県は20日、赤城大沼(前橋市)で採取した天然イワナを検査した結果、暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る同563ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。赤城大沼ではワカサギとウグイから暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されていたが、イワナからの検出は初めて。
県によると、ワカサギ釣りを観光産業としている赤城大沼では、ワカサギを捕食するイワナは駆除対象。個体数は少なく、商業用としても流通していないという。
赤城大沼では8月29日から食用魚の漁の自粛を行っており、9月1日に予定していたワカサギ漁の解禁も延期されている。
また県によると、イワナはワカサギを補食してセシウムが生物濃縮したとみられ、赤城大沼から採水している養殖場や釣り堀は「人工の配合飼料で育てているため問題ない」という。【喜屋武真之介】
毎日新聞 2011年9月21日 地方版