びゅううううっ・・・物凄い雪が降り続けている。辺り一面雪景色。真っ白でよく見えない・・・どうやら此処は、ポケモン達の住む世界でも雪山のようだった。 そんな物凄い吹雪の中を、雪の中を1匹で歩き続けているポケモンがいた・・・ニドリーノの「パープル」だった。 どうやらパープルは、旅に出たのだが道に迷ってしまって家に帰れなくなってしまい、雪山をずっと遭難し続けていたのだった・・・。 「・・・・・。」パープルは、無言でただ吹雪の中を歩き続けていた・・・もう随分と歩いているし、空腹で体力もあまり残っていなかった。 ・・・私はもう、駄目なのか・・・パープルはあまりの絶望感に、もう自分は駄目なのかもしれないと思っていた。 ・・・すると、何やら前の方に、街のようなものがあるのに気がついた。「・・・あれは・・・」よく見てみると、本当にポケモン達が住んでいるらしき街のようだった。 パープルは、やっと雪山から脱出し、ポケモン達の住んでいるらしき街に近付いて行った・・・わりとそこは大きな街のようで、お金持ちそうな家が沢山並んでいるのがわかった。 街の中に入ったパープルは、高級そうな家が沢山並んでいる通りに入って行った・・・その通りには他のポケモン達も何匹かいたのだが 「・・・・・。」そのポケモン達はパープルを見た途端、とても不審そうな顔をして、逃げて行ってしまったのだった・・・。 「・・・。」パープルは少し不思議に思ったのだが、トントン・・・と、1軒の家のドアをノックした。「あのっ、ずっと吹雪の中を歩いてて、空腹なんです。何か食べ物ありませんか・・・?」 その途端、ガチャッと家のドアが開く。中から顔を出したのは、1匹の♀のリーフィアだった。「・・・・・。」リーフィアは、1匹佇んでいるパープルを見た瞬間に、とても嫌そうな顔をした。 「・・・何、あんた・・・うちには、あんたにあげるような食べ物なんてないんだよっ!出て行きなっ!!!」と叫ぶと、リーフィアはバケツを取り出し、水をパープルに向かってぶっかけたのだった!!! 「・・・・・!!!あのっ・・・!!!」「・・・ふんっ!!!」バタン!!!とリーフィアはドアを閉めると、ガチャリと鍵をかけてしまった。 「・・・・・。」パープルは無言になってしまった。もう空腹でほとんど体力も残っていないし、歩く気力もなかった。 パープルは街を出て数歩歩いて行くと、ドサッと雪の上に横たわり、そして二度と動く事はなかったのだった・・・。雪が、動かなくなったパープルの体の上に降り積もる・・・。 あの街にいるポケモン達は、そんな1匹のニドリーノに気付く事もなく、今も家の中で楽しそうにやっているのだろう・・・。雪は、静かに降り続けていた・・・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- この作品はずっと前に絵本用のシナリオとして同じネタ を書いたのですが、内容はほとんど変わってませ ん・・・。 私的には失敗作なのですが、かなり怖い話に なっちゃいました・・・。 |