百合姫11月号

百合度★★★★★(5.5)

今月の百合姫は発売中!……なんだけどアニメ化やなもり先生のイラスト入り色紙100名様プレゼントなどの影響でamazon等では注文を入れることも出来ない状態ですね。
ちなみに通販サイトは概ね注文を受け付けていないですが、Fujisanだと受け付けています。
今は1冊から注文出来るようで、キャンペーン中につき送料もなんと無料だそうです。
手に入らないという方は利用してみてはいかがでしょうか。
ちなみに私もここで年間購読の予約したのが届いてるんです。発売日前に届けてくれるのもありがたいんで使ってるんですよね。

■追記:と思ったら今はFujisanの方は品切れになって代わりにamazonの在庫の方が復活したようですね。
じゃあこちらでどうぞ〜…って動きが激しいな(^^;

今回の百合姫はめちゃくちゃ良かったです!
特にどこかから新しい作家さんを引っ張ってきたわけでもないのに、今まで登場していた作家さんがいつもどおりに作品を寄稿しているのに、いつも以上に内容が充実していたのは、個々の作家さんの力がついてきたせいでしょうね。
編集はいなくとも作家は育つ…?(笑)
編集が「ゆるゆり」関連の特集にばかり力を入れているのは相変わらずで、特に作家さんに細かい指導などをしている様子は見られないんですが、これが返って良かったかも。編集は余計な口出しをしないのが一番なのかもしれませんね。

冒頭は「ゆるゆり」特集。なもり先生によるカラーイラストもありますし、「ゆるゆり」グッズの誌上通販の案内も。

なもり先生描き下ろしの「ミラクるん」同人誌「ボボボらい★くるミラクるん」、アッカリーンストラップなど物欲をそそられるアイテムがいろいろあるんですが、郵便局で用意されてる用紙ではなくこの本に挟んである用紙でないと不可にするあたり、囲い込みもここまでするかという感じが(笑)。

またなもり先生直筆サイン色紙100名プレゼントも。これは抽選ですが切手も貼ってあるアンケート封筒出すだけで良いので良いですね…というか今月号がamazon等で発売前のめっちゃ早いうちから品切れになってしまったのはこれのせいという噂。

なもり先生描き下ろしの「ゆるゆり」番外編小冊子、着せ替えカバーセットなどが当たる全サの最後の応募券&応募台紙もついてます。

巻末には櫻子&向日葵の婚姻届がついてきます。これは本編とも連動している企画なんですが悪くないですね。ただその企画と引き換えに自分のフォロワーを増やす編集長の行動はどうかと思わなくもないですが(笑)。

・COVER STORY「GIRLS UPRISING」(文=深見真 絵=カズアキ)
えええ!こんなところで終わりとは…。雹子×千里の双子姉妹に紗香も加えた三角関係も気になっていたんですが…。
しかしカバー小説は1年ということは最初から決まっていましたし(百合姫VOL.21参照)、深見真先生もこういう終わり方にしようと決めていたんでしょうね。その後の展開をいろいろ想像してしまう終わり方だったと思います。
「なんだか名前を呼ばれたような気がしたけど…」
 たぶん、気のせいだろう。
最後の文章、素っ気無いようなとぼけているような文章なんですが、妙に印象に残る終わり方で、格好良くて好きですね。
カバー小説としてはこれで終わりのようですが、後で文庫発売で続きが描かれるというのも良いですね。
カバー小説は紙もカラーで豪華なんだけど、光が映りこんでしまうし後ろのスタイリッシュな記号やら単語やらも読む際は邪魔で、肝心の本文が読みづらいということもありましたからね。地味でもいいからやっぱり小説は白黒印刷の普通の紙で読むのが一番良いということにも気付きました(笑)。

・「ゆるゆり」(なもり)
前回は掲載されてなくてびっくりしたんですが、7巻を「オール描き下ろし」というキャッチフレーズで売り出したいためだけだったとしたらもったいない気がしたけど、それでも9月号が即売り切れ、今月号も注文不可の状態が長く続くような状態になってしまったのがゆるゆりアニメ化効果の凄まじさを物語っている。

