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愚かな大衆は「中立性」が不可能要求であることに気付けない

狐の王国
マスメディアがマスゴミというネットスラングで語られるようになって久しい。数年前に比べればだいぶ進歩も見られはするのだが、まだまだ体質という意味では変わっちゃいない。

マスコミはもっと偏向報道しろという記事。これは非常に的を得た話で、以前にもあるメディア関係者に「偏向っぷりが足りないから偏向報道って言われるんですよ、新聞赤旗を誰も偏向報道とは言わないでしょ」と言ったら納得してもらえたことがある。

「じゃあ中立性の確保は? マスメディアにとって重要なことじゃないの?」

そんなことはない。そもそも「中立であること」なんて不可能なのだ。そういう不可能要求を我々日本国民がメディアに求めて、それをメディアが真に受けてどうにかしようとしてたにすぎない。

主観でない視点など存在しない。客観的にはなれるかもしれないが、客観することなどできはしない。観察者はその観察という行為によって観察対象に影響を与えてしまう。それはもはや中立ではない。
中立であることが不可能な以上、中立を目指すことはそもそもが間違いなのである。
だが愚かな大衆はその不可能性を知らぬがゆえに、平気な顔で不可能要求をする。コンピュータを知らない顧客が平然と「絶対に落ちないシステムを作れ」と言い放つように。

メディアに求められるものは中立性ではなく情報だ。どんな偏った視点からでも確度のある情報は抽出できる。そういう読解力をメディアリテラシーという。

マスメディアはその規模からして「愚かな大衆」をターゲットに情報を発信するメディアだ。誰が悪者なのかはっきりしている水戸黄門的な記事でなければ「愚かな大衆」は理解できない。

「大衆を馬鹿にしてるのか!?」

馬鹿になんかしてませんよ。あのな、前にも言ったけど人間の半分は偏差値50以下なのよ? そんなに高度な読解力や知能を持ち合わせてるわけがないでしょ。そうでなくても日本の教育は音読させたり暗記させたりはしても、読解のスキルや作文のスキルは宿題だけ出して放置なのに。そういうの無理ゲーって言うんですよ。チュートリアルくらい用意しとけっての。

「愚かな大衆」もそろそろ「中立性は不可能」という事実に気付いていいころだ。メディアも無理な中立性などたもつ必要はない。もっと堂々と自分のスタイルはこうだと言い張ればいい。そういうものだと思って見てれば腹も立たんよ。

偏ることは問題無い。問題なのは情報が欠落してることだ。偏ってていいから欠落の無い情報を届けて欲しい。そうじゃないと役に立たない。伝聞みたいな記事をマスコミが一斉報道して大臣をひきずりおろすとかそういう愚かという言葉でもまだ足りない愚行ばかり続けてるようじゃ本当に価値が無い。
愚かな大衆は自分が本当に何を必要としてるのか気付くべきだ。そしてマスメディアは、自分らの本当の使命を見つめ直す必要がある。

伝聞で大臣ひきずりおろすのがあんたらの仕事ですか?

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