IBR(英)のテストで使用され、高い「ゴミ集じん率(%)」が認められた 「DC22 ddm motorhead」
独立第三機関-IBR(英)により実施されたサイクロン掃除機の性能テストの結果をチェックしよう。この実験により、「DC22 ddm motorhead」の群を抜く「ゴミ集じん率(%)」が証明された。その「ゴミ集じん率(%)」の数値が示すものとは?
サイクロン式掃除機の元祖といえば、「ダイソン」である。“吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機”というキャッチコピーとともに、紙パック式では考えられなかったその言葉通りの性能がクチコミでも広まり、4年前に発売された「DC12」 が大ヒット商品となったのは記憶に新しいところだろう。日本のメーカーもサイクロン式掃除機を続々と発売し、各社ともに独自の技術や工夫を盛り込んで製品の性能をアピールしている。そのアピールポイントの中で、ここ数年目立つのが「吸込仕事率(W)」の過剰なスペック競争だ。
掃除機のパンフレットや広告などで、「最大吸込仕事率 600W!!」などといううたい文句を目にしたことがあるだろう。そして、この数値が高ければ高いほど、“すごいパワーで力強くゴミを吸い取ることができる”と認識している人が多いのではないだろうか? この「吸込仕事率(W)」というのは、JIS規格で定められている吸引力を現す目安なのだが、じつはこの数値の高さが、掃除機本来の性能「どれだけゴミを吸い取るか」ということを示すものではないということが、ダイソンより依頼した第三者機関(IBR/英)の「ゴミ集じん率(%)」測定テスト結果により説明されているのである。
IBRのテスト結果を確認する前に、ぜひ、「吸込仕事率(W)」と「ゴミ集じん率(%)」の測定方法/評価方法の違いを知っておいていただきたい。日本で一般的に浸透している「吸込仕事率(W)」の数値が、実際の掃除機の性能を現す数値ではないということがご理解いただけるはずだ。
- 測定方法:パイプの先端で「真空度」と「風量」を測定し、パイプの先端及び掃除機内部の空気の動きを測定
- 掃除機の状態/状況:実際のゴミは吸い上げない/ヘッドは装着しない/フィルターや紙パックは新品を使用
- 測定方法:規定の床面、およびゴミ・サンプルを使用し、クリーナーヘッドを装着し吸引
- 評価方法:実際に吸い上げたゴミ・サンプルを回収し、重量を測定し評価。
(例えば35gのゴミ・サンプルを撒いて、30g取れた場合、「ゴミ集塵率」は85.7%となる) - ※ゴミ・サンプルは、IEC (国際電気標準会議)により定められた基準ゴミ
「ゴミ集じん率」の測定は、「実際の使用環境に近い状態でどれだけゴミを吸い取ることができるか」ということを評価するもので、掃除機本来の性能を現しているといってよいだろう。
下のグラフが、2008年3月に行われた第三者機関(IBR/英)の「ゴミ集じん率(%)」測定テストの結果である。テストは、ダイソンと日本メーカー4社のサイクロン式掃除機を用いて行われ、フローリングの溝で擬似ゴミを吸引し、IEC(国際電気標準会議)に準拠したゴミ集じん率・性能の調査法で測定したものである(JIS規格上の「塵埃除去能力」に相当)。
- ■独立第三者機関IBR(英)調べ、2008年3月実施。
- ■各掃除機が擬似ゴミをフローリングの溝から吸引した良を計測(IEC 60312の2.9及び2.2に基づくテスト)。
- ■このテストは、カーペットなどの床でも実施されましたが、ダイソンについては同様の順位が得られました。
- ■2008年2月時点での最新・最上位(最高価格)サイクロン機種でのテスト結果
- ■グラフ左のみ: 国際規格IEC60312に基づき、以下の状態で測定したテスト結果をグラフ化しています。
- (1)ダストカップが空の状態
- (2)IEC60312:2.9.2.3の状態(風量が60%減、またはゴミ捨てライン到達のいずれか先に達した時点で確認)。
- (3) (1)と(2)の中間点
グラフを見れば一目瞭然だが、この「ゴミ集じん率(%)」測定テストにおいて、ダイソンの「DC22 ddm motorhead」は、他の4社のサイクロン式掃除機を大きく引き離す約99%のゴミ集じん率を記録したという。 ちなみに、右の写真が、回収したゴミ・サンプルの量を比較したイメージだが、その差の大きさには驚かされる。 なお、テストに使用した他社製品は、テスト時においての最上位機種を使用したということで、いずれのモデルも、「吸込仕事率(W)」は、ダイソンの「DC22 ddm motorhead」より高いという。
この第三者機関(IBR/英)のテスト結果をうけて疑問を感じるのは、「サイクロン式掃除機でありながら、ゴミ集じん率」にこのような大きなの差が生じるのはなぜだろうか」ということだ。 「DC22 ddm motorhead」の「ゴミ集じん率(%)」が他のモデルに比べ抜きん出て高い数値を出している理由はどこにあるのだろうか。 その疑問を解消すべく、価格.comでは直接ダイソンの担当者の方に話を伺ってみた。
「今回のテスト結果は、ダイソンの総合的な構造、特にヘッドやサイクロンのデザインなどが他メーカーと根本的に異なっているのが現れたものだと思います。
テストで採用された「DC22 ddm motorhead」は、床とヘッドとの隙間を最適な状態にし、高い集塵を実現しています。また、最大15万Gという遠心力でゴミを分離する「ルートサイクロンテクノロジー」に加え、さらに微細なホコリを遠心分離する「コアセパレーター」という新技術を搭載しています。これらの働きによって吸い込んだ微細なゴミの99%を遠心分離できているため、フィルターに到達するのは残りの1%。集じんにおいては基本的にフィルターを使用していないという状態なのです。そのため、「DC22 ddm motorhead」では掃除機の吸引力低下の原因となるフィルターの目詰まりが起こらず、高い吸引力が続き、高いレベルでゴミを集じんし続けることができる。「ゴミ集じん率」における他メーカー製品との数値の差はそこにあるといえるのではないでしょうか。
商品開発にあたり、自社製品だけでなく多くの他社製品も検証しますが、サイクロン式とうたっている日本製の製品のほとんどが、十分でない遠心分離の末に残った微細なゴミの集塵を各種フィルターに頼っています。そのため、フィルターの目詰まりによる吸引力の低下が起こり、ゴミを吸う性能が衰えてしまうという根本的な問題があるのです。
DC22 ddm motorheadは、強力な遠心力で微細なホコリの粒子もしっかり分離できているので、ダニを含むハウスダストなどアレルギーの元となるアレルゲンもしっかり除去しています。また、排気もきれい。ダイソンの掃除機というと、吸引力やその持続力がクローズアップされがちですが、本来、掃除機が持つべき「ホコリを吸う」という能力を最大限に実現しているのです」
同じ「サイクロン式」をうたってはいるものの、ダイソンのそれと日本メーカーのそれでは、そもそもの構造が異なっており、テスト結果に見る大きな性能の差はそこから生じていることがわかった。
そこで、PART2では、ダイソンの掃除機の「吸引力が衰えない」理由である「サイクロンテクノロジー」を徹底解剖。「本当のサイクロン式」掃除機がもつその機能と性能をチェックしていく。