さて今月号の本編。これはCMのセリフなんですがテレビ放送されてない地域の人はひょっとして知らなかったりするのかな?改めてオリジナルキャラがしゃべると…やっぱりちょっと違和感がありますね。まあ所詮CMなんで別にいいんですが(笑)。アニメ化に際してたくさんの百合姫作家さんがなもり先生にお祝いコメントを寄せたりアンソロジー漫画も寄稿されてらっしゃってましたし、それをなもり先生が返したのかなぁと感じました。悪いのは「プロダクト・プレースメント」などというサブタイトルつけてあざとい雰囲気にしてしまったりっちいさんでしょう(笑)。
「百合姫Wildrose」を熱心に読み込んでるちなつが可愛い♪きっとこれを結衣に実践…するつもりなんだけど結局予行練習であかりとしてしまうことになるのでしょう(笑)。結衣たちにも言えないようなことをしているらしき描写があるのもあれこれ想像させてくれて良いです♪
作中の京子の吹き出しが変なとこから出てくると思ったら最後はやっぱり…なもり先生はしっかり仕掛けてきますね(笑)。

・「ふ~ふ」(源久也
今回はヒロインカップルがいちゃいちゃしだして巻き返しの回…

かと思いきややっぱり新キャラが。しかしいきなりのこのセリフは強烈でやっぱり笑えるw

・「エトワール」(黒霧操)

必死で思いっきり真剣な奈々ちゃんとアホっぽい理子の表情の対比が面白いですね。この作者さんはどんどん成長してる感じ。今回の作品が今までの作品の中で一番面白かったです。

・「きものなでしこ」(八色
編集の方針で無理矢理登場人物増やしても名前覚えないよ!とか先月号で言ってたら冒頭キャラクター紹介がついていて好感度があがりました(笑)。キャラクターも今回は増えてないしようやく面白くなってきた感じです。しかしキャラ紹介あって良かったですねほんとに。冒頭のフランス娘の名前ネタはこれがなかったら絶対分からなかったと思う(笑)。

かの子とサーヤは鉄板として、それ以外にもアンジェリカと雀(←一応名前覚えたよ!)の仲がなにやら良い感じ。なもり先生あたりだったらこの思わせぶりな素振りに仕掛けとか入れてきそうですね。でも八色先生は多分何も入れてないと思う。まあでも八色先生はこれでいいんです!その地味な八色先生の作風が好きだって読者もきっといるよ!とりあえずここに!(笑)
バトルフィーバーのネタは皆わかんねえよ!…でもやりたくなる気持ちは分かる(笑)。こういうネタはリアルタイムで見てた人も絶対覚えてないでしょうし、若い若くない関係なしに、ここ10年くらいでネットで調べたりしたかどうかなどで知ってるかどうかが分かれてくるんでしょうね(私は戦隊モノの主題歌集CDで知った)。

・「返信お待ちしております☆」(竹宮ジン)
ストーリーは最初の方だけで最後までの展開がだいたい読めちゃうかな〜。

しかし扉絵と「むっはぁあぁんっ」が可愛いのでよし!

・「よめとり!」(すこやか)
すこやか先生久しぶりの再登場!のっけから「女のみで継承される十二巫護神術の名取であるらしい」「私のほうが頭いいんだからあなたが嫁になりなさいよバカ」…どこからつっこんでいいやら全然検討もつかない展開が頭おかしい感じでよろしい(笑)。

そしてその後はなんと教室でちゅっちゅ合戦に!ブラの中に直に手まで入れてる!これも大変よろしい!

・「恋はお静かに」(かずまこを
これも上手い話だなぁ。かずまこを先生は短編がむちゃくちゃ上手い。
ちょっと変わった設定もあるんですがこんだけヒロイン2人の一途で可愛い心情やドキドキが伝わってくる作品って、百合作品が多くなってきた昨今でも久しぶりに見かけたような気がします。

・「飴色紅茶館歓談」(藤枝雅)


芹穂から指輪をもらったものの、製菓学校を出て自分から贈ろうと思っていたので戸惑っていたことを打ち明けるさらさは芹穂にお菓子とお茶を振る舞い、2人は泣きながら抱き合って気持ちを確かめ合うのでした。
突飛なオチが用意されてるということもなく、ほとんど予想通り…というか他に考えようもない結末でしたが、描写や演出が丁寧で良作でしたね。藤枝雅先生の心の綺麗さが伝わってくるような作品でした。藤枝雅先生マジ天使(笑)。…というか私の心はこんなに綺麗じゃないなーとも実感してしまった(^-^;
ドラマCD付き単行本2巻が11月18日発売!

・「飼い犬よ、手を噛め」(森田季節 黒柾志西)
森田季節先生は前回に引き続き登場。イラストの黒柾志西先生は久しぶりの登場ですね。
女子同士半裸のモデルをさせたりするお話で、舞台は全部美術準備室の中で進んで動きもほとんどないんだけど、ひたすら心理描写は詳細に描写してるのが面白いですね。

・「hime cafe」
今回担当するのはかずまこを先生。対談相手は担当編集のぱいんさん。
りっちいさんは「ゆるゆり」で手一杯だし人員不足でガトーに飛ばされてしまったナガヨさんとノラさんも充分な仕事が出来ない環境(可哀相に…。ガトーはりっちいさんが責任持って一人で全部やれよw)みたいだし、それで冒頭で編集はいなくても作家は育つのが今回の百合姫がよくなった原因だと言いましたが、ぱいんさんはちょっと別。表には出てこないけどぱいんさんはじっくり作家さん相手に話を聞いたりするなどして仕事してそう。あれこれ口出しするというよりひたすら作家さんの話を聞いて仕事してる印象があるんですが、それが功を奏したことも今回の百合姫の内容が良くなった原因でしょうね。

・ヒメトピ
取り上げられている作品、「commons&sense」の紹介はこちら。
「けもも」の紹介はこちら
種村有菜先生の「マリみて」エッセイ漫画の紹介はこちら
ゆるゆりノベルアンソロジーの紹介はこちら
サイゾーのエッセイは私もちらっと読んだ事がありますね。ちょっと前に話題になったんでしたっけ。


ルーシーにおまかせ!(一条明)

これは紹介してなかった。メイド×お嬢でクローン×アンドロイド?濃そうですね。

・ヒメレコ
りっちいさん推薦のは目新しいのがないというかネタ切れっぽいので飛ばしてぱいんさん推薦のから。

超訳百人一首 うた恋い。
(杉田圭)
ブログでは取り上げなかったけど、これもちょっと読んだことがあります。ちょっと百合っぽいところがあるんですよね。


ZUCCA×ZUCA(はるな檸檬)

これは目はつけていたものの時間が取れずまだ読んでない作品です。宝塚と百合…近いような遠いような不思議な関係なんですよね。これも取り上げたところでこのサイトで需要があるかどうかは微妙な作品な気がします。


ゴーレム 100 (アルフレッド ベスター)

これは知らないや。変わったお話とのこと。

次はノラさん推薦の作品。
さかもと麻乃先生の「ペーパーウエイトアイ」うちでも紹介しました。超オススメの作品ですね。意外に感想が私と被ってる。今月5日発売の雑誌最新号までちゃんと読んだかのようなしっかりした感想ですね。さかもと麻乃先生の担当はノラさんなのかな?
「回游の森」(灰原薬)の紹介もこちらでやりましたね。

ブラッドハーレーの馬車

これは紹介してないかな?エロエフ掲載の作品は一度くらいはちら見してると思うけど。

・「さかしまシンデレラ」(大沢やよい)
突然告白してきた眼鏡っ子ユリは内気そうなのに友達からじゃダメだと言い「付き合ってください。私はアキさんの恋人になりたいんです」と激しく迫ってきて、了承したもののデートでいきなりラブホテルに連れていきヒロインを押し倒して……というお話。

女子高でありがちなテンプレートをなぞるだけの関係が嫌だからセックスまでしないと焦って行動してしまったユリが可愛いですね。この作者さんは前号から比較しても格段に構成も描写も上達しました。

・「私の世界を構成する塵のような何か」(天野しゅにんた)
5月号で好評だった天野しゅにんた先生の作品が連載化!
笙子と明日菜の関係の続きじゃなくて、その周辺の女子達のお話なんですね。冒頭「彼氏いないの?」と箸で笙子を指す第2話のシーンは第1話と共通していますね。今回は箸で指した方の女の子留希のお話。留希は好きな女の子さっちゃんがいたものの彼女には男がいる模様で声をかけられない。そんな中急に接近してしたきたれみあという女性に「恋とかセックスとかしたことなくてビビってんでしょ?経験として一回くらいしてみようよ」と言われ本当にセックスをしてしまうことに。

行為をした後留希が、「あの子もあの子も、皆誰かとこういうことをしてるんだ。誰かの下でこんな顔を」と思ってしまうシーンが印象深い。そして留希はさっちゃんもそういうことをしているのか…と思ってしまうのでした。
ともあれお話はとても面白くなってきましたし、今後の展開も気になりますね。

・「名もなき草の花の野に」(大北紘子
捨てられて拾われたヒロイン野薊が辿りついた先は教会…と思ったら実際は娼婦の館でお客を取らされることになることに。拾ってくれた銀蘭は野薊と一緒を暮らすことを夢見て好きでもない男に何度も抱かれてお金をかせぐものの…。
胸が痛くなる内容ですね…。雪椿の銀蘭に対する想いも切ない。

・「熱帯のリリオン」(井村瑛)
自分の属する族の掟で旅に出た先で男とまぐわって子孫を残さなければいけなく、女性同士でのそういう行為も禁じられていることに、ゾエ(♀)に想いを馳せるフィン(♀)は反発しゾエはそれを諌め従わせようとするのですが…というお話。

今回も…というか今回は特に独特なタッチですね。この展開だとどう考えても悲劇…かと思いきやハッピーエンドが待っていたのは意外だっただけに嬉しかった!

