米大統領:パレスチナの国連加盟に反対

2011年9月21日 23時36分 更新:9月22日 0時59分

 【ニューヨーク山科武司】米国のオバマ大統領は21日午前(日本時間同日夜)、当地で始まった第66回国連総会の一般討論で演説。パレスチナ自治政府が国家として国連に加盟申請すれば、中東和平は後退するとの認識を示し、イスラエルとの早期の直接交渉再開を強く求めた。また、市民らに激しい弾圧を続けているシリアなどの強権国家も非難した。

 演説でオバマ氏は「1年前、私はパレスチナ人民は自身の国を持つべきだと語った。今もそう信じている」と語る一方、「国連決議や声明は問題解決にならない」とも指摘。「和平が進展しないことにみながいらだっている。国連文書で解決するのなら、既に問題は終わっているはず。共存しなければならないのは、我々ではなく、パレスチナとイスラエル。解決に近道はない」と述べ、双方に和平交渉への早期復帰を求めつつ、パレスチナ側に国連への加盟申請を見送るよう促した。

 オバマ氏はまた、チュニジアの政変を契機にした中東の民主化運動「アラブの春」やリビアのカダフィ政権崩壊を挙げて、「ある民族や宗教は、民主主義を望まない、といううそが突き崩された」とたたえた。その上で市民を武力で弾圧し続けるシリアやイエメンなどを名指しし、早期の権限委譲を求めた。

 今年末にイラクから米軍が全面撤退することにも触れ「我々は正常な関係に戻った」と指摘。今年7月に駐留米軍の撤収が始まったアフガニスタンでも「人々と粘り強い関係を築きつつある」との持論を展開した。

 一方、各国首脳に先だって演説した潘基文(バン・キムン)事務総長は、東京電力福島第1原発事故に触れ、「原発事故は国境を越えて広がる。全地球的な対応が求められている」と訴えた。

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

 

おすすめ情報

特集企画

東海大学を知る「東海イズム」とは?

東海大学の最先端研究や学内の取り組みを紹介