県議会は20日開会し、無免許運転で懲役8月、執行猶予3年の有罪判決を受けた正木篤議員への辞職勧告決議案が、全会一致で可決された。正木議員に対しては、6月議会でも辞職勧告が決議されており、1人の県議に2度の辞職勧告は県議会史上初めてで、全国的にも極めて異例。正木議員は病気治療を理由に本会議を欠席した。
決議案は、湯崎英彦知事による議案の提案説明の後、議長と副議長、正木議員本人を除く63議員全員により発議された。議案の趣旨説明に立った松岡宏道議員(自民会議)は「議員として県民のために働きたいという信念が本当なら、自ら辞職して住民の真意を問い直すのが、政治を志す者の本来の姿だ」と厳しく批判した。
本会議終了後、林正夫議長が記者会見を開き、正木議員の欠席理由とそのいきさつを説明。午前8時前に議会事務局に電話があり、「昨日、目がかゆくなり、今朝起きたら左目がほとんど見えないので、診察に行く」と説明。広島市内の個人病院で網膜剥離の診断を受け、同市内の総合病院を受診することになったという。林議長が電話で「きょうは議会初日でもあり、大事な日ですよ」と伝えると、正木議員は「承知しております」と答えたという。林議長は「病気だから致し方ないが……」と言葉を切り、「しょうがない」と無力感をにじませた。
正木議員は15日の広島地裁判決後、公の場でのコメントは発していない。【矢追健介】
毎日新聞 2011年9月21日 地方版