・「夢はココロの鏡」(さかもと麻乃

昔アイドルをやっていたヒロインエリコは、一緒にデュオを組んでいたナコちゃんに「私、女の子しか好きになれないの…」と打ち明けられてからナコちゃんのことを激しく意識してしまうようになり…というお話。冒頭のこの導入部だけでうおおとなってしまう!
以来何気なく抱きしめられても胸の感触にドキドキしてしまったりするシーンも良いですね〜。
アイドルオタクだから新人だったエリコのことに憧れてずっと注目していたという話とか、アイドルだから恋愛感情とは全く異なる「才能」というものへの強い憧憬があって、それが2人の恋愛の障壁になってしまう話とか、リアルに伝わってくる描写ですね。
もちろんさかもと麻乃先生も私もアイドルではないし、こういうことが現実にあることなのか正確に推しはかることは出来ませんが、私が仲の良さそうなアイドルの女の子2人を見た際に一番感じるのはやっぱりこういう葛藤があるんじゃないかということですね。
そして別れてしまった2人ですが、その後はエリコも女性の恋人を作ることが出来て、お話を全部読み終わった後にまた冒頭のエピソードに戻って読むと、また泣けてきますね。

・「恋愛遺伝子××」(影木栄貴+蔵王大志)

サクラとエリカが恋仲ではないかと急に気になってしまい夢にまで出てくるようになったアオイ。一方エリカの方もアオイとサクラがそういう仲になってるんじゃないかと気になるエリカも夢を見てしまうのですがこちらは少年漫画風(というか車田正美?w)なのが面白い。「ADAM校舎では今なにが起こってるの?」ってなんか笑えるw案外アオイ×エリカというカップリングもありだったりして(笑)。
そんな中アオイは水泳の授業中足をつってしまい…次回はアオイのマウスツーマウス争奪編?(笑)

・「百合男子」(倉田嘘

少女漫画というのはモノローグを多用するきらいがあってその辺を批判されることもしばしばあります。そしてこの作品もモノローグはこれでもかというくらい多いんですが…全く少女漫画的ではないですね(笑)。
新キャラの魚屋のおっさんは子供に百合姉妹を渡してるあたりりっちぃさんがモデルっぽいようでもあり、百合が好きなことを誇りに思えばいいとか真面目に語っちゃってるあたり私がモデルっぽいところもあるんですがつまり何が言いたいかと言うと見ていてぶっ殺したくなるキャラだということですね。
倉田先生、一緒に飲みにいかれることも多いようですが、奴が酔い潰れていて、隙があるだったらこっそりヤっちまってください。他の百合男子はいい、ただしあいつだけはダメだ。どうしてもダメだ。

…とはいえ地獄絵図のようなこの漫画読んだ後だとどの百合作品読んでも可愛く感じます!百合漫画の良さを改めて実感する良い機会になったかもしれません。やっぱり百合漫画は良いなぁ百合漫画は…(´▽`)

・「ロケット☆ガール -ROCK IT' GIRL-」(田仲みのる)
前回華々しく巻頭を飾ったものの掲載順位は一気に下から2番目に!(ちなみに一番最後は締めで持ってきてることも多いので個人的にはこの最後から2番目というのが雑誌の中で一番厳しいポジションだと思っております…笑)。「きものなでしこ」はおろか「百合男子」より後ろってすげえ!(笑)
第2話は作品に百合要素がない回だったからという見方も出来ますがそれならばなぜ「特集カウントダウンガールズバンド」の後ろに持ってこなかった!(笑)
しかし正直この作品の第1話は、いかにも編集長から「けいおん!っぽい作品だったら連載させてやるよ」と言われて描いたような匂いがぷんぷん漂っていたのでまあ人気の方はこんなもんかなぁと。

…とはいえですよ!編集長の外れた思惑はともかくこの作品、第2話はとても面白くなっております!田仲みのる先生らしさが出てきましたね。
作る曲が古臭くて一緒にバンドやってた仲間から疎外されてたとか、なんか田仲みのる先生っぽい(笑)。ですよね〜。田仲みのる先生が今時のガールズバンドブームのノリで百合描くって違和感ありますもん。こういう設定だとなんだか納得してしまいます。編集長に掲載順位を下げられたのもこんな設定にしたせいかもしれませんが(笑)。
私生活では工場で働いてる超地味な生活送ってるという設定も田仲みのる先生の作品らしくて好感が持てます(笑)。
写真の中でバンドやってる工場長と鈴原父の姿が昔のバンドマンみたいで格好良い!
「才能は先人から親から視界に入った全ての人間から無断で借り入れた負債」…これって何か元ネタとかあるんでしょうか?個人的には目から鱗というかすごい感動してしまったんですが(笑)。
第2話は特に百合展開はなかったんですがホントに面白かった!

