日本が軍事衛星網を大幅強化
あす「光学4号機」打ち上げ
領土めぐり中国を視野に
領土をめぐり中国と紛争を抱えている日本は、軍事衛星を利用した情報収集システムを大幅に強化する。日本政府は23日「情報収集衛星」と称する実質的な軍事偵察衛星「光学4号機」を打ち上げる予定だ。さらに、年内にレーダー3号機、来年レーダー4号機、2014年に光学5号機を発射する。
光学4号機は地上にある60センチ大の物体まで識別できる性能「分解能」を持つ。光学5号機は米国の軍事衛星並みの40センチ以下まで分解能を高めるというのが日本政府の方針だ。日本政府はまた、軍事用にも転用可能な衛星利用測位システム(GPS)衛星を2016年までに6‐7機保有する構想を持っている。日本が独自の軍事衛星網を構築するのは、中国を意識しているためとの見方がある。
■当初は北朝鮮監視が目的
日本が軍事用衛星を打ち上げたのは、北朝鮮のミサイル「テポドン」発射に対応するためだった。北朝鮮が1998年8月にテポドンを発射すると、日本はそれを待っていたかのように同年12月に軍事衛星打ち上げを正式決定、2003年に2機の衛星打ち上げに成功した。
日本の軍事用衛星システムは昼間の監視用である光学衛星と、夜間監視用のレーダー衛星を各2機ずつ保有、24時間監視システムを備え、現在までに光学衛星3機とレーダー衛星2機の打ち上げに成功している。日本政府は、衛星の追加打ち上げを急ぐ理由について「既存の衛星の性能が低下し老朽化するため」と説明している。しかし、北朝鮮関連情報を米国と共有している日本が、天文学的な額の投資の必要な独自軍事衛星網構築に熱を上げるのは「領土をめぐり争っている中国を視野に入れているからでは」という見方もある。日本はこれまで、軍事衛星網構築だけで8000億円を投資してきたといわれている。
■宇宙開発戦略本部を本格化
日本政府は2016年までに6‐7機のGPS衛星も打ち上げる計画だ。現在は米国のGPS衛星を利用しているが、独自のGPSシステムを構築し誤差を最小限にしようというものだ。日本は昨年9月にGPS衛星「みちびき1号」を打ち上げ、軌道に乗せている。
一部には「財政が厳しいため衛星関連投資を減らすべき」と批判する声もあるが、日本政府は「災害防止などに不可欠」として衛星の打ち上げを急いでいる。08年に設置された宇宙開発戦略本部も、宇宙開発や宇宙防衛に関心が高い野田佳彦首相の就任を機に本格的に運営される見通しだ。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員