で責任の軽重を判定する」ということになるのでしょうね。

 賠償問題だけでなく、国家や国民の名誉に係わる問題だから、“膨大な見識と広大な常識および貧弱な思考能力による「蛇足」の乱発は、甚大な不利になる因縁に如かず”だと、私は主張しているのです。

> つまり結論として、日本軍がそのような悪事を働いたという証拠はないのだから、証拠不十分で無罪、ということになります。

 日本軍がそのような悪事を働いたという嫌疑・容疑は十分にあり、刑事訴訟ではないのがからはないのだから、誠意を持った論弁で正義をおこなわない限り、嫌疑・容疑を晴れず、“膨大な見識と広大な常識および貧弱な思考能力による「蛇足」を乱発して、相手(中韓朝など)との論争に敗れ、国家や国民の名誉を失墜させる果報をもたらす日本人”は「反日分子」ということになりますね。

 
 

2007/08/09 13:58

Commented by kokuyu さん

初めまして古森様 皆様

「日本も核武装で防衛すべき」という論は戦前戦後を通じての世界外交の現実を正確に認識出来る者であれば常識であろうと思います。

ただ、「悲願!日の丸ジェット機」の記事を読んだときにも思ったのですが、日本のようにスパイ防止法が無く、その意識さえも極々一部の政治家や知識人にしか無くなってしまった(学会や官僚に至ってはゼロ!に近いでしょう、、)国に、中朝の百倍であろうが千倍であろうが先端技術核を持ったところで即刻彼の国の技術となってしまうでしょう。

鶏が先か卵が先かの論になるやもしれませんが『スパイ防止法制定』これこそが真の日本の独立の基本だし、幼稚園児並国家から大人の国家、いや、大学生並の国家にになるためにも必要な第一歩ではないかと思います。

それにしても、なのですが、田中角栄が日本を牛耳るまでは、「スパイ防止法制定」は自民党の悲願だったはずですがねえ。。

今やスパイ防止法を作れば、政治家は当然!官僚、マスコミ、学会、どころか財界まで半数は塀の中に入れられるのではないか!と私は思っているのですが、、。

何せ、「若い頃は自分の会社の最先端の技術を高額のアルバイト費用を貰って土日にお隣の国策会社に通い続けた輩が大企業の社長に納まってふんぞり返っている国」と、漏れ聞く有様ですからねえ。

 
 

2007/08/09 14:34

Commented by kokuyu さん

申し訳有りません管理者様 

日付とページを間違え投稿しました。
この投稿も含め上記の私の投稿の削除をお願いします。

 
 
トラックバック(4)

2007/07/17 19:29

世界家族政策フォーラムが、発展と開発のために家族を大切にするよう国連に要求 [草莽崛起 ーPRIDE OF JA…]

 

今回の国連通信は、とても興味深く大事な内容です。 世界家族政策フォーラムというものが、毎年開催されているということを、私は初めて知りました。 ここでは、貴重な内容が報告されたり論議されているようで…

 

2007/07/17 14:13

アメリカの迷走が急がせる日本の敵基地攻撃力整備 [島田洋一 blog (Yoichi Shimada)]

 

&nbsp;西村幸祐・編『ぼくらの核武装論』(オークラ出版、2007年4月)が順調に売れているようだ。私も「日本の核武装と北東アジアの安全」と題して一文を寄せた。 明日(18日)から、また六者協議・主席代表会合が始…

 

2007/07/17 07:47

憲法改正の内容を議論してこそ国政選挙 [草莽崛起 ーPRIDE OF JA…]

 

 昨日7月16日の産経紙社説は、参院選についての連載で憲法問題を取り挙げていたが、年金紛失問題、事務費問題など選挙戦の焦点がマスコミや野党によって一方的に偏り、ために安倍政権に対する批判オンリーとなって…

 

2007/07/16 19:22

安倍晋三か?小沢一郎か?−これが参議院選挙の焦点だ? [草莽崛起 ーPRIDE OF JA…]

 

安倍晋三か?小沢一郎か?−これが参議院選挙の焦点だ? 安倍政権発足以来の評価、野党との政策の違いなどを日本政策研究センターの伊藤哲夫所長に聞く企画の最終回。今回は、安倍首相の指導力や、北朝鮮への圧力…