・「レンアイ女子課」(森島明子)
最終回!女子同士の恋愛バトルの結末やいかに…と思っていたんですが

「不戦勝ー!!やったあー!!」で解決…って笑ってしまったけど本当にそれで済むわけはないですね(^-^;
わんわん泣いてる黄実ちゃん可哀相。全米の漫画家が泣ける展開です…。
しかし傍目から見れば黄実ちゃん、仕事にかまけて恋人ほったらかして愛想付かされたしょうがない女なんですよね。この展開に特に違和感のない読者もいるかと思います。しかし私も思いっきり黄実ちゃんタイプなんですよね。私も何かに打ち込んでると人付き合いが極端に杜撰になってしまうタイプ…。途中から現れたキャラとは言え、同情してしまうなぁ。
主任の話もそうなんですが、黄実ちゃんが幸せになるお話もどこかで読んでみたいですね。しかし果たして黄実ちゃんが簡単に幸せに女性と結ばれることが出来るかどうか…これは難しいところですね。以前森島明子先生は同人やイラスト描いてる女性が幸せに女性と結ばれるお話も描かれていたし、夢の世界を描くこと自体は簡単だと思うんですが、実際どうか…?真剣に仕事に取り組んでると恋愛してる時間ってなくなっちゃうことってありませんか?インタビューなんかでそう答える漫画家や芸能人の方もいて、どこまで本当なんだろうと疑問に思われる方もいるかと思いますが、私はああいうの結構本当なことも多いんじゃないかと思っちゃうんですよね。だって私だってもし恋愛しようと思ったってそんな時間絶対作れない。百合サイト見捨てない限りは(笑)。まあ私の場合は恋愛願望も元々ないからというのが大きいですが、不器用なくせに何かに打ち込んでしまう性質のある人間は、恋愛を実らせることがめちゃくちゃ難しいという側面はあると思います。
黄実ちゃんのお話の続きを森島明子が描くこともあると思いますが、その際はそういう現実もしっかり描いた作品になりそうですね。しかし黄実ちゃんの恋が永遠に結ばれることがなくて、黄実ちゃんのお話が描かれないとしても、それはそれで納得してしまいます…。

最後、目先の結婚式ではなくダイヤモンド婚式…ダイヤモンド婚式って結婚60周年を祝う式なんですね。森島明子先生はデビューしたての「アニース」時代にも、女性同士年を取っても愛し合い続けることを夢見続ける百合カップルのお話とか描かれていましたよね。

当時は森島先生かなり若かったと思うんですが(笑)。森島明子先生がこういう関係に強い願望や憧れがあることがうかがえる結末でした。

今のところamazonにまだ在庫があるバックナンバーは…百合姫5月号しかありません!
百合姫9月号百合姫7月号はもう品切れになっています。発売して1ヶ月も経たないうちに品切れになることは滅多にないんですが。
というか今月号もすでに在庫が怪しい状態です!
恐るべしゆるゆりアニメ効果!

正直9月号と7月号は再録や、掲載レベルの賞を取ったわけでもない新人作家の投稿作などあきらかに穴埋めな作品なども載っていてイマイチでしたが、今月はそういうのもなくて、掲載された作品はどれも未発表のものだったし内容もどれも良かった!
リニューアル後勝手に自滅して迷走を続けていたけど、結局作家さん個々の弛まぬ努力の成果によって雑誌のクオリティも元に戻ったように感じましたね。やっぱり雑誌のクオリティは掲載作品の内容だなぁと改めて感じました。
百合を描く作家さんは年々増えていて、クオリティもどんどん高くなっているんですよね。だから編集長がどれだけ作家さんを逃がそうと(笑)、良い新人作家さんはどんどん育っていくからクオリティは下がらないんでしょう。これは良いことなのかどうか分かりませんが(笑)。まあ編集長もしっかりしてくれるのが理想っていえば理想ですが、ともあれ百合ジャンルは手堅く成長していて将来も明るいことを感じました。

ともあれ今月号、めちゃくちゃ良かったです!是非入手してくださいませ!