「ネモトくんのおかげでルーターを買ってくることができたわ。ありがとう」
いえいえ、どういたしまして。よかったですね、Wi-Fi(ワイファイ)ルーター買えて。
「やだなー、わたしルーター買うのに大騒ぎしてないわよー」
結構騒いで電話してきた記憶があるけど、でも大騒ぎ? なんのことですか?
「ワイワイなんかしてないもん」
Wi-Fiです、わ・い・ふぁ・い。最新のWi-Fiルーターを買ってきたでしょ。
「え。無線LANルーターを買ってきたつもりなんだけど、ひょっとして、なんかやらかしちゃった?」
心配しなくても大丈夫ですよ。Wi-Fiルーターと無線LANルーターって同じものですから。あ、厳密にいうと、同じじゃないのかな。
「よけい不安になるんだけど」
えーとですね、店頭に無線LANの親機や子機がたくさんあったと思うんですが。
「そうそう。それで迷ったのよ」
話を簡単にするために、A社、B社、C社の3社が無線LANルーターを作っているとしましょう。例えば、カンノさんのおうちではA社の無線LANルーターを使ってる。ノートパソコンにはB社の無線LANチップが内蔵されている。会社はC社の無線LANルーターを使っている。さて、カンノさんのノートは、家でも会社でもつながるでしょうか?
「もちろんつながってるわ」
どうして、つながるんだと思います?
「A社の冷蔵庫から出したご飯をB社のレンジでチンしてC社のポットで沸かしたお湯を使ってお茶漬けにするのは、家電なら普通よ?」
無線LANは家電じゃありません! それにどうせ例えるならテレビとBlu-rayレコーダーを例に出すべきじゃ……
「そこ、うちは同じメーカーだもん」
いまのは忘れてください。メーカーが違うと接続できないなんていうことになると、無線LANの存在自体が信頼を失ってしまうので、“Wi-Fi Alliance”という業界団体を作って、実際につながるかどうかをテストしているんです。テストに合格した製品にはロゴマークがつく。
「わかった! Wi-Fiのロゴがついてる製品同士なら間違いなくつながるよーっていうお墨つきなのね」
その通り! で、いま売っているたいていの無線LAN機器にはWi-Fiのロゴがついているので、無線LANルーター=Wi-Fiルーターって言っても、ほぼ間違いないってことなんです。
「あれ?」
なにか変ですか?
「ひとつ、質問していい?」
なんでもどうぞ。