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「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて 吉田典史
【第5回】 2011年9月20日
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吉田典史 [ジャーナリスト]

一体でも多くの遺体を家族のもとへお返ししたい――。
巨大津波の上空を飛んだ警察官の絶望と絶えぬ執念
――宮城県警航空隊の成田聡・機長、平仁・操縦士のケース

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 3月11日の震災では、多くの警察官が住民の避難誘導に心血を注いだ。なかには、その最中に津波に襲われ、殉職した人もいる。あの日から半年が経つが、多くの新聞やテレビは彼らについて詳しく報じていない。

 なぜ警察官は、危険を覚悟で避難誘導を行なったのか。当日、その警官らが避難を誘導した地域の住民の行動は、どのような様子だったのか。それらが今も見えてこない。

 今回は、震災当日、宮城県の上空を飛んだ県警航空隊の警察官を取材した。彼らが見た被災地の「生と死」を通じて、当日の実態に迫りたい。


これほど長くて激しい揺れは初めてだ――。
ヘリコプターで出動した警察官の胸騒ぎ

宮城県警航空隊の成田聡・機長(上)と平仁・操縦士(下)。地震発生直後にヘリコプターで大津波の上空を飛び、住民の避難誘導を試みた。

 「一体でも多く遺体を家族のもとへお返しする。その遺体を待つ人たちがいる」

 宮城県警の航空隊に所属する成田聡機長(41)が答えた。横で操縦士の平仁氏(31)がうなずく。

 2人の表情が、取材の1時間30分ほどの間で最も厳しくなった。私が訪ねた日の前日は、震災でいまだに行方不明者になっている人たちを、警察などが集中捜索した日だった。

 成田氏と平氏、整備士がヘリコプターに乗り、船が入れない入り組んだ海岸などの上空を飛ぶ。そして、高性能のカメラを使い、遺体を探し出す。それらしきものが見つかると、カメラをズームアップして確認する。

 遺体とわかれば、仙台市にある宮城県警本部へ報告する。県警本部は海上保安庁などへ連絡を入れ、遺体の収容を依頼する。

 仙台市、東松島市、石巻市、南三陸町、気仙沼市などは、地震と津波による大きな被害を受けた。県内の死者は9456人、行方不明は2149人に上る(警察庁・9月10日調べ)。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。経営、経済分野で取材/執筆/編集を続ける。主に、雑誌「人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)や「企業と教育」(産労総合研究所)などで執筆。日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』(ダイヤモンド社)、『年収1000万円!稼ぐライターの仕事術』(同文舘出版)、『非正社員から正社員になる!』など。新刊『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)が好評発売中!


「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて 吉田典史

震災から5ヵ月以上が経った今、私たちはそろそろ震災がもたらした「生と死の現実」について、真正面から向き合ってみてもよいのではなかろうか。被災者、遺族、検死医、消防団員、教師、看護士――。ジャーナリストとして震災の「生き証人」たちを詳しく取材し続けた筆者が、様々な立場から語られた「真実」を基に、再び訪れるともわからない災害への教訓を綴る。

「「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて 吉田典史」

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