2011年9月20日火曜日

アメリカの小学校、驚きのプレゼンテーション指導


子供のアメリカ現地校2年生がはじまり、クラス担任より、毎週ひとつのテーマに沿ってプレゼンテーション(発表)の授業があると連絡が来ました。

テーマは、最近の時事問題、好きな詩、など様々ですが、年間を通して、毎週課題テーマに沿って、一人あたり2~3分の持ち時間でクラス全員の前でプレゼンテーションをします。

その評価基準が上の写真、見て驚きました。

点数は1~4点評価です。

1点:
* 準備ができていない

2点:
* 全てメモを見ながらの発表
* 聴いている人へのアイコンタクトなし
* 声が小さい
* 先生の手助けが必要
* 序論と結論がない

3点:
* 大きな声で発表ができた
* 聴いてる人へのアイコンタクトができた
* メモを見るのは時々
* 序論と結論がわかりやすく伝えられた

4点:
* 3点のチェック項目全部できた
* トピックについてしっかりした説明ができ、質問にも的確に答えられた
* 発表の方法に工夫が見られた(ビジュアルなど)
* 発表内容を暗記していた

要するに、3点以上取れてやっと合格、ということです。

小学2年生、アメリカは学校が早く始まるので、実質、日本の小学1年生へ要求される内容としては、驚愕!ではないでしょうか。 ご参考までに、日本の小学校1年生への発表指導はこちら。えらい違いです。




日本で普通に育っていれば、学校はもちろんのこと、社会人になっても、しっかりしたプレゼンテーション技術の指導を受けることはありません。 プレゼン上手なアメリカ人が多いのもうなづけます。

もちろん、いきなり7歳児がこれだけの発表ができるわけではなく、その前段階として、アメリカ(英語圏)の幼稚園~1年生までのクラスでは、ウォームアップが行われます。

3歳くらいから、”Show & Tell" または "Sharing" と呼ばれる時間に、自分のお気に入りのおもちゃ、本などを発表する時間が週一度くらいあり、3年くらいかけて、大勢の人の前で発表すること自体に慣らせます。そして、(子供の学校の場合)2年生から本格的な発表練習となります。

発表のやり方については、学校である程度の指導はあるものの、
1) その週のテーマに沿った発表のトピックを探し
2) 発表の構成を考え
3) 練習をする
のは家庭で親が指導する必要があります。 「親力」が試され、家庭の指導力によって相当の差がつきそうな予感がします。私もプレゼンテーションが得意、というわけではないのですが、自分の勉強だと思って取り組まなければ。

時々日本のテレビ番組で、小学校高学年くらいの子供が授業で発表する姿をみますが、プレゼンテーションの構成自体はしっかりしているものの、原稿の棒読みなのがずっと気にかかっていました。 あの方式では、さっきのアメリカ式だと4点満点2点しか取れません。 日本の一般的な社会人でも、3点以上を取るのは難しいのでは。 

アイコンタクトをよしとしない文化的な違いもあるとは思いますが、将来を担う子供たちやビジネスパーソンは、しっかりグローバルに通用するプレゼンテーション技術を身に付けた方が有利なことは間違いないでしょう。

私の経験では、日本の社会人経験まで、プレゼンテーション技術を全く身に付ける機会がなかったため、ビジネススクールや、その後の海外ビジネスの現場で相当苦労しました。今でも苦労の連続です。 子供の頃から練習をつめる我が子の環境が、うらやましいです。

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コンサルタントの視点で海外から日本を見てみよう

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