ブログ開設の経緯とご説明

閲覧者の皆様 はじめまして
現在中村様のお仕事を部分的にお手伝いさせて頂いておりますKierke(キルケ)と申します。
まず、このブログを開設するに至った経緯を閲覧者の方々にお伝えしたいと思います。

2011年7月28日付けで私の管理サイト(作品ギャラリー http://p.tl/wK3P)に匿名の方からお問い合わせメールが届きました。今後の為にこちらでの公開は控えますが、返信2通の全文を転載させて頂きます。

--------------------
8月29日
はじめまして ??様

ご連絡有り難うございます。
本文内容に少々ビックリして把握するのにお時間かかりました。

まず最初のご質問ですが、私は現在中村様からお仕事のご依頼を請けております。
私自体の職種が多岐にわたるので背景専門屋さんではありませんが
アニメやゲーム関連では背景画を主に請けております。

以前中村様より、今回の作業についてトレースではないのか?というご指摘を受け
トレースではないですとお答えしました。
残念ながら作業終了より日が経っていたので全ての下書きやラフをお見せ出来ず
明解な回答にはならなかったようですが他にそれを証明出来るものは残っていません。

私の作業が誤解を招き中村様にはかなりのご迷惑をおかけしたと思います。
どれほど深刻な状況なのか私はよく解っておりませんでしたが
このような文面のメールが匿名の方から届くという事は大変な事態と推察致します。

ですが中村様はそのような事には殆ど触れず、その後もお仕事を発注して下さいましたので
私にとっては中村様にかかった嫌疑を晴らすのが作業以外では最大の務めだと思っております。

少し前に、ブログ等の説明の場を作って下さいますか、というお話があり
嫌疑を晴らす為でしたら何でも致しますとお答え致しました。
過去の作業の下書きが無い状態でどれだけご納得頂けるか解りませんが
専門技術の話にもなるかと思いますので是非私もご丁寧にご説明出来る場を作りたいと思っています。

ただ中村様も私も抱えている仕事量が膨大で、なかなかその誠意をお伝えする
タイミングがとれなく現在に至っています。
ご説明するにしても私が勝手に動いて良い場面ではなく
中村様ともご相談したいと思いますので少々お時間をいただけますでしょうか。
タイミング出来次第ご連絡させて頂きますのでよろしくお願い申し上げます。


Kierke
*ご芳名が無かったので私もHNのKIerkeで明記させて下さい。

8月29日
??様 こんばんは

本日中村様と会話出来ましたのでご報告致します。

ただ今私が抱えているお仕事の関係上
ブログ等でご説明できる場所を設けるのが9/10過ぎになるかと思われます。
あくまで予定ですので数日のズレがあるかも知れませんが
寸暇を惜しんでの作業が続くのでどうかご理解いただき
それまでお待ち頂きますようお願い申し上げます。


Kierke
--------------------

私はブログ等作成の経験がなく不慣れな事もあり、こちらのギャラリーサイトはネット上でのお仕事受注の際に必要な時に見る程度で更新もせず放置しておりました。このメールが迷惑メールに入っていた事もあり存在に気がついたのが受信よりひと月後になっており、これもただ今メール全文をコピペする際に気がついた状態です。メールを下さった方にはご返信が大変遅くなり礼を欠いてしまったことをこの場をお借りしましてお詫び申し上げます。

以上のような流れがありこのブログを開設するに至りました。
皆様がご懸念されている事の次第をご説明させて頂きます。

年内春頃、中村様からのご依頼で今回の作業をするに至りましたが、その際アニメTIGER & BUNNYの背景の参考資料として数枚の画像データを頂きました。ご存知のようにTIGER & BUNNYの世界観は独特であり、質の高さを保持しこれを再現させることが私の役目と解釈しておりました。ですので頂いた画像データを再構築することに集中しておりました。

まず皆様がご懸念されているトレースに関してですが、頂いた画像データは特別解像度の高いものではなくしかも暗色画面なので、トレースするには厳しいものでした。トレース自体がこの場に相応しい手段ではないのは熟知しておりますので選択する由も無いですが。必然的にアナログ描きおこし作業になります。

私のアナログ作業、特にパース関連は主に製図台(ドラフター)を使用しており、ご存知の方も居られると思いますがこれは角度を固定させたまま水平垂直移動ができる代物で、三角スケールやR定規等使いこなし描画センスと経験があれば、どのような画面も複製する事は凡そ可能です。(年季のはいった熟練度が必要になりますが)

現在のように便利なツールソフトが発達する以前は複写機や青焼き機の代わりに手作業で複製する場面は多々ありました。設計やデザインの世界で活躍されているご年配の熟練者の方には、こういった作業はよくご経験されており、トレースではないことが簡単に成果物からご理解頂けると存じます。更に付け加えるならば、専門の環境で文化財等の保存修復技術を学んだ者であればより一層完璧な再現が可能だと思います。

例えば、そういった技術は実際どういう場面で必要とされるかと言うと、近代土木(橋梁やビル等)の文化的価値の高い施設を未来に残す為のリニューアル公共事業があります。この際、当時(古くは明治大正時代)の破損の多い青焼き図面を復元させる事から作業が始まります。この時代は鋳物のレリーフや彫刻をあしらったものが多く、当時と同じ意匠設計図を描きおこす事で同じモノの復元ができるのです。
私はそういった公共事業に関わってきた経歴がありますのでこういうスキルは必然的に現場で身につけました。確かに日常的な技術ではなく特殊な部分もございますが、リニューアル事業に深く携わってきた諸先輩方であれば同様の技術を身につけている方は何人もいらっしゃいます。

そして中村様より、お客様から「トレースではないのですか?」という疑問が寄せられているという事を伺い、お客様が「検証」と称してアニメ画像と私の作業を重ねている画像も拝見させて頂きました。検証された皆様に置かれましては「重なっているからトレースです」というご指摘なのですが、私がこの画像を拝見したときの感想は「こんなにずれていたのか」という少々がっかりしたものでした。
これは、トレースでなければ重ならないはずだという観点と、トレース出来ていたらもっとピッタリ描けたはずなのに、という観点の相違だと解釈しています。私の仕事仲間に見せていたら「腕が落ちたな」と言われかねない場面でもあります。それをきっかけに、そもそも同じ画角で忠実に再現しなければいけないと思った事自体が私の勘違いであった事も理解致しました。

ここは重要なポイントだと思いますが、すでに発行された著書であることで中村様も販売元様に判断を打診されており、その際「紛らわしいので今後同じ画角で作成する事は避けるように」との販売元様からのご指導を頂きました。よってその後の作業に関しては、公式本やアニメと同じ画角にならないように細心の注意を払いながら、時にはアレンジも加えながら最初とは真逆の方向性で作画をしております。ですのでこの件に関しまして解決済みとさせて頂いております。

しかし作画した当時のラフや下書きは全て破棄しており、この状態では説得力が足りないというのも頷けます。
長時間の作業工程を言葉で説明するのは容易ではありませんが、簡単な図を用いながらご説明を付加させていただきます。

例:バイク(皆様にも試しやすいように難易度の低いものを選びました)
必須道具:三角スケール/円定規/R定規

1、まず元絵の縦横バランス、アタリとなる箇所を数字にして読み取る
2、用紙に描きたい大きさに三角スケールなどで大まかな量感、位置を示しておく
3、微妙な曲線はアタリの位置を守りながらラフで探って行く
4、大局であるポイントを崩さず清書していく(今回、細部はあまり拘らない)
5、ペンで清書と同時に鉛筆で書き足しながら更にペンで書き込んでいく
6、鉛筆部分を消し、完成

以上地味で根気のいる作業ですが、こうした行程で元絵に酷似した画面は作成出来ます。




作業の方向性を私の思い込みで安易に判断し誤解を招きやすい作画をしてしまった事、メールの存在に気付くのが遅延しこのような状態になっているとは知らず呑気に構えていた事等、お客様並びに中村様の御心を多大に煩わせてしまい大変申し訳なく思っております。ここに深くお詫びさせて頂きます。

最後に、僭越ながら私見を述べさせて頂きますと、私の対応が遅かった事が起因となり誤解を生んだとはいえ、中村様は私にとって大切なお客様でありクライアント様であります。一方的な偏った情報で「犯罪」などという過激な言葉を用いられる事は(お問い合わせメールにそういった表現がありました)、中村様を通し私自身が犯罪を犯していることに意を同じくし、私としましても私の歩んできた経歴に汚点を付けられたような非常に深い憤りを感じております。これまで事実無根の嫌疑を背負い不快な情報から守って下さっていた中村様のご心痛を案じると共に、ご迷惑をおかけした事に平身低頭の気持ちで一杯でございます。

作品を愛するが故に発した疑問や探究心での一連のご行為とは存じますが、どうか皆様方のご聡明な目で全貌を見渡し誤解や悪意にミスリードされませぬよう、私どもの経歴技術等々そういう世界も存在するという事実をご理解頂きたく、重ね重ねよろしくご判断お願い申し上げます。

長くなりましたが以上をこの件に関しましてのご説明とさせて頂きます。

尚、未だ心情的にご納得頂けない方もいらっしゃると存じます。
時間の許す限り真摯にご対応させて頂きますので直接メールでご連絡頂けると幸いです。



メール宛先:kierkegaard989@gmail.com
2011.9.12 Kierke

テーマ : 管理人より
ジャンル : その他

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:kierke